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51 令嬢の証言を検証しますわ

いつも読んでくださりありがとうございます!!

本当に嬉しくて嬉しくて…感謝の気持ちでいっぱいです!!


入ってきた騎士様は恭しく頭を下げ、報告を始めましたわ。



「犯人の名前はキャサリーナ・ドルグ。ドルグ男爵家の娘です。今日は兄と出席し、犯行の直前は友人たちと一緒でした」



ドルグ男爵家。

麦と絹織物の生産が比較的盛んな領地ですが取り立てて目立つ特産物はありませんし、そもそも小さな領地。

あまり裕福な地域とはいえませんわ。

ですが代々その地を収めている男爵家は領民思いで領民からの信頼も厚い、誠実な家ですわ。



「それに反王家的思考はなく、むしろ王家に尽くしてきた家門と認識しておりましたが…」


「さすがレーナ………地方の男爵家の情報にも詳しいね………」


「いえ、常識の範囲内ですわ」


「自信無くすなぁ……」



お兄様、何かおっしゃいました?

そんなことよりキャサリーナ嬢の犯行動機ですわ。

聖女である詩織様はいてくださるだけでこの国を救ってくださる唯一無二の尊い存在。

そんな詩織様を害してキャサリーナ嬢に何の得があるというのかしら………?



「…………キャサリーナ嬢は脅されて仕方なくやった、と言っています」


「脅し………?」


「はい。もしも聖女殺害に応じなければ家を潰してやる、と………その、レギーナ殿下に脅されてやった、と………証言しています」


「っ!!」



思わずヒュッと息を飲みましたわ。

やはり……やはり!やはり強制力からは逃れられないのですわ!!

わたくしは処刑されてしまうのですわ!

例え何もしていなくても結果は同じなのですわ!

努力しても、足掻いても、最期は、最期は………!!



「…!」



小さく震え出したわたくしの手を、オーリャのあたたかい手が包み込みましたわ。

見上げれば、安心させるような笑顔が。

あぁ……泣いてしまいそうですわ。



「レーナはやってないよ」


「オーリャ………」


「レーナはそんなことしない、絶対に。そもそもそんなことする理由がない。キャサリーナ嬢の偽証に間違いないよ。僕が保証する」



オ、オーリャしゃまぁぁあああ!!!

わたくしのことを信じて下さるんですのね!?

キャサリーナ嬢の証言を聞いた後でも!

やっぱり好きぃぃいいい!!!



「うむ。間違いなくレーナはしないな。身内の俺が保証しても何の意味もないかもしれないが」


「わ、私も!他でもない被害者である私も保証します!レギーナ様は人を脅してそんなことさせたりしません!!」



お兄様に詩織様までわたくしを信じてくださるなんて………!

感無量ですわぁぁぁあぁあ!!


わたくしが言葉にできないほど感動に打ち震えていると、騎士の方が困ったような表情で言いにくそうに続けましたわ。



「はい、私共もレギーナ殿下が殺人を教唆した、とは思っておりません」



えっ!?そうなんですの!?

そこは強制力は働かないんですの!?



「そもそも証言がおかしいのです」


「おかしい?」


「はい。犯行に及ぶ直前までキャサリーナ嬢と一緒にいた友人たちの話では、彼女に暗い雰囲気はなく、いつも通り明るく談笑していたそうです。その際、家族についても笑い混じりに話しており、脅されていたようには見えなかった、と言っていました」


「なんだそれは?……精神異常者か?」


「いえ…そういった話は出てきませんでした」



犯行直前まで談笑?

あんなに悲壮な顔で、ふらふらと足取りも覚束ない様子で犯行に及んでいたのに?

なんだか、おかしいですわ………。



「しかも、レギーナ殿下が会場に入ってきた際、彼女は友人に『うわぁ、レギーナ殿下って綺麗な方なのね!』と言っていたそうなのです」


「…………は?その令嬢の主張ではレーナに脅された、と言っていなかったか?それではまるで今日の夜会で初めてレーナを見たかのようだが?」



お兄様が眉をしかめますわ。

騎士様も困惑の色を隠せずにおりますわ。



「はい、そうなのです……。しかも脅した相手をそんな風に称賛できるものでしょうか?どうにも腑に落ちない点が多く………」


「キャサリーナ嬢はいつ、どこで脅されたと言っているのだ?」


「きのうの夜中に殿下が突然自宅の部屋に現れて、脅された、とのことです……」


「いや、突然現れたって……」


「レーナならやって出来なくもなさそうだけど…現実的じゃないよね」


「いえいえ、そんなことできませんわ」



聞けばキャサリーナ嬢のお部屋は2階だとか。

わたくしは忍者ですの!?



「………このことを知っている者は?」


「限られます。口止めしますか?」


「うむ、頼む。変に噂が出回っても困るしな」


「かしこまりました」



入ってきたときと同じように恭しくお辞儀をして騎士様が出ていきましたわ。



「キャサリーナ嬢が精神異常者なのか、もしくは何か裏があるのか…とりあえず調べてみるとしよう」


「お兄様…ありがとう存じますわ」



とりあえず今回は疑いを晴らすことができた、と思っていいのかしら?

でも何か釈然としない結果ですわ。

キャサリーナ嬢はなぜ、わたくしが脅したと証言なさったのかしら?


胸にもやもやとわだかまるものを感じるまま、わたくしの社交界デビューは幕を閉じたのですわ。


もやもやとした終わり方ですいましぇん!!

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― 新着の感想 ―
[一言] オ、オーリャしゃまぁぁあああ!!! やっぱり好きぃぃいいい!!! ……ハッ!!私は何を言って!? レーナ姫と心がシンクロしました笑 レーナ姫よ、まさか無自覚天才という属性にも目覚めたんで…
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