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Chapter1:NO RUN その序章

「………ほら…さっさとしなさいよ」


少女のやや恥じらったその声色にドクンと緊張や興奮のどちらともとれない不可思議な鼓動が俺の胸を打ち鳴らす。


眼前には本当に自分と同じ構造物なのかと疑う程に白くしろしろく白々しい程にしろい華奢な足が捧げるように差し出されている。


きめ細やかな肌に健康的な赤の血の迸りがまるで芸術的な印象を脳に植え付ける。


欲情とは縁遠い好奇心・興味が更にその足を舐めるように


見入る。

魅入る。

美意みいる。


羞恥の表情を向ける少女の顔がそれに伴って赤くなっていく。


よく目を見開いて眼前の美しい肉体の一部を見つめる。


汚れ一つない綺麗な五本の指は時々ひくつくように僅かばかりの開閉を行い。

触れてもいないのに思わず熱を感じてしまう程に高まっていく体温を俺は感覚という感覚を顔に集約させて感じ取る。


小刻みに震えているのは緊張の表れか。


それともまた別の感覚や感情に対する恐怖心か。


そのどちらにしてもどちらではなくとも俺のすべきことなど決まっていた。


「それじゃあ、失礼して…」


そう言うなりゴクリと溜まりに溜まった生唾を飲み込む。


言葉とは裏腹に全く悪いとも思っていない不純の塊がその口を開ける。


開かれた口内という発射場から押し出すように舌を出していく。


舌を出す。


出す。


出す。


伸ばす。


伸ばす。


____止める。


限界まで伸ばした舌をその場で硬直させる。


異様に力が入る。


そうしてそんな舌を見ながら足を差し出している少女は震える声でこう言った。


「早く……舐めて………」




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