44 聖女様の危機、ですわ!
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夜を閉じ込めたような髪は艷やかで、天使の輪がくっきりと出来ていてますわ。
そして肌は白く透明で、きっと触れば柔らかく、滑らかなのでしょう。
くりくりとした大きな瞳はキラキラと輝いていて…ふわぁ!
「か…可愛すぎますわぁ!」
「いえ、姫様の方が可愛いです」
「間違いないな」
ヤーナ、ラルフ。それは贔屓目と言いますのよ!
「これだけ可愛ければ、そりゃオーリャもコロッといってしまいますわ…」
ひとり誰にも聞こえない大きさで呟き、眉尻を下げましたわ。
わたくしがもう少し可愛ければ。
わたくしの髪が黒ければ。
わたくしの目が茶色くてキラキラと輝いていれば…あなたはわたくしを今も見ていてくれたのかしら?
………いえ、もうもはやそれはわたくしではありませんわね。
わたくしは聖女様の持つ可愛さの欠片も持ち合わせていませんのね…。
わたくしが肩を落とし、ふいっと聖女様から視線を外した先――――――あれはっ!!?
次の瞬間、わたくしは全力で地を蹴り、聖女様へと距離を詰めますわ!
「姫様!?」
「待っ………!!」
待てませんわ!!!
わたくしはふたりの静止を聞き流し、瞬時に聖女様を抱きすくめましたわ。
「っ!!?」
勢いのまま驚く聖女様を左手で抱え、右手を空へ向ける。
「壁よ!」
キンッ―――――――!
魔法訓練のおかげで一瞬で出せるようになった光の壁により、飛んできた矢を弾きましたわ!
危なかったですわ………!!
「聖女様、お怪我は!?」
「…………………………………………………へっ!?」
わたくしの腕の中で目を見開いたまま、固まる聖女様。
自分に向かって矢が飛んでくるなんて、そりゃ怖かったですわよね…。
わたくしと聖女様の今の状況は、右手で光の壁を出したので左手一本で聖女様を抱えている状態。
一気に距離を詰めた勢いのまま抱きかかえたので、聖女様の体勢は少し斜めで、わたくしを見上げる格好で。
少し体勢がお辛いですわよね?ごめんなさい。
わたくしは壁を作り終えて空いた右手も聖女様の体を支えるのに使いましたわ。
結果…抱きしめる形になってしまいましたわね?
「ひゃっ!?」
途端、真っ赤になる聖女様。
あ…ごめんなさい。
「不躾に触れてしまって、大変失礼致しましたわ」
「……え?」
「ひとりで立てますか?」
斜めになっていた聖女様を起こし、立たせようとし…
「立てましぇん!!」
「あ…そ、そうですの?ではお嫌でなければわたくしがお運びいたしま」「嫌じゃありましぇん!!」
なぜか食い気味。
そんなに怖かったのですわね…助けたわたくしに縋りたくなるくらいに。
お可哀そうに……。
では失礼して抱えさせていただきますわよ…っと。
わたくしが聖女様をお姫様抱っこすれば、「きゃっ♡」と可愛らしい声が。
なんて庇護欲を唆る声………!
ほ、本当に勝てませんわぁ〜!
女性ひとり抱きかかえるくらい容易になってしまったわたくしとは大違いですわ〜!
そこへ、ヤーナとラルフが駆けて来ましたわ。
「ひ…姫様!姫様自ら行かないでください!肝が冷えたじゃありませんか!」
「護衛が俺の仕事です!護衛を置いていかないでください!!」
「だって踏み込みの速さだけならわたくし誰にも負けませんもの。適材適所ですわ。そんなことより。ラルフ!聖女様に飛んできた矢の出処をすぐに調べて!」
「はっ。しばしの間護衛を外れる無礼をお許しください」
「お願い致しますわ。わたくしたちは聖女様をお部屋にお連れいたしましょう」
「すぐに準備いたします」
ラルフとヤーナ、そして聖女様に付いていた侍女に指示を出しましたわ。
犯人が逃げる前に捕まえられればいいのだけれど……。
ヤーナとラルフには怒られましたが、聖女様が守れて本当に良かったですわ。
それにしても聖女様の護衛は?
この国で一番重要な人物に護衛が無いなんておかしいですわ。
何か嫌な予感がいたしますわ…。
「ひ…姫様?あなた様は騎士様ではなく…この国の、お、お、お姫様でいらっしゃいまするか?」
聖女様、敬語がおかしいですわ?
ああ、わたくしが騎士服を着ているから騎士と勘違いなさったのね。
残念ながらこの国に女性騎士はおりませんの。
見下ろせば、腕の中で目をまんまるくしてわたくしを見上げる聖女様が。
その様子が庇護欲を掻き立てられ、とても可愛らしくて…なんだか馬鹿馬鹿しくなってしまいましたわ!
もう、悩むのはやめましょう。認めますわ。わたくし、完敗ですわ!
「ええ、お初にお目にかかります。わたくし、アルエスク王国第一王女、レギーナ・アルエスクですわ。以後、お見知りおきを」
完全敗北を認めてしまえば…なんだかとても清々しいですわ!
晴れやかな気持ちのまま微笑み、聖女様を見やれば、聖女様のお顔が真っ赤になりましたわ。
あ、至近距離でお嫌でした?ごめんあそばせ!
わたくしが謝罪の気持ちを込めて聖女様に微笑めば、聖女様は真っ赤な顔でわたくしを見上げまま両手を組み、小声で言ったのですわ。
「尊い…………」
……………………………何が??
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