私は女神さま。
ここは天界。神と天使が住むところ。そしてここは女神コールセンターと呼ばれる下界と天界を繋げる大切な場所。天使である私はここで働いている。
「ああ女神さま。太古よりホルスの国を護りし女神、アンカーさま。」
今日も下界から悲痛な声が聞こえてくる。そんなとき私が彼らにできることは、
ピンポーンパンポーン
「あ、放送だー。みんな静かにー。」
「ホルス係のアンカーさーん。ホルス係のアンカーさーん。下界からのお呼びでーす。至急コールセンターまでお越しくださーい。」
「はー。いいところだったのに。」
名前を呼ばれ、他の女神たちと歓談していた一人の女神が腰を上げた。
「じゃ哀れな民衆が呼んでるから行ってくるわー。」
彼女の名前はアンカー。およそ千年前に天使からランクアップしたばかりのひよっこ女神だ。今はホルスという小さな国を災いから護る役割を担っている。災いというのは、例えば悪魔による攻撃、下界では天災と呼ばれるものや他の女神からの嫌がらせのことだ。しかし、もちろん女神も完璧ではない。たまには攻撃を防ぎ切れなかったり気付かなかったりする。まあそんなときは決まって、
「たまには試練も必要でしょ。」
と言い訳するのだ。
「はーいアンカー来ましたー。」
「アンカーさん、こちらです。」
そのまま奥のモニターへ通される。
「ではお願い致します。」
そう言って私を奥に連れてきた天使は去っていく。
「任せといて。」
その小さな後ろ姿にウインクして、私はモニターと向き合った。
「女神さま。近年この国は近隣の魔城にはびこる魔物によって攻撃されています。どうかこの国を魔物からお守りくださいませ。」
オーケー。つまり民衆の願いは魔物を倒してほしいということね。それなら簡単。勇者を召喚しましょう。女神さまの私にとってそんなのちょちょいのちょいよ。
「神殿にて勇者を待ちなさい。」
「!?...め、女神さまですか?あ、ありがとうございます。本当にありがとうございます。感謝と感動で心がいっぱいです。」
そう言って長老らしき男は手で顔を覆い泣き始めてしまった。
よしじゃあ勇者召喚しますか。




