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16.情報屋




「伯父様にもう回したので、そちらにどーぞ」

「オリヴィエ、吐け。今すぐ知ってることを言え」

「私知らないよー」


えー、はい。

呪いの件から二日後、ムフロフ侯爵が放課後に来て、リリアナと何故か居るオリヴィエさんと話(?)をしている。


「調査が進まないだろ」

「シエルさんが進めてるよー」

「勝手に処理するだろ!」

「仕事が減って良かったじゃないですか」


しれっと言葉を返していく二人。


いやー、私たちこれ居ても良いんですかね。


「あれはこちらで調べてますし、他の方で調べてもらった方が効率が良いかと」

「…………リリアナ嬢。君はどこまで知ってるんだ?」

「団長たちが必死にある人物を探しているのは知ってますね」


事も無げに言っているけど、ムフロフ侯爵はかなり驚いている。


この感じだと、秘密とかなんだろなぁ。


「私が言えるのは、現段階で見つかることはないと言うことです」

「居場所を知ってる物言いだな」

「個人的に気に入ってますから。あの者は客を選びますよ。自分に利益をもたらすかどうかを」


騎士団の前に姿を晒せば不利益になるのは目に見えている、と言うこと。


「ゼロナナが表に出るとなると、余程のことですよ」

「あの子は疑り深いしね~」

「…………はぁ、お手上げだ。さすがに部が悪過ぎる」


降参だ、とムフロフ侯爵が両手を挙げ、ため息をつく。


「夜にある酒場で『不可思議なものをくれ』と言えば会えますよ」

「場所は?」

「ご自分でお探しください」


ヒントはあげたから、とさっさと帰ってしまう。

呆れ果てたのか、ムフロフ侯爵も教室を去る。


そして、残ったメンバーの中に、目をキラキラと輝かせる人物が。


「今日、行こっか!」


こうなるのである。



 ****



「……こうして城を抜け出すのは初めてだな」

「こんなことをしてたらそれこそ問題だろ」


あはは、ホントだよ。


えー、夜。抜け出しましたね。はい。


いやー、あの後、行こうってなって、ティアナはやる気満々だし、殿下は乗るし、エルヴィスは諦めるしで。


「まま! とにかく酒場へレッツゴー!」


と、行ったは良いものの………。


「………おい」

「はい……」


えー、はい。酒場に着いたと思ったら、ユラエスとアストロさん、サジュエルとエンカウントしました。


「あのなぁ……」

「これは、うん。タイミングが悪過ぎたね」

「お前はお前でこれを甘やかすな」


アストロさんがユラエスを小突く。


いや、あの、はい。反省してます。もうやらないとは言わないけど……。


「お前たちはこんな夜中に何をしに来たんだ。しかも酒場に」

「えと、じょ………むぐぐっ」


バカバカバカ! 正直に言おうとしないの!

エルヴィスナイス。


ティアナは口を塞がれ、もごもごと言っている。エルヴィス、ちょっとそのまま押さえてて。


「お前ら、今すぐ知ってること吐け」


あ、あはは。


情報屋のことを話したら、凄い怒られた。

当たり前だけどね。






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