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おじさんは異世界恋愛の続き(結)を書く

(11)おじさんは異世界恋愛の続き(結)を書く


おじさんは感無量である。


ついに女性主人公の結まで到達した。


これが終わったら男性主人公の起を書かないといけないのだが、今だけは感傷に浸らせてほしい。


おじさんは異世界恋愛ファンタジー的なミステリーを書きながら考えていた。


― ロケットは揺れるのだろうか?


悪天候で飛行機に乗ると、ものすごい揺れる。

ああいうのがロケットにもあるのだろうか?


おじさんは飛行機に乗るのが好きではない。

理由は昔乗った飛行機のエンジンが燃えたことだ。


たしか20年くらい前だったと思う。

出張のため羽田から富山に飛行機で移動していた。

その時乗った飛行機は、悪天候のため何度も何度も雷に打たれた。


しばらくすると、エンジンの1つから黒い煙が出た。


機内は騒然としている。


なぜならエンジンが燃えているから・・・


おじさんは会社の後輩と一緒に飛行機に乗っていたのだが、その後輩はおじさんにこう言った。


「〇〇さん、知ってます?」


「何を?」


「この飛行機ってエンジンが4個あるじゃないですか?」


「4個あるね」


「エンジンが1個残ってたら、飛行機は飛べるらしいですよ」


「え? エンジンは3個まで燃えてもオッケーなの?」


「らしいです」


おじさんは飛行機に乗るのは嫌だが、『エンジンは3個まで燃えてもオッケー説』は信じることにしている。


その後、おじさんも後輩も会社を退職して、別の道を歩んでいる。


ところで、あの時『エンジンは3個まで燃えてもオッケー説』をおじさんに教えてくれた後輩は、いま裁判官をしている。


おじさんは、後輩が法廷でいい加減なことを言わないことを祈っている。



***


さて、おじさんは本話(結)に伏線を入れる予定だ。


エピローグ(第5話)と転(第10話)が繋げたが、これは伏線の回収ではない。

つまり、女性主人公の話(第1章)は伏線を回収しない。


謎を掛けっぱなしのまま、女性主人公の話(第1章)は終わっていく。


ミステリーとはそういうものだ。

多分・・・


===========================


【7】肉食系女子は好青年との結婚を迷う


それから、私はマークと一緒に出掛けるようになった。

ピクニックに行ったり、温泉に行ったり。

すっかりいい友達だ。


マークと出かけるときはオシャレをしないし、メイクもほとんどしない。

気を使わなくていいから楽だ。


私は次第にマークに惹かれていった。

このままマークと結婚してしまおうか・・・と考えたほどだ。


でも、私は王子と結婚するために旅をしてきたはずだ。

だから私は迷っていた。


王子と結婚するか?

マークと結婚するか?


***


ある日、マークとランチをしていたら、私は飲んでいた赤ワインを服にこぼしてしまった。


ー やっちゃった。シミになる・・・


私は白いワンピースを着ていたから、赤ワインの染はとても目立った。


「すぐに落とさないとダメだね。僕の家に染抜きがあるよ。すぐ近くだから来る?」とマークは私に提案した。


「そうね。染抜きを借りてもいいかな?」


私はマークの家に行くことにした。


レストランを出ると、マークは王宮に入って行った。

入り口の門番がマークを止めないから、私は『王宮に住込みで働いているかな?』と思った。


王宮に入ると、マークは女性に私のワンピースの染抜きと着替えを頼んだ。


すると女性は「王子、かしこまりました!」と言った。


え?

もしかして・・・

いやそんなことは・・・


マークが王子?


「ついでだから、僕の父と母を紹介するよ」


そう言うとマークは私を王宮の奥に連れて行った。


歩きながら私は気付いた。


ノーメイクだ・・・・


部屋に着くとマークは私を父王に紹介した。


「お父様、こちらが話していたマリアです」


ノーメイクのまま国王に対面する私。

しかたないから、私は国王に挨拶した。


「お初にお目に掛かります。マリアと申します」


その後、私は国王と少し雑談をした。

国王はすごく話しやすい人だった。


私たちがしばらく話をしていると、マークが改まって言った。


「この場で言うのは恥ずかしいけど・・・」


「どうしたの?」私はマークに聞いた。


「マリア・コリンズ、僕と結婚してくれないか?」


私は急だったからビックリした。

でも、私の答えは決まっている。


「はい。よろこんで」


私は答えた。


===========================


<第1章終わり>


【おじさんの感想】

これで肉食系女子の旅は終わりそうです。

貧乏な家族がお金をせびりにくるかもしれないので、頑張って追い返して下さい。

お幸せに!


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