130.パーティー
あの後、お土産見たり買ったりして、夜。
「伯父様たち捕まえられたので、懸念事項はあれぐらいですかね」
「本当にあるのかね」
「分からなくてもやらないといけないからな」
なんかぶつくさと文句を言ってるのが約三名。
「普通これをやらせますかね」
「それ言ったら私は巻き添えくらってる」
「カラリエいたら頼りになるからね。それに、代えは用意できてるでしょ」
「本体を連れてきてますし、ゼクトにやらせます」
「さっさとすませてくれよ。こっちじゃ魔法が使いづらい」
なんかしようとしてることは分かるけど、何しようとしてるんだ。
「もって二十分。お前らが席外して戻るの省けば十分そこらが限界だろうよ」
「再従妹殿、あんまり暴れないでね」
「そっくりそのままお返ししますよ、お再従兄様」
「お前ら仲良くって言葉知らないのか?」
「ペア戦で堂々と味方攻撃してる奴が何言ってるんだ」
「そんなの常日頃だろ」
常日頃じゃないから。本当に何しようとしてるの。
「あの伝書鳩は魔塔からのものなんです。で、伯父様たちはそれを全部私に投げてるんです」
「今回は数が多いからカラリエとフォールトも一緒にやるんだよ」
先生たちの適当さがすごい。前からだったけども。
リリアナなんてもうどうにでもなれ感が出てる。
「途中で少し抜けるけど、ちゃんと戻るしね」
「少し抜けたところで、私たちはよくやるからな」
「そこまで注目されませんよ」
よくやってたらダメでしょ。
ま、まぁ。何をしようとしてるかは分かったけど。
「………その物騒なモノはなんですかねぇ」
「え、護身用だよ。護身用」
「フォールト、それを持ってても動きづらいぞ。リリアナ、毒はそんなにいらん」
「「うっ……」」
「せめてもう少し小さいのにしろ。毒は数を減らして短剣にでも塗れ」
扱いになれてる……。
「深追いしない、何かあれば連絡する。分かったな?」
「子供じゃないです」
「どうだか。リリーは一番子供っぽいしな」
「なっ、どういう意味です!」
「そんまま」
「まぁ、子供っぽいと言えばそうだよね」
「面倒はかからないが、たまにとんでもないことしでかすからな」
残念ながらリリアナの味方になる人はいないと。
「諦めろ。フォールトとカラリエはこっちじゃ一番俺らの遊びに巻き込まれるからな」
「八割ゼクト単体なのに私を入れるの止めてください」
「八割占めてるゼクトよりも残り二割を占めてるリリアナの方が質が悪い」
「何度昇天しかけたか……」
「ゼクトが作ったものは教えてくれた人に飲ませるべきって言ってました」
リリアナのその一言で王太子殿下とゼクトの言い合いが始まった。
これ、無自覚でやってるのがなぁ………。
「リリアナ、後であのバカ二人に教えられたこと言え」
「え、まだ試せてないのが」
「私が見てるところならあの二人にやって良い」
カラリエさんはリリアナとなんか約束してた。
ここ、パーティー会場って覚えてる?