173.闘技
遅れてすみません!!
闘技当日。
めっちゃ盛り上がってる。理由は、あちこちで誰が勝つか賭けが行われているため。
「………すごいですね」
「ゼクトさん、相変わらずすごい人気だよね」
「外面は良いですからね。中身も外と中で使い分けてますし」
自分の従者に対して随分辛口評価だね。
「あ、いたいた。リリアナちゃーん!」
「やばっ、あなた一番来ちゃダメでしょう!」
逃げるの早っ。
「おい、勝手に行くなって言ってんだよ。つか、姪のとこ行くんじゃねえ!」
先生が後から来たけど、見た目的に魔術師、だよね? メルトさんも来たけど、めっちゃ息上がってない?
「あら、なんでよ。私だってたまには会いたいもの」
「キモいからその口調止めてくれない? てか、団体行動しろよジジイ」
ジジ………え。
顔をまじまじと見てしまうけど、許してほしい。
髪は長いし声高いのですが、どこに男性要素が?
「………あー、お前ら。こいつら無視して会場行け」
無茶がありますよ先生。リリアナ探すのも大変なんですが。
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「………離してください」
「無理です嫌ですあの人と二人は絶対やです!」
会場に行くと、ゼクトに引っ付いたリリアナがいた。というか、持たれてた。
従者としてのため普段の言葉遣いではないけれど、嫌そうなのがめっちゃ伝わってくる。
「あそこがおかしいのなんて今更でしょう」
「第三様と会うときいてくださいよぉ……」
「すっぽかすって発想ないんだね」
何があった。
「リリアナちゃん、そろそろ始まるよ」
「俺に勝ったら一緒いますよ」
「何個やりますかね」
切り替え早いな。
「これどうなのよ」
「それはそうと、再従妹殿とゼクト、そろそろ魔道具着けた方が良いよ。失格になるから」
「魔力制限本当に嫌だ」
「窮屈ですよね。途中で壊れますし」
そう言いながら着けたのは、ブレスレット?
「魔力制御装置。魔力の量が学生じゃないとか理不尽なこと言われたから着けるんだよ。全生徒の魔力量の平均出して、その量しか使えないようになってる」
「まあ、不正なんて常ですから、やろうとすればなんでもできますよ」
「相手から魔力吸収禁止なんてないですからね」
悪いこと考えてるなぁ。この三人には当たりたくない。どっかでエンカウントするだろうけど。
「私たちはどうする?」
「団体行動」
「これ、個人戦だよ」
「固まって動いて、最後に戦うで」
全員の足元に魔法陣が現れ、各自学院中に飛ばされ、スタート。
飛ばされる瞬間に若干名、魔法陣の書き換えしてたのは気のせいにしておこう。
教室に入ってきたのは第三魔術師です。