181.問題発生?
「………えーと、リリアナ? これは」
「おねえ様たちからです。面倒なので持って帰ってください」
「明らか僕にじゃないのがある」
放課後、思い出したと言わんばかりにリリアナがクロフィムにプレゼントを渡す。
明らかに量おかしいんだよね。
「持ってくの面倒なので」
「公爵家所有のタウンハウスにも来るの面倒とか何なの」
「絶対行きたくない場所ランキング上位ですが」
「上位三位言ってごらんよ」
「三位タウンハウス、二位王妃殿下のところ、一位公爵領」
一つおかしいのあるな。場所じゃない。それと、自分の家の領地が嫌って何なの。
「逆に行きたい場所ってあるの?」
「ハゼルト領、死の森、おばあ様所有の書庫」
「自分の家はどこいったの」
「人は野宿でも生きられますよ」
令嬢が野宿って考えを持ってるのがダメなのよ。
「リリアナ、いつだか自分のスペース取るために交渉と言う名前の引きこもりしてなかった?」
「おかげさまで快適ですよ」
そんな満面の笑みで言うことではないのよ。
「公爵って本当に甘いよね」
「まぁ、ゼクトに家紋付きの武器持たせたりもしますからね」
「ん?」
「は?」
「ちょっと待て?」
あのー、家紋付きのスペース所持させてるはほんと? それ、すっごく問題あるんじゃ。
「? 別に珍しいことでもないのでは? カラシャさんはハゼルトの家紋付き持ってますし」
「普通ないよ」
「あれ?」
待て待て、人の叔父におかしいの持たせてない?
「なんであの人ハゼルトの持ってるの……」
「私たちの武器作ってるのがカラシャさんですから、まぁ」
「武器は武器屋に頼んで」
「ハルが過労で死にますかね」
ハルさんは武器屋じゃないでしょが。
「扱いが難しいのは私がやってますし」
「令嬢が武器作るのおかしいからね?」
そこで黙るのは良くないと思うよ。
話していると、ゼクトが走って来た。
「………いたっ」
「ゼクト、どうし」
「説明は後。今からハゼルト領まで飛ばす」
「は!?」
有無を言わさずに私たちも飛ばされる。
「…………いや、本当に飛ばすんですか…」
「すごい急いだったけど、何かあったのかね」
「明日明後日が休日だから良いですけど、説明くらいして欲しいです」
てか、ラテさんと殿下連れてきちゃってるのまずくない? 他は連絡すれば良いけど、この二人は。
「リリアナ」
「……お兄様たちもでしたか」
「再従妹殿、なんか面倒なことになってるよ」
三年生たちも強制でしたか。何がどうなってんだか。
「ゼクトが帰ってくるまで待つしかないですかね」
「その必要はないですよ、マスター」
「…………私あなたをここにやりましたっけ?」
藍色の髪に夜空色の瞳の女性。
「ベータ」
「申し訳ございません。至急、お耳に入れたいことがあり、独断で。あちらに動きがあり、本格的にマスターを貶めようとしております」
人形まだまだいるって本当ですか?(絶対出ないのいる……)