188.勉強会……?
「それで、何をしに?」
「様子を見に?」
「したいことが特にないだろ」
「森に材料採りに行きたいです」
「なんでここに来たのかを考えろ」
リリアナのためなのに本人がいなかったら意味ないって。
「屋敷から出るな」
「だからといって籠れと言われましても」
「普段何も言わないと籠るくせに何なんだ」
気分じゃないかな。
「ハゼルトの習性がマジで分からん」
「一族でくくるの止めたら?」
「実際そうだから……」
「リリアナちゃんが籠るのは本人の性格でもあるでしょ」
あんまり外に出るタイプではないよね。
「演習場行く?」
「手合わせめんどい」
「手加減するのやだ」
「結果見えてるので却下で」
理由が酷い。
何をするのか一切決まらない。
「………よし、勉強な」
「「「え………」」」
「異議なし」
「人数多いから負担減りますね」
「やるか」
絶句する三人ともうそれで良いとなった四人、そしてどうするか悩む他。
「………私たち、どうします?」
「ゆっくりしてるか、一緒に勉強ね」
「勉強で」
「私たちは端でやりましょ」
「机が他にもあって良かったよ」
隣から聞こえる三人の泣き声と四人の怒り声、一人の呑気な声はスルーする。
「そこは」
「これどう解くの?」
「えっと」
こっちは平和だった。とても、ものすごく。
ただ、この平和も横を見ると、
「そこ違う」
「そこ、違うからな」
「公式使え」
「覚え悪……」
「「「ひぇっ……!」」」
「ふわぁ…(眠い…)」
一人呑気にあくびしとる……。
「リリー、やらないなら皇子たちの方行け」
「ふぁい……」
見かねたゼクトがこっちに来させた。
「ずっと起きてたの?」
「ユートに調べものをして欲しいって言われて」
「何を調べたらあんなラインナップになるんだ?」
「忘れました……」
かなり眠いのか半分寝ている状態。
「リリアナ、座りな」
「んぅ…………」
しれっと殿下の隣に座らせる。空いてたしね。たまたま、たまたま。
リリアナは座ってすぐに寝てしまい、ちょこっと殿下の方に押して殿下に寄り添うようにさせる。
「………アイリス嬢?」
「どうしました?」
「笑顔で何してるの。リリアナ、起きて」
「殿下、起こしちゃ可哀想ですよ」
「リリアナの寝顔レアですし」
「まず寝顔を見るのはどうなんだ……」
平気平気。
一日目はほとんどリリアナが寝たまま終了。二日目はリリアナも含めて別室で普通に勉強してた。
他は防音魔法使ってたから知らないけど、かなりの怒鳴り声が響いていたとかいないとか。
そして次の日、皇都に戻ると学院は休みとなっていた。
勉強シーンになると毎回同じキャラが泣いたり怒ったりしてるな……。