27 フォーメーションAでいきますわ!
読んで下さり感謝です!!
馬車の中で泣きじゃくるルスラン様になんとかボリスラーフの現状を認めさせ、黙っているよう言い聞かせ続け……気付けばアルエスク城に着いてしまいましたわ!?
「はぁ、疲れた………。討伐よりも野営よりも馬車が疲れた…」
「同じく、ですわ……」
オレグ様とぐったりとしながらルスラン様の後から馬車を降りましたわ。
くっ。婚約者様は疲れていてもエスコートがスマートですわ…!
そ、それはともかく。
目の前の御仁は馬車の中でずっと、ずっと、ずぅぅっっっと!泣いて泣いて泣いて………慰めるのに苦労しましたわ!
お気持ちは分かりますし反省も必要とは存じますが、泣いていても何も変わりませんわ!
これからのボリスラーフの幸せのために何ができるのかを考えて差し上げればいいと思いますのよ!
「あ、兄上…兄上ぇぇ………うっ、うぅぅぅ〜〜〜ぐぐぐぐぐぅぅうぅ〜〜」
ほらぁ…。早馬で知らせてあったとはいえ、異国の王子が自国の馬車から泣きながら出てきたから出迎えた皆様も吃驚していらっしゃいますわ…。
………泣き方の癖が強いからって理由ではないはずです、わ?よね?
「ル、ルスラン王子…?どうなされました?」
「げッ」
馬車を降りたところで待ち受けていたのは我が国の第一王子であるお兄様と側近のパーヴェル様。
ってパーヴェル様!笑いを堪えてるのがバレバレですわ!?それはアレですわね?ルスラン様の泣き方の癖のせいですわね!?
でも堪らえてくださいませ!他国の王子を笑ったとあっては国際問題に発展いたしますわ!?
いえ、そんなことよりも!
ルスラン様がご到着なさると聞いておふたりは出迎えにいらっしゃったようですが…これはまずい状況ですわ!
この場でお兄様にうっかり話しかけられれば…わたくしがレギーナだとバレてしまいますわ!?
せっかくルスラン様に侍女だと思わせているのに…とても面倒な未来しか見えませんわ!?
…………うん。逃げましょう!さっさと逃げましょう!
「ラルフ、ヤーナ。フォーメーションA!ですわ!」
「「ラジャー!」」
「ボリスラーフもついてきてくださいませ!」
「……御意」
小声で指示を出せば、みんな小声で協力の意を示してくれましたわ!
「オーリャ。そういうことで後のフォローはよろしくお願い致しますわ!」
「…………えっ?僕!?」
「後ほどお茶をご一緒いたしましょう。わたくしの部屋でお待ちしておりますわ!」
「えっ?えっ!?」
「では!」
フォーメーションA:レギーナに直接仕える者が最初に覚えるフォーメーション。レギーナから見て片側に敵がいる場合に使用。視界の盾になる者が不自然にならない程度に、かつ、できるだけ近い距離で縦に並び、その横にレギーナを隠す陣形。そのまま歩いて逃亡を図ることが可能である。
あら?なんだかどなたかの説明の声が聞こえたような聞こえなかったような…?
それはともかく、わたくしはこのフォーメーションによって安全にこの場を離れますわ!ごめんあそばせ!
「ところでオレグ。レーナはどうし…へぶっ!?」
余計なことを口走ろうとした兄の口を秒でオレグ様が抑えつけましたわ!
さすがオレグ様!何をしてもそつがございませんわ!
素敵ですわ!格好いいですわ!
例えフォーメーションAの隙間からチラリと見たオレグ様が、死んだ魚の目でサムズアップをなさっていたとしても!
惚れ惚れしますわぁ〜!
読んで下さりありがとうございます!ありがとうございます!
ものすごーく感謝してます!
私の気持ち伝わってます?
ホントに?ホントに??
たぶんその100倍は感謝してますよ!!
レギーナさん。恋は盲目ですね…。




