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12.呼び方




リリアナが、シティアル公爵にも公爵夫人にも似てないから??


確かにリリアナは、二人の外見には似てない……らしい。

シティアル公爵は、ユラエスと同じ水色の髪と青紫の瞳を持っていたはず。確かね。

夫人は、分からないけど先生の妹さんだし、先生と同じなのかな?


んでも、可愛がってる理由が二人に似てないからとは?


「伯父様はお父様が嫌いですが、それ以上に規律を破ったお母様が嫌いなんだそうです」

「自分が規律破るのに?」

「この場合、規律はハゼルト独自のものですね。お母様は不出とされていたハゼルトの血を外に出した。それは、お母様がお父様と結ばれると同時にハゼルトの加護を失うことを意味します」


ハゼルトの加護??

もうキャパオーバーで頭パンクしそう。


「簡単に言えば、伯父様は勝手に家を出て、自分に何も言わずに子供を作ったお母様に怒ってるってことです」


さっきまでの謎ムードどこいった。簡潔に言い過ぎ。


「つまり?」

「ただ意固地になってるだけです。あと、爵位押し付けられてムカついたのでは?」


おぉう。なんか新しい情報が。


「え、爵位押し付けられた……て」

「本来、爵位を継ぐのは伯父様のお兄様かお母様だったそうです。ですが、お母様はお父様と結婚すると言い出して、伯父様のお兄様は重職に就いてしまったため、伯父様が侯爵になったと聞いています」


マジか。てか、先生お兄さん居たんだ。


リリアナは、話疲れたと言わんばかりに、ふぅ、とため息をつく。


「さて、疑問は解消されましたか?」


頷いて返事を返す。


いや、これお茶会で話す内容じゃない。


「…………あ」


そう言えば、聞きたいことまだあった。


「リリアナ様って、ティアナとゼクト……さんだけは敬称付けませんよね」

「ゼクトで良いぞ」


そのままで呼ぼうとしたのは当然バレ、許可をもらった。


うん。そっちの方が楽だしね。


「ゼクトはずっと一緒でしたし、ティアナは様付けで呼ぶと連れ回されたので……」

「ティアナ、何したの」

「えー、名前普通に呼んでって言って。言ってくれなかったから走り回ってた」

「場所を考えろ。場所を」


どこでやってた。何をやった。


アストロさんとサジュエルは、思い出したくないのかはぁぁ、と盛大にため息を………。


「皇宮で令嬢の悲鳴が聞こえると思ったらティアナがリリアナを掴んで走り回ってたね」

「フロイドは笑って見てるだけだったろ」

「………お二人とも、なんか雰囲気が」


違いますね、と言おうとすると、


「「オフだし」」


わぁ、仲良し。


殿下はどの令嬢でも基本「~嬢」って言うし、エルヴィスは殿下のことを名前で呼ばないからあれ? って思ったけど、こっちが普通か(実際前も言ってたらしいけど聞き逃してた)。


「敬称無しで呼ぶ人は」

「あとはオリヴィエ様とかですかね」

「あいつもじゃね? 贔屓にしてるし」

「あの子達、言っても良いんですかね」


オリヴィエ、って言うと、ムフロフ侯爵令嬢かな。


オリヴィエ・ガドナ・ムフロフ。ムフロフ侯爵家の令嬢で婚約者はいない。と言うか、ゲームに登場してない。

では何故知っているかと言うと、名前だけ出てきたから。

近衛騎士団団長、カーティス・クルム・ムフロフの娘で本人も近衛騎士団に所属。その戦闘センスの高さから、『戦姫(せんひ)』とも呼ばれている。そして、彼女はもう一つのことで有名。それは悪い意味で、だけど。

学院のテストで毎回必ず歴代最低点数を叩き出すと言う。確か、教師陣に泣きながら説教されたとか。


「後は、結構前に会った人たちですかね」


……あれ、これもしかして、名前呼び行ける??

いや、さすがにダメか。


「別に、呼びたいのであれば、リリアナとお呼びください」


まさかのオッケー出された。


「えと、じゃあ私のこともアイリスって呼んでください。さすがに色々不味いので」

「じゃあ、アイリス様、でよろしいですか?」


できれば呼び捨てが良いけど、家名呼びからは着実に前進してる。


この後、一時間程話をして解散となった。






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