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39 恐ろしい未来、ですわ

読んで下さりありがとうございます!

鉄壁のソーシャルディスタンスを守っていたくせに風邪をひきました…。

ナンテコッタ!


「な、なぜご存知なんですの!?」

「やはりですか…」


確かに『処刑』という不穏な言葉は使いましたわ。

でも、それでどうして『前世の記憶がある』ということに繋がりましたの?


「実はその光魔法が載った文献に、その術者の前世の記憶について書かれていたんです」

「な、なんですって!?」

「その方が死んだ後に分かったことですが、彼女は常々『この世界は元々住んでいた世界の本の中で、私は将来処刑される運命にある』と言っていたらしいんです。…当時、誰も信じませんでしたが」

「そ、そんな…」


そんな偶然ってあるかしら!?

滅多にいない、光魔法を使うふたりが両方『転生者』だなんて。

しかも、ふたりともこの世界が本の中だと認識していたなんて…!

もしかして…魔物を殲滅する力は、『地球』から来ることに意味があるのかしら?

光魔法を使う人は地球からの転生者。

魂はもともと地球のもので、体はこちらの世界のもの。

だから存在だけでは魔物を殲滅できないのでは?

でも、聖女様は魂も体も全て地球産。

だから存在自体が魔物に効果があるのではないかしら…!?

うん、納得ですわ!


でも…何百年も前に来た方が『本の中』って言っていたって…どういうことかしら?

その方が本の通りに『処刑される』って言っていたということは、その方はその本の登場人物。

時代が違うわたくしとは()()()、ということ…?

それとも…もし、この世界がループしているんだとしたら?

いえ、でもその時にわたくしは…わたくしの魂はいないはずだから…。

でも本当にそうかしら?何百年も前よ?

もし、前世の記憶の前の記憶が無いだけだとしたら?


……………頭が大混雑ですわ!

でも、何よりも気になることがありますわ。


「それで…その方は最後、どうなりましたの?」

「その方は………処刑されました」

「えっ!?」


ガツンと頭を殴られたような衝撃を受けましたわ。

待って…待ってちょうだい。


「だってその方は小説のストーリーが分かっていたのでしょう?なのに…処刑を回避できませんでしたの?」

「はい…。その方が言うには、この世界には()()()があるのだそうです。どうやらストーリーから外れようとすると元に戻そうとする見えない力のことのようです」

「強制力…」


聞いたことがありますわ。

どうしても抗えない、見えざる力。

そんな、そんな……!


「い、いやですわ!わたくし、死にたくない!死にたくありませんわ!」

「レギーナ姫、落ち着いて!」


頭がパニック状態で、浅い息を何度も繰り返すわたくしの背中を、師団長様が擦ってくださいますわ。

暖かさにほっとしますわ…。


「姫様!どうかなさいましたか!?」


魔法の訓練だから、と訓練室の端に控えているヤーナにはわたくしたちの話が聞こえないながらも異変に気が付いたのでしょう。

心配そうな声が飛んできましたわ。


「だ…大丈夫ですわ!」

「魔法のコントロールがうまく出来なくて息が切れただけですので問題ありませんよ」


師団長様がわたくしに合わせてくださったおかげで、ヤーナは安心したのかその場で姿勢を正しましたわ。


「師団長様、ありがとうございます」

「いえ…大丈夫ですか?」

「だ、大丈夫……では、ありませんわ………」


わたくしがどんなに頑張っても、どんなに今は皆が優しくても、結局は本の強制力によって無かったものにされてしまいますの?

オーリャの気持ちも…変わってしまいますの………?


「もしかして…レギーナ姫も本の登場人物で、処刑される運命……なのですか?」

「ええ…そう、そうなの」


分かりませんわ。

どうすれば強制力に抗えるのか。

どうすれば運命を切り開けるのか…。


「……………………レギーナ姫」

「はい…?」

「自分と逃げてしまいましょうか?」

「え。………えっ!?」


王国魔法師団長にまで上り詰めた方が、こんな地位をとったら何も残らない小娘と……逃げる!?

師団長様には何もメリットがございませんわ!?


「だだだ、だめですわ!」

「そうですか?でも逃げてしまえば処刑される要素も無くなりますし、いいと思うんですけど…」

「いえ、そういうことではなくて!師団長様の人生がめちゃくちゃになってしまいますわ!」

「自分のことを心配してくださるんですか?」


嬉しいなぁって…ニコニコしている場合ではございませんわ!?

全てを失ってしまいますのよ!?地位も名誉も、何もかも!


「自分は魔法の研究がしたいからこの地位にまで上り詰めたんです。ですが光魔法を使える人とずっと一緒にいられるならその方が自分にとっては心躍ります!」

「え?ずっと?」

「はい。だって駆け落ちですから」

「ふひょ!?」


かかか、駆け落ち!?


【駆け落ち】

婚姻に関して双方の家族の承認が得られなかった場合に、婚姻を達成するために相思の2人が相伴ってひそかに他所へ逃げること。


わたくしの頭の中の辞書が間違いでなければ、駆け落ちってこういうことですわよね…?

え、婚姻を達成?婚姻…結婚!?


「良ければ自分と駆け落ちして結婚しませんか?」

「…………なんですと!?」

「考えておいてくださいね。……では、魔法の練習に入りましょうか」

「え?えっ!?」

「魔力の流れは以前勉強しましたね。ではそこから発動させるところからいきましょう」

「ちょっ!?」


全然頭に入って来ませんわ!?



次は出来れば日曜日に更新したいと思っております!

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― 新着の感想 ―
[一言]  ここにきて新たなる謎が…!と思ったら師団長様大胆な発言で一歩リード!レギーナ姫の不安を宥めつつ、逃げるという選択肢もあるんだよと示せるのは大人としても良いですし、自分を意識させるという意味…
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