144.テスト結果
「あ、二人ともボーダー越えてる」
テスト結果が発表され、皆で見に来た。
安定の上位三人となんとかトップテンに入る私たち。
「リリアナ、何点」
「一四九三点ですね」
「相変わらず高いですね」
「エル君だって八十越えてるじゃん」
もう上二桁を言わないのね。
「三年生たちも相変わらずと」
「そこやっぱりゼクトトップなんね」
「いつ勉強してるんですかね?」
四六時中一緒にいると言っても過言じゃないリリアナがなんで知らないの。
「リリアナはいつ勉強してるんだ?」
「夜中ですかね」
「睡眠不足の原因絶対それでしょ」
何時までやってるの。
「何時から何時までよ」
「七時から四時?」
「リリアナ嬢、寝るの何時ですか」
「四時半から………六時?」
「ショートスリーパーにも程がある」
睡眠不足で倒れてるからショートスリーパーではない気もするけどね。
「よくそんな時間まで勉強するね……」
「勉強と言っても、リリアナ様は大抵実験と研究に注ぎ込んでますよ」
ゼクトたちが来た。
外だから従者モードなんね。
「オリヴィエが載ってないのは通常と」
「そこ四人は相変わらず」
「一年も上位四人も変わらずだな」
「下位にしがみついてる二人は変わらないけどね」
一年の順位は前回と上位四人と下位二人は変わらず、ラテさんが六位に変動。
「ボーダーいってるし、良いんじゃない?」
「来年からボーダー上げるか」
「「勘弁して!!」」
悲鳴が二つ。言わずもがな、ギリギリの二人である。
「クロフィム君は帰るでしょう」
「三学期があるよ、再従妹殿」
「………そう言えば、来年ですね」
「リリアナ、自分の年齢はさすがに覚えてるよね?」
「一昨年は誕生日忘れてたよね」
リリアナ、自分の誕生日はしっかり覚えようよ。
「去年は実験中に誕生日に入ってましたね」
「ゼクト、どうにかしろ」
「夜中に主の部屋にはさすがに無理」
常識的に無理でしょうね。ユイさん辺りに止めさせないと。
「再従妹殿の部屋は淑女の部屋じゃないから別に良いだろう」
「喧嘩売られてます?」
「研究道具が散らばり過ぎって話だよ」
王太子殿下、言い方よ。
「しれっと人の妹の部屋に入るな」
「不法侵入じゃないから良いんだよ」
「リリアナ」
「慣れてください。今更ですよ」
慣れちゃダメなんだって。
シティアル、不法侵入されすぎてない? 大丈夫?
「魔術師と王太子を拒む方が無理なんじゃないですかね」
「まずちゃんと表から入ってるのか?」
「ノーコメント」
それ表から入ってないって言ってるようなもんでしょ。
次回から冬休みに突入です。第三章としてまとめて書きます。