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17.リアン




怒られた後、今更帰らしても………と言うことでご一緒させてもらった。


「………これ、どのタイミングで言うんだ」

「マスターにじゃないの?」


んー、分からん。

リリアナはそれを言えとしか言ってなかったし。


まぁ、取り敢えず言ってみてちがければ別の方法で。


「マスター。ここは、『不可思議なもの』を売ってるか?」

「あいつが居るかも知らずによく来れたな。少し待ってろ」


お、当たりか。


マスターが裏へ行ったと思うと、酒場の奥から鬼面を被った灰色の髪の男の人が出てきた。


「…………」


男は「こっちに来い」と手招きをして、また奥へ行ってしまう。


え、え。どうするの?


皆で顔を見合せ、鬼面を被った男の後を追う。

奥に部屋があるのかと思うと、地下へ続く階段があり、そこを下る。


……………いや、どこまであるの? 

普通地下に行くにしてもこんなに掛からなくない??


「いや、どこまであるの………」

「鬼面の奴はどこ行ったんだ?」

「………ここだ」


ビクッ! と身体が跳ねる。


いや、いやいやいや! なんで前に行ったはずなのに後ろ居るの!?


「ここは魔法が掛けられてる」


鬼面を被った男が壁を押すと、また別の空間が。

そこは、十畳くらいの部屋で何故か畳。そして、


「………んー、人多すぎ」


真ん中に、狐のお面を被った黒髪の女の子(たぶん女の子)が座っていた。


「あなたが情報屋か?」

「そうそう。君らのことは聞いてるよ。それに、見てたしね」


楽しそうな声を発する女の子に鬼面の男が近付き、


「いでっ」


頭をペシリと軽く叩く。

軽くって言っても、めっちゃ痛そうにしてるけどね。


「~~~、酷い」

「お前な、客を座らせろ。話を進めようとするな」

「ひぅぅー。この国にタタミなんてないし、反応楽しもうとしたのに……」


客相手にやるな、とまた叩かれている。


「さて、これはほっといて良いから、適当にしろ」

「酷くない!?」

「無視して良いぞ」


ええー………。


戸惑いながら、畳に座る。

この世界にも畳あったんか。


「東の国の物なんだってー」

「これ、どうやって座るの……?」

「靴を脱ぐらしいよ」


この国にそんな伝統無いしね。


皆せっせと靴を脱いで、畳に乗る。


久しぶりの畳ですわー。いや、落ち着く。


「さてさて。君たちのことは、オリヴィエやリアに聞いているよ」

「リア………て、リリーちゃんのこと?」

「そ。んで、僕はリアン。あっちの鬼面はクロン。幼馴染みだよ」


なんか、名前似てる。


「君たちが来たのは、呪いの件でしょ?」


いや、なんで知ってるの。

リリアナたちが言ったは無いだろうし………。


「僕の目や耳はそこら中にあるんだよ」

「なら、犯行についても知ってるのか?」

「君ら、呪いの知識無いでしょ」


呪いなんて授業でちょろっと単語出てくるぐらいだからね。


「あれは、負の感情であり今回のは小規模。一人死んだだけで済んで良かったと思うことだよ。他国では、最大十人が死んでる」

「他国でも………」

「まぁ、自分たちこそがー、とか抜かしてる奴らのことだしね」


かなり嫌味が………。


「さて、少し前置きが長かったような気もするけど、こっちもでき得る限り協力するよ」






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