見知らぬ幼女とゾンビおじさんと
ごめんなさい
「あっち!」
元気よく歩き出して十数分、
全くもって何処に行こうとしているのか...
「お嬢さんどこ行く気なの?」
「ママのところ!」
わー...
今日中に見つかるのだろうか
ついでに先程幼女は目敏くレジ袋の中のアイスを発見し、
献上したのでタイムリミットも消えた。
「おじさんは何してる人なの?」
「ニートって人?」
この娘は将来きっと女王様になるのだろう...
「おじさんこう見えても普通に働いてるんだよ」
普通...まぁ一応普通に働いているはず。
「おじさん彼女いるの?」
どんどん質問してくるじゃん...
「おじさんに彼女はいません」
「おじさんの大切な人は?」
息が詰まる。
その質問は適当には答えられない。
「おじさんはな 大切な人は作れないんだ」
真剣な声が出てしまった。
「ふーん」
なんだその興味なさげな答えは...
女って難しいのな...
「お嬢さんはさ もしママが死んじゃったらどうする?」
俺は自分の感情を抑えるために、
口癖の様にこの質問をしてしまう。
そして言ってから思い出す。
相手は幼女だった。
「ママが? うーん ママ死なないからなぁ」
「そっかぁ...」
そんな答えをくれた安心感に体の力が抜けた。
と話していると小さな公園が見えてくる。
その入口では、若い女性が辺りを見回している。
「あれママじゃないの?」
「あっ! ママ!」
と幼女は駆け出した。
「ありがとう!ゾンビおじさん!」
無事に依頼は達成し、
パーティーは解散しました。
女性の声で勝手に何処か行ったら迷子になっちゃうでしょ!
聞こえる。 やっぱり迷子だったんだな。
それから帰ってあきるに殴られた。
ダッツの恨みは一撃が重い。
「あぁぁぁぁぁあ!」
心臓を抉られた様な痛みで目が覚めた
大切な人は作っていないはず...
と昼間の幼女の笑顔が蘇る。
「嘘だろ...」
翌日朝のニュースは、
一家殺人事件を取り上げていた。