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旅立ちの年齢

ダンジョン編は二万字くらい。一気に読みたい方用のも置いとくので、短編でも読んでるとでも思ってください。

「荒木、お前はこの世界では異質な存在だ。だから身を隠せ」


そう俺はあのひとに言われてきた。それは大人になっても変わらない。今年で30歳という人生において、転換期を迎えたこの日でも。それは婚期。そう、独身を続けるのか、それとも死に物狂いで相手を探すのかというこのときでもだ。


だが、1つだけあの人に言いたい。隠れろって言われたが、この世界はもうあの時とは違う。昔はPCで仮想の世界でファンタジーやって小説かいてといった中二病まっさかりという時代だった。


しかし、昨今では別の世界が見つかったり、宇宙人が上陸したりともはや文明自体が異質になった。なんならステータスも見れて隠れてる方が異質な存在な気がする。もうさ、隠す必要なくね?隠しても損じゃね?


「というわけで俺、仕事やめてダンジョン行ってくるわ」


「は?いきなりどうしたのあんた。この仕事明日締め切りなんだけど?」


苛立ちを表に出しながらこちらを睨み付けてくるのはこの世界の覇者、通称上司の矢面さんだ。会社の上司でチームリーダーだ。この人の一言で給料が下がったりする。


「だから俺、ダンジョン行ってくるから」


「いやいや、あんたには無理だから。あんた、スキルないんでしょ?だって経歴書にもそう書いてあったし、それにあんた今年で三十路よ、三十路!」


「三十路は新たな冒険に旅立つ年齢だろ?だから仕事をやめて…」


「いやいやいや。そんな年齢じゃないから。とりあえず手を動かせ。そう。そうよ。仕事をやめる?勝手にやめればいいわ。ただしこの仕事だけは終わらせなさい。じゃないと、会社に違約金払うのよ?何億でしょうね?」


俺は覇者から脅されたのでなんやかんや言って仕事は最後までやりきった。徹夜で。仕事は無事終わり、気持ちのいい笑顔で上司は了承し、もし死にかけたらまた会社に帰ってくるようにと言われた。


あとあと聞いたらわりと優秀な部類の人種だったらしい。なので復帰は大歓迎とのことだ。いや、嬉しいけど、そう言われると行きにくくなる。まぁダンジョンには行くがな。


まず俺のステータスを確認しよう。あの人に言われて自分の能力を隠してたからスキルの確認はしていない。


《荒木のステータス》

名前:荒木涼太

年齢:30

異能:《非現実的接触》

スキル:《隠密》《先読み》《軌道察知》《誘導》《認識操作》


見事なまでに忍者みたいなスキル構成である。これは隠れることを常に行っていたことの結果だろう。隠密は隠れること。先読みは自分の情報をとられるまでにフラグ破壊をしていたため、他もそんなところだ。


そしてこの異能だ。これは触れないものに触れる。触りたくないものには触らなくていい。そういう異能力だな。まぁ、誰も聞いてるやつはいないし、再確認のために使うか。


手に消しゴムを乗せる。それを透過させる。すると消しゴムは地面に落ちる。なにもない場所に座れる。なにもない場所を握り、それを振り抜くと消しゴムが半分に割れた。


この異能はそれだけではなく、誰にも見えないものを作れるし、それを具現化することもできる。まぁ、これは食べ物とか無理だし、制限時間があるから、永遠に使えるとは言えんが、今なら無双すらできる。仕事場では机や椅子の高さを調整するのに使っていた。


「よし、こんなものだろう。早速市役所にいこう」



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