穴空き雲
花の隔りに
破れの美しい名を見て
悲哀に溺れる傲慢さを
聞き取りながら振る
言葉を押し込まれながら
笑顔を伝える
さよならの前を分かったら
消滅の穴に落ちるのだ
鳥の囀りに
毛糸を粗雑に巻き取り
声の羅列が飛び立つのを
拭き取りながら見る
BGMになる言葉の端々に
無表情を送る
雑音の跡形を辿ったら
蠅の穴に落ちるのだ
風の礫に
痛さを感じる日は過ぎ
麻痺では無い着実さを
噛み付きながら知る
欲望に巻き込まれないから
冷静さを忘れる
当たり前を手に入れたら
相違の穴に落ちるのだ
月の帳に
間違い探しの絵を描き
優越感に浸る誠実さを
飲み込みながら張る
他人に巻き込まれながら
情熱を忘れる
段階が生まれくるから
純粋の穴に落ちるのだ