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あなたとわたし  作者: 紫陽花
3/4

3SIDEゆきな

そんなこんなで無事運動会を終えて。

通常の日々がもどってきた私。

あれから。お兄ちゃんを迎えにきたありさちゃんやお母さんとお会いしてお話ししたり、お兄ちゃんがクラスまで遊びにきてくれたりと。なかなかに楽しい交流をしている私。

もちろん。学校の先生としての範囲なんだけど。

ありさちゃんはとっても良い子。

パパの話も出てきたり。

おうちではとっても優しいパパさんみたい。

くまさんみたいなのよー。って言ってた。あれをくまさんと言えるありさちゃん。

大物になるわー。

私は家にいるだけで落ち着かなさそうだわ。

うちの弟くらいがちょうどいい。

うん。そうに決まってる。

まぁ。やつもずいぶんとオモテになるらしいんだけど。

育て方を間違ったのか。シスコン拗らせてる気がするのが心配。

うん。今日はハンバーグにしよう。

久しぶりに特製ハンバーグ。

弟の満面の笑顔が目に浮かぶわ。

私もたいがいブラコンかしら・・・?

反省ね。



「ゆうくん。ごめん。隣のクラスの先生よんできてくれる?」

これはまずい・・・

ずっと調子が悪いのを気のせいって言い続けてきたけど・・・

立ってられない・・・。

目がかすむ・・・。

クラスのゆうくんが慌てて隣に駆け込むのが見えた。

心配して子供たちが集まってくる。

大丈夫って言わなきゃ。

笑わなきゃ。

それも今日は参観日。

倒れてられない。

笑わなきゃ。

大丈夫よ。って言わなきゃ。

「こほっ。」

胃の不快感とともに胃液が上がってくる。

「せんせーっ。」

「ゆきな先生!ほら。みんな先生は大丈夫だから。落ち着いて。ゆうくん。ごめん。隣から先生の携帯電話取ってきて。それから、さくらさん。保健室の先生呼んできてくれる・・・?」

「大丈夫・・・先生。私大丈夫です。」

「大丈夫じゃないわね。とりあえず。病院行くわよ。」

うっすらと目を開けて見えたのはどす黒い赤。

あ。血を吐いたんだ・・・。

冷静な自分が

あ。拭かなきゃ。

なんて思ってる。子供たちを落ち着かせて。それから・・・。

「おいっ。大丈夫か。とりあえず運ぶ。荷物あるか?保険証とかはあとでもいい。とりあえず、救急車呼べ。」

とんでもない美声が聞こえてきたなぁと思いつつ。そのまま私はブラックアウトした。

ブラックアウトする直前。

思ったのは弟の大輔が泣くなということと。

怒り狂うだろうなということだった。

あぁ。

奴にシスコンなんて言ってられないのかも。

反省。


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