何も無い日の午後
ふんわり精進
それはまるでゾンビの様な足取りで
「あちぃ...あちぃよぉ...」
アスファルトの道路はゆらゆらと輪郭を失っている
あの向こう側のコンビニに俺は向かっている
ハーゲンダッツを買うために
「なぁ あきるぅ エアコンなんで使わないのぉ?」
「扇風機さんで十分」
「えぇ 俺の方向いてないんですけどぉ」
茹だるような暑さの中窓全開、
風通しゼロの居間で
俺はあきると暇を潰している
「じゃあ アレでスマブラで俺が勝ったら抱き着いていい?」
「私が勝ったらハーゲンダッツな」
「うへへへ 煩悩の力で覚醒した俺に勝てるとでも?」
あんな賭けしなければよかった...
やっとこさコンビニに到着
ガンガンに効いた冷房に俺は
ため息を吐いた
だって折り返しがあるし
常に悪い方へ考えられるのが俺です
無事ハーゲンダッツを確保
灼熱地獄へ帰りますか...
またもゾンビの様に歩いていると
「そこのゾンビみたいなおじさん!」
幼女に絡まれたのであった
この娘大丈夫かな?
ゾンビと認識した上におじさんと来たもんだ
俺が紳士じゃなかったら誘拐されてしまうぞ
「なんでしょうかお嬢さん」
「ママを探しなさいよ!」
こ...高圧的過ぎる...
「迷子なのかな?」
「何処に迷子なんているの?」
無言で幼女に指を指す
彼女は俺の指を握ると曲げた
「いてぇぇえ!」
なになにどういう事!?
「迷子はゾンビのおじさんでしょ?自分を指差しなさいよ」
この娘の母親には会わない方がいい気がする
「分かった分かったおじさんは迷子です」
「それで?」
「君のママを探せばいいんですね」
「よろしい!」
こうしてパーティーリーダーは
見知らぬ幼女になりました