140.寝させ方が強引……
「…………無理」
「疲れたぁ……」
「リリアナ、寝ないの」
「……」
ヤバい。連日の疲労でリリアナが睡眠学習しようとしてる。
「リリアナ、テストで睡眠はダメだ」
殿下が頑張ってリリアナを起こそうとしていると、何故かリリアナのカバンから音が………。
「………」
「…………動いてる、よね?」
「何が入ってるんだ」
ガサゴソと動くカバンを見ていると、隙間から人形の手らしきものが………。
「………え、人形? なんで??」
手のひらサイズの人形はユイさんに似ている。
「あ、リリーちゃん叩き出した」
ペシペシとリリアナを叩いて起こそうとしてる。
「この人形、どうします?」
「どうするも何も、リリアナ嬢がこうな以上……」
しばらく叩いてもリリアナが起きないと分かると、カバンから何か取り出し、リリアナをつつく。
「………! ユイ?」
「あ、起きた」
てか、マジでこの人形ユイさんなんか。
「怒ってることは伝わる」
「眠いんですってぇ……」
「! ─!!」
ユイさんがピョンピョンと飛びながら何か言ってるんだろうけれど、何言ってるのか聞こえない。
「うぅ……」
リリアナが耳押さえ始めた。
聞こえてるんかい。
「なんで付いてきてるんですか」
「リリアナが寝るの予知してたんじゃないか?」
「私起こすために付いてくるなら、私が睡眠時間削らなくて済むように手伝ってくださぃ」
確かにそれはそう。
「ユイさん、すごい小さいけど」
「自分で本体に魔法かけたんでしょう。人形たちも魔法は使えますから」
「リリアナ、あれからまた徹夜?」
「徹夜と言うか、寝れなくて。これに関しては私の問題だからあれなんですが」
いろいろ問題がある。
「もしかして、ベッドに入っても寝れなかったり?」
「……よく分かりますね。少し寝れたりしてもすぐ目が覚めてしまって」
あー、これ。入眠困難じゃないかな。たぶんだけど。
「いつもどうやって寝てるんだ?」
「魔法使って、無理やり……」
「根本からダメでは」
普段の睡眠時間が非常に短いのは分かった。
「平均睡眠時間」
「………二時間、くらいです、かね」
「絶対もっと少ないときの言い方ですね」
「深刻だな……」
どうするか。治し方って人それぞれって聞いたことがあるようなないような。
「前に魔法で目覚ましてなかった?」
「あれ応急措置なだけなんですよ……」
「根本的解決をどうするか」
話してたら先生が後ろからリリアナの頭を叩き、まさかの気絶させ、医務室に強制送還した。
何してんの、本当にこの人。
「どうせ後で受けれるんだ。じゃ、始めんぞ」
寝させ方が強引なんですがあの……。
まさかのユイ(本体)登場。本体と前に登場したときの姿は瓜二つです。
明日学校である姉妹校の留学生との交流会なるものに強制参加の書き手でございます。行かなくて良いですかね? 書き手英語喋れないんですけど。いても邪魔じゃないですか? (←おとなしくいけ) 明日丸一日奪われる決定の書き手は課題がいまだに終わらず泣いております(終わんないよぉ……)。