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2 いつかドラゴンを倒しますわ!

マッチョの話。短いです。


朝食を終えたわたくしはさっそくオレグ様に手紙を書きましたわ。

もちろん、今までしてきた横暴な振る舞いの謝罪と、今後手紙と週末のお茶会は不要であるという旨の内容ですわ。


うんうん、婚約者対策はとりあえず今はこれでオッケーですわね!

婚約破棄についてはオレグ様のお名前に傷がつかないような方法を、じっくり考えることにいたしましょう。


そして、次は…ダイエットと護身術ですわ。

これってもしかして、両立できるんじゃなくって?

わたくしってば天才ですわぁ!


現在、わたくしはぽっちゃり…よりふっくら…ってとこかしら?

まだ運動はできる程度…の、はずですわ!

なんせ踊れるデブですもの!エッヘン。



「ねぇ、ヤーナ。わたくし痩せたいの。ダイエットしたいんですの。護身術とか剣術を習えないかしら?」


「え?護身術と剣術…で、ございますか?痩せるために?」



話し掛けたのは部屋の隅に空気のように立っていたわたくしの専属メイドのヤーナ。茶色い髪に茶色い瞳の、見た目はほんわかした…でも本当は芯のあるしっかりとした子なのですわ。



「そうよ!これからはわたくしも自分のことは自分で守りたいんですの!そうしたらほら。学びながら痩せられますわ!一石二鳥なのですわ!」



本当は万が一逃亡することになった時にも生きていけるようにするためなのですが…ヤーナは過保護なので口が裂けても言えませんわ。



「護身術は護衛騎士がおりますから必要ないかと…。それに危険でございます。姫様がお怪我でもなさったら大変です」


「でも、痩せるためにただ運動するだけだとちょっと辛いと思いますの。続かないと思いますの」


「ですが…」



そんなヤーナとの押し問答の末、護衛騎士から必要最低限の護身術を習う権利を勝ち取りましたわ!


必要最低限…。かなり不本意ではありますが、仕方がありませんわね…。



「参りました。お呼びでしょうか」


「待っておりましたわ!」



呼ばれたのはいつもわたくしを護衛してくれている、騎士のラルフ。


金の短い髪に褐色の肌。

そしてこれぞマッチョ!という体。

alsoマッチョ。Theマッチョ。


あまりにもマッチョ過ぎて、騎士の制服がパツンパツンなのですわ!

デザイナーさんも想定外なマッチョなのですわ!


わたくしがラルフの筋肉について思いを馳せている間に、ヤーナが護身術の件をラルフに説明をしてくれていましたわ!

やはり出来る子ですわぁ。



「なんと…ご自身で身を守りたいですと!?さすが姫様…その心意気、ご立派です!感服致しました!自分にお任せください。必ずや!一人前に育てて差し上げましょうぞ!」


「ラルフ?聞いてましたか?必要最小限でいいんですよ?」


「ヤーナ。何を言う!最低限なんてものはないのだ!いつ何時、どの程度の相手が来るかも分からんのだぞ!?上を目指せば目指すほど、何者からも身を守れるというもの。そう!目指すは頂点!トップ!オブ・ザ!アルエスク!!」


「この脳筋!お聞きなさい!」



そうでしたわ。ラルフは熱い…それはもう、エンリヤ砂漠よりも熱い男なのでしたわ。

いえ、男ではなく、漢おとこ。

熱いパッションの漢なのでしたわ!


しかし。わたくし、腐っても一国の姫。

目指すものがあるのなら…目指してみせましょう!

えぇ!どこまでも!!



「分かりましたわ。ラルフ。わたくし、必ずやこの道を極めてみせますわ!」


「極めないで下さい!!」


「さすが姫様!自分が必ずやドラゴンを倒せる位まで押し上げてみせましょうぞ!」


「もう護身術ですらない!!」



ヤーナのツッコミも虚しく、わたくしとラルフは熱い熱い握手を交わしたのですわ!


ものすごく滾りますわ〜!


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