1 SIDEゆきな
はじめての投稿です。至らぬ点等いろいろあると思います。
よろしくお願いします。
一生懸命だけどどこかぬけている先生ゆきなとそれを心底かわいいと思ってるお医者さん、斗真のあれこれ。
「あ。斗真せんせー。こんなところで会うなんて偶然ですね♡これからお食事でも~?」
久しぶりの休みに買い物に出たら。
とんでもない現場に居合わせた。
不幸な私。ゆきな。
とんでもないイケメンと。その手を離さない美女。
その横で美女に突き飛ばされた幼い少女。
少女は目に涙を浮かべて。ジリジリとその場を離れようとしている。
あちゃー。
私は周りを見渡す。
明らかにほかの人も見て見ぬふりをして
その場を去っていく。
これだけ人がいるのに!
だれも女の子に声をかけようとはしない!
都会って怖い!
どうしようか迷っていたら女の子と目があった。
膝からは血がにじんでいるし。
明らかにあの真っ赤なほっぺは涙をこらえているからだけじゃない。
この暑さなのに水分足りてないな
あのイケメンな父ちゃん。
しっかりしろ!
なんて一瞬で頭の中を駆け巡ったが。
あの2人に決着がつく頃にはこの子が危ないかもしれない。
しょうがない・・・
自分のお節介な性格というか職業病というか・・・
あまり関わりたくはないが
このまま放置するのも後々気になって後悔しそうだ…。
はぁ・・・
私は近くにあった自販機で水とスポーツ飲料を買った。
「ひゃっ」
女の子がすぐそばまで歩いてきていた。
助けてくれる大人が分かったらしい。
だけど。不用心だな・・・
おーい。父。そんな女に手をこまねいていると娘。攫われるぞーっと。
ま。そんなことしないけど。
「とりあえず。これ飲んで。のど、かわいてるでしょ?」
女の子は小さな手でペットボトルを受け取ると一生懸命スポーツ飲料を飲んでいく。
やっぱり喉が渇いていたらしい。
本当は薄めたいところだけどそうも言ってられないし。
仕方ない。
のんでいる間にバックに入っていたティッシュと水で傷口をきれいに洗った。
痛がるけどじっと我慢できる強い子だ。
「えらかったわね。さ。これで最後」
ティッシュと一緒に入っていたキャラクター付きの絆創膏を貼ると女の子はにっこり笑った。
かわいいなぁ。もぅ。
あっちのお父ちゃん。さっさと終わらせればいいのに。
そう思いながら飲み物をもう一本追加する。
熱中症になりかけのときには冷たいものを脇の間に挟むと効果的っと。
「おねえちゃん。ありがとー。」
女の子がかわいらしくお礼を言ってくれる。
「いえいえ。どういたしまして。さてと。どうしようか。」
おっ。けりはついたか。父親が美女を振り切って戻ってきた。
よし。厄介ごとは勘弁だ。
「お父さん、戻ってきたみたいね。じゃあ、気を付けて。」
女の子が後ろを振り返っているうちに手を振って撤収。
あの美女ににらまれたら大変だ。
なんかイケメンが叫んでた気がするが気のせいだ。
いいことをしたし。
うん。気分が良い。
当初の目的の買い物に勤しもう。