閑話 『ミラクルファンタジー 〜異世界で聖女は恋に落ちる〜』運命の出合い編
読んで下さりありがとうございます!
詩織編はこれにて終了です!
詩織の思考がちょっと残念ですが………読んでくださると嬉しいです!!
今日も私はお城の庭園を散歩……していると見せかけて彼女を探している。
先日のガルロノフ様の様子を見る限り、彼女は実在する。絶対に!
なぜ彼女にそこまで執着するのかって?
私、異世界に飛ばされたのよ?
日本での柵は何もないのよ?
じゃあ!赴くままに求めたっていいじゃない!!
だって私、聖女だもの!!
私の沼は深いのよ!
「綺麗なお花………」
色とりどりに咲いている花壇の花に足を止める。
確かガーベラ……だったかな?もしかしてガーベラとはちょっと違うのかな?
花にはあまり詳しくないけれど、なんとなく地球でも見たことがある花にほっこりする。
地球に未練があるわけじゃない。
これは…そうだ。両親との幸せだった時の思い出が懐かしいのだわ。
辛かった日々が薄れていることに清々しさを覚え、笑みが浮かぶ。
そっと花に触れて感触を楽しんでいると、騒がしい声が聞こえた。
「え、何…………………?ふゎっ!?」
振り返ろうとした瞬間、世界が回る。
「壁よ!」
キンッ―――――――!
私を抱えた誰かが手をかざした先に光の壁が出来、何かを弾く。
あちらを向いたままのその人はかなりのスピードで来たらしく、高い位置で結い上げた金の髪が、時間差でさらりと落ちてきた。
陽の光を受け、一本一本が美しく輝いている。
その光景がやけにゆっくりと鮮明に見えて………。
なんて、きれい………。
見惚れていた私に振り向いたのは………この前の女騎士様!!?
キ、キ、キタァ――――――――――――――!!!
やだ、肌超きれい。超きめ細かい。超触りたい。
瞳が碧くてキラッキラなんですけど!!
こんなきれいな碧眼初めて見た!!
宝石嵌め込んだのか!?そうなのか!?
幾らで買えるんだ!?聖女特権で買えるのか!?
そして薄紅色のふっくらした可愛らしくも艶かしいお唇が!薄く開いてて………………なんか変な気持ちになるんですけど!!
…………………ヤバい、鼻血出そう。
「聖女様、お怪我は!?」
「…………………………………………………へっ!?」
お、お怪我?何でお怪我?
そういえばさっき何か飛んできてたような?
ほわほわと働かない頭で考えていたものの、そっと添えられた手に意識が全部持っていかれる。
ちょっと待って………もしかして、私、今、彼女の腕の中にいるの……?
ふぉぉおおおぉおぉおおお!!!
どーりで!どーりでいい匂いすると思ったよ!!
花の香りかな?ほんのり香る香りが……たまらんっ!
そそそそして……!お、お、お、お胸が!立派なお胸が当たっておりますよぉ!?
なんというサービスか………!
エロオヤジのような思考に囚われ固まってしまった私がこの状況を嫌がっていると勘違いしたのか、騎士様が申し訳無さそうな顔をする。
「不躾に触れてしまって、大変失礼致しましたわ」
「……え?」
「ひとりで立てますか?」「立てましぇん!!」
「あ…そ、そうですの?ではお嫌でなければわたくしがお運びいたしま」「嫌じゃありましぇん!!」
はい、煩悩が勝ってしまいましたよ。しかも圧勝ですよ。
食い気味に騎士様の申し出を受け入れる私。
さすがに引くかと思ったのに、騎士様は心配そうな目を向けてくれた。
美人なうえに性格もいいのか……!
私が喜びに打ち震えている間に、騎士様は周りの人たちにキビキビと指示を出し…………え、待って。待って待って待って。
「ひ…姫様?あなた様は騎士様ではなく…この国の、お、お、お姫様でいらっしゃいまするか?」
『まするか』ってなんぞ。おい、なんぞ。
「ええ、お初にお目にかかります。わたくし、アルエスク王国第一王女、レギーナ・アルエスクですわ。以後、お見知りおきを」
ヤバい。美人で騎士でお姫様だった。
何それ完璧か。
推せる。一生推せる。
女騎士様改めレギーナ様を勝手に推しに認定していると、目の前の美しいお顔が綻んだ。
「尊い…………………」
うっかり心の声が漏れた。
あ……………ヤバい、キョトン顔も可愛すぎるんですけど。
あれよあれよとその後の流れで、なななんと!レギーナ様が私の護衛をしてくれることに………!!
なんて幸運!!
異世界に来てからいいことばっかりだわ!!
まぁ、なんか矢が飛んできてたらしいけど…私が狙われる理由も無いし、たぶん誰かの打ち損じよね?
あぁ…神様!本当に異世界に転移してくれてありがとうございます!ありがとうございます!!
この日、異世界で推しが出来ました!!
エロオヤジみたいになってしまいました。




