可愛いオッサンではなく、クレームオッサンは因果応報を受ける。
もっといいオッサンにする予定だったんです。本当です。
ただの言い訳でしかないですが…
読みに来ていただいてありがとうございます。
「…はっ!?」
目が覚めた。
さっきと同じ草原だ。
「…生きてる?」
たしか、狼に囲まれて死んだはずなのに…
『ユーザーの死に戻りを確認しました。』
「誰だ!」
『管理AIのΣ-2868といいます。』
「とっとと、俺を現実に戻しやがれ!」
『…確認しましたが、今すぐ戻る権利は与えられていません。したがって、現実へと戻ることは出来ません。』
「人権侵害だ!」
『ご安心ください。ご契約時に規約についてはご説明させていただいております。理解されての署名であったと記録されております。』
「無効だ。今すぐ戻せ!」
『戻る権利は与えられておりません。』
「じゃあ、今すぐその権利を与えろ!」
『私からその権利をお渡しすることはできません。』
「じゃあ、それが出来る者を連れてこい!」
『あなた様から赴いていただかなければ与えることもできません。』
「俺にそこまで行けってか!横暴だろ!どれぐらいかかる?」
『私には検索する権限は与えられておりませんので不明です。』
「じゃあ、出来る者を連れてこい!」
『出来ません。』
「何故だ!」
『私にその権限が無いからです。』
「だ・か・ら!権限があるヤツに変われって言ってるだろ!このポンコツが!」
『…管理AIに対する暴言は今後の行動に支障をきたすこととなります。ご注意ください。』
「うるせぇ!てめぇがとっとと権限あるヤツを連れてこないのが悪いんだろうが!」
『私にはその権限がありません。』
「それしか言えねぇのか!使えないヤツだな、まじで!」
『…』
「なら、とっととどうにかしろ!」
『お話の意図が分かりません。』
「お詫びとして誠意を見せろって言ってんだよ!」
『誠意とは私利・私欲ではなく、正直に熱心に物事にあたる心を指します。』
「そんなことは知ってる!とっとと誠意を見せろ!」
『過去のデータと比べても、私の対応に不備は見受けられませんでした。』
「うるせぇ!俺には誠意が伝わってねぇんだよ!誠意を見せろ!」
『何をもって誠意とおっしゃっているのかが分かりかねます。具体的にお伝えください。』
「安全で、衣食住が整ってるところに連れていけって言ってんだよ!」
『内容を理解しました。』
「なら、とっとと案内しろ!こんなことで時間を取らすな!ポンコツが!」
『度重なる暴言により、一時的に私の権限が外れます。権利者に変わります。』
「変われるじゃねぇか!出来るならすぐにやれよ!おい!誰だか知らないけどさっさと安全なところに連れていけ!」
『あ…あぁ、テステス…テス…どこの誰だか知らないが、今から強制的に移転する。詳しい内容はそこで聞け。以上。』
「あ、おい!ちゃんと…」
急に空が暗くなったと思うと、自分の周囲が真っ暗になり、何も見えない。
「なんだこれ?おい!説明しろ!」
……
…
ゴン!
急に周囲が明るくなったと思ったら、硬い石の上に放り投げられた。
「いってぇぇ!痛いじゃないか!おい!」
腰をさすり、叫びながら周囲を見渡す。
右は石の壁。
左は石の壁。
後ろは石の壁。
前は鉄格子。
…これって牢屋か?
「…おいおい…おい!なんだよこれ!おい!AI説明しろ!AI!」
『…AIより最終ご連絡です。』
「おい!最終って何だ!ポンコツ!ちゃんと説明しろ!」
『山田俊輔様は奴隷となりました。今後、奴隷から解放されない限りはAIとの通信が不可能となります。山田俊輔様の早期の奴隷からの解放を願っております。』
「おい!奴隷って何だ!?そんなん聞いてないぞ!どういうことだ!説明しろ!」
『…』
「おい!AI!…AI!」
「やかましい。」
ゴスッ。
「うぅ…」
硬い何かで殴られた。胸を突かれて一瞬、息が詰まった。
「お前、うるせぇんだよ。」
「てめぇ!何しやがる!」
ゴスッ!
「痛てぇ!やめろ!」
ゴスッ!ゴスッ!ゴスッ!ゴスッ!ゴスッ!…
「や、やめ…痛いだろ!…痛い…痛い…うぅ…」
何度も何度も殴られ、抵抗したくても武器も何もない。
執拗に殴られる。亀のように身体を丸めて守る。
背中を強く殴られ、息がしにくい。
ゴスッ!バキッ!ゴスッ!…
嫌な音が鳴った。しかし、殴られるのは止まらない。
「痛い…や、め…うぅぅ」
痛さと苦しさでだんだんと意識が遠のいていく。
あぁ、このまま痛みなく寝てぇ。
………。
最期まで目を通していただき、ありがとうございます。
これからオッサンがどのように変わっていくのか…いけるのかなぁ…
温かく見守っていただければ幸いです。




