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43 真剣なプロポーズ、ですわ!

いつも読んで下さりありがとうございます!

とてもとても嬉しいです!


召喚の儀の後、数日が経ちましたが、わたくしが聖女様にお会いすることはございませんでしたわ。

ヤーナの侍女ネットワークによると、聖女様は聖女として生きていくことをすぐに受け入れ、今はこの国のことを学んでいるそうですわ。

特に騎士という職業に興味があるらしく、この国の騎士団に女性はいないのか聞いていたらしいですわ。

確かに地球から来たなら、騎士は新鮮ですわよね。

もしかして騎士になりたいのかしら…?

でも聖女様は存在自体がこの国の宝ですから、そのような危ないことはさせられるはずもなく、この国に女性騎士はいないこと、聖女様がなりたいとおっしゃっても残念ながらさせてあげることはできない、ということをお伝えすると、聖女様はとてもがっかりしていたのだとか…。

ドラゴンとか、剣とか、そういうファンタジーなものがお好きなのかもしれませんわ。


そしてオーリャは相変わらず手紙を毎日くださり、暇さえあれば会いに来てくださっていますわ。

ただ、気になる点が…。

それは、「レーナは聖女様にお会いしたかい?」と何度も聞かれたことですわ。

なぜ気になるのかしら…。

もしかしてわたくしと聖女様が仲良くなれば自分も紹介してもらえると思って?

それともわたくしが小説のように聖女様を害することを懸念しているから?

邪推したくはないのに、どうしても気持ちがネガティブな方向に向かってしまうのですわ…。

真意は分かりませんが、聖女様を気に掛けていることは確か。

わたくしは、どうしたらいいのかしら…。


「この前…ガルロノフ様と聖女様がお話しているのを見掛けました」

「えっ!?」


恒例の魔法の訓練の際、師団長様から衝撃的なひとことを言われ、頭が真っ白になってしまいましたわ…。

オーリャはそんなことひとことも言っていませんでしたわ。

秘密に、されていたのかしら…?

召喚の儀で見つめ合っていたふたりを思い出し、悲しい気持ちが蘇りましたわ。


「やはり強制力を懸念してしまいますね…。レギーナ姫、大丈夫ですか?」

「え…えぇ、もちろん大丈夫ですわ」


本当は全然大丈夫ではございませんわ。

だって…やっぱり心のどこかで信じていたんですもの。

オーリャはわたくしを裏切らないって、信じていたかったんですもの。

毎日お手紙をくれて、毎週会いに来てくれて…信じたくもなるでしょう?

それともわたくしに会いに来ていたのは、城へ聖女様に会いに行くための手段だったのかしら…?


どんどん思考が後ろ向きになっていって、深く、暗い沼にずぶずぶと沈んでいく感覚に襲われて…。


「レギーナ姫」


いつもにこやかな師団長様の真剣な声に顔を上げれば、そこには真っ直ぐにこちらを見つめる目が。

その目には何かいつもとは違う熱が籠もっていて…わたくしの顔も熱くなってしまいますわ!


「レギーナ姫が困らないようにいつも冗談めかして言っていましたが、自分の気持ちは本物です。レギーナ姫が自分を選んでくれるというのなら、一緒に逃げたいと言うのなら、自分はいつでもその用意ができています」

「し、師団長様…?」


熱い視線はそのままに、師団長様はわたくしの手をすくい上げるようにしてそっと握りしめたのですわ。


「レギーナ姫、好きです。あなただけをお慕いしております」

「!!」

「自分を、選んでください。自分なら全てのものからあなたを守って差し上げられます」


好き……えっ!好き!?こんなわたくしを!?


「あ、いえ、あの、その…っ!」

「すみません、困らせてしまいましたね。でも自分、本気ですから。よく考えておいてくださいね……愛しい人」

「ひゃ、ひゃい………」


師団長様が整ったお顔でいつもとは違う、色気を醸し出したお顔でそんなことを言うものだから…もうわたくし、キャパオーバーで頭から煙が出ますわ!!

ひやぁぁあああぁぁあ!!



   ******



オーバーヒートにより記憶が無いまま魔法の訓練を終え、その後もずっと頭がぽやぽやしてしまっていて…こんなんではいけませんわ!

考えなくてはいけないことはたくさんありますもの!


まず、『ミラファン」の今後の流れですわ。

わたくしずっと考えていましたの。『ミラファン』の聖女様とオーリャはどのように出会って、どのように愛を育んだのだったかしら?と。

でも、どうしても大筋の話の流れは思い出せても、細かいところは(もや)がかかったように曖昧で思い出せないのですわ。

思い出せるのは聖女様とオーリャが出会い、悪役令嬢であるわたくし、レギーナがいない合間に愛を育み、それを知ったレギーナが聖女様を害そうと計画し、それが露呈して処刑される…というざっくりしたもの。

うーん、何も役に立ちませんわ。


「いっそ…逃げてしまおうかしら」


ぽそりと呟き、先程の師団長様の言葉を思い出し…


『レギーナ姫、好きです。あなただけをお慕いしております』


「ふわぁぁあああ!!」

「姫様!?」


ヤーナに心配されましたわ。

なんでもありませんの。ごめん遊ばせ。


師団長様のお気持ちはとても嬉しいですわ。

でも…それでも、わたくしの心を占めているのは……。


「…………騎士団の訓練場へ参りますわ」

「かしこまりました」


ここは体を動かして、このもやもやとした頭を少しでもすっきりさせましょう。

最近はほぼドレスよりも騎士服で過ごしているわたくし。

このまま訓練に参加いたしますわ!


そう思い、訓練場へ向かっている途中。

暖かい日差しの中、花壇の花を愛でていたのは………美しい黒髪を耳に掛けながら、微笑む可愛らしい少女。


「聖女様…………?」


それ以上前へ進むことができなくなってしまったわたくしは、その場で固まってしまったのですわ。


暑くなってきましたね。

皆様ご自愛下さいませ。

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