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18.事件について




「まず、幾つか言わないとだけど、僕は基本表には出られない」

「それは、仕事上と言うことか?」

「それもあるね。でも、一番大きいのは、僕が人ではない、と言うことだよ」


は? 人じゃない、ってそれどうやって生きてるの。


「僕は、()()()()()()()と呼ばれる魔道具。作られた命だよ」

「人工的に作られたってこと?」

「そ。人間みたいに普通に生活するけど、必要なのは魔力だけ」


その人、かなり凄いことしたのでは? でも、知られてないのおかしいし………。


「それをオリヴィエたちは」

「知ってるね。僕の姉を君たちは知ってるはずだよ」


そう言って、ユラエスとアストロさん、サジュエルを差す。


「俺たち?」

「僕の姉が一人、騎士団入ってるから」

「名前は?」

「いやー、言ったら殺されるから勘弁」


殺されるて。


いや、騎士団に入ってるってことは、少なからず身元偽証はしてるだろうから、いろいろあるのか……………?


「信頼されてるし、問題無いだろうしね」


うん。てか、話ズレてない? 呪いのことを話に来たんだよね??


「無駄話長いから、ウザければ殴れ」


クロンさん、それはちょっと…………。


「あ、ごめん。じゃじゃ、本題ね」


もう叩かれるのは嫌なのか慌てて本題へ移す。


「今回の事件は魔塔を良く思っていない者たちとハゼルトを嫌っている奴らの仕業だよ」

「魔塔とハゼルト、か?」

「魔塔は個が権力を持っていて、やろうとすれば国なんて簡単に乗っ取れる。利益も得るけど、自分たちの権威を脅かす者だからね」


我が国の魔術師は権力なんていらないとか言いそうだけど。


「ハゼルトの方は………知ってはいるけど、それを言う権利が僕には無い」

「言う権利…………?」

「ハゼルトがその気になれば、国なんて半日で数個消えるからな」


さすがに言い過ぎでは、と思うけど、ハゼルトだしなぁ。


「あそこは秘密主義だし、言うとリアにね………」

「あいつは人一倍そう言うのが強いからな」


なんだなんだ。リリアナがどうした。


「呪いはあいつが保持したままだ。回収も抹消も不可。無理やりやれば、暴れる可能性もある」

「こればっかりは、傍観が一番だよねぇ」

「犯人たちは何がしたいの?」


まぁ、それだよね。


魔塔とハゼルトを良く思っていないと言っても、だからってなんでこんなことしてるのかって言う。


「魔塔所属者のいる国で事件を起こして、それを魔術師のせいにする」

「そんなの上手くいかないんじゃ」

「呪いはあまり知られてないから、魔術師が実験で殺った、とか案外信じられそうだよ。実際、他国の一部ではそれが噂になってる」


マジか。

助けてもらってる側だけど、やっぱり未知の力って怖いのかな?


「悪いけど、僕らが現時点で話せるのはこのくらい。あとは…………彼女なら分かるかも」

「彼女?」

「近衛騎士団で一位を取れるサボり魔」

「…………ローズ卿か」


ローズ卿?


騎士って確か家名とかを呼ぶよね? でも、ローズ家なんて無いだろうし………。もしや、平民?

平民なら、名前を呼ぶって聞いたし、それが一番可能性高い。


「ローズ卿、来んのか?」

「会う方法が分からないな」

「菓子一週間分渡せば快く来るぞ」


お菓子で吊られる騎士とは…………。


「今度、サボり魔三人衆は呼び出しでしょ?」

「月一のすっぽかしたからな」


お、それは良いことを聞いた。


そんなこんなで解散に。


次の日、アストロさんに皆で呼び出されて三時間近く説教された。






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