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愛したものを壊した罰を  作者: 夜は当然寝ます
1/4

夏の日、別れ

どうしてなんだ。

俺が何をしたというんだ。


自問自答を繰り返す。


目の前の惨劇から目をそらしたい、

受け止めてしまったら、きっと壊れる。




夏、それも日が天辺から街を焦がしている。

俺はただ目的地へと歩いていた。


「こんな日に呼び出しやがって...」


これは、完全に嫌がらせだ...

会ったらこの汗だくのまま抱き着いてやるぜ。


うへへへへ。


それから数分後。

木造の小さな家のインターホンを押した。


確認もせず勢いよく開いた横開きのドアから

「遅いですけど」

アイスを片手に前髪を上げた少女が現れた。


有言実行って大切だよな

「ふっ、よくもまぁ 俺を呼び出しておいてアイスなんぞ喰っているもんだなぁ」

ゆらり大きく一歩近づく

「隙ありゃぁぁぁぁあ!」

「お前を呼んだのは私ではないわぁぁあ!」

アイスによるクロスカウンター!

俺の一張羅に、棒アイス(ミルク)は突き刺さった。

その痛みは地味過ぎて言葉に出来なかった。


汗とアイスでベトベトのシャツは甘い香りを放つ。

最悪の着心地である。


「ここですけど」

いつもの部屋に通される。

4回と2回ノック 毎度不吉な暗号だ。

「はーい」

中からとは思えないほど遠くからの返事

数十秒扉は鍵を開ける音と共に開く

「やぁやぁ久しぶり」

「こんなクソ暑い日に呼ぶんじゃねぇよ」


「そんで?何用な訳」

「あぁー アレだよ。君の本業の依頼」

本業...これは嫌な話だな。

静かに俺の心は冷めていく

「本名 椎名涼 通称ロンさん 君の知り合いね?」

「ロン...」

本名ではパッと思い出せなかった。

そのまま知らない人なら、

情報の間違いなら、よかったのに...

「あぁ知ってる」

「なら大丈夫だよね?」


俺は踵を返した。

途中で居間で転がっている少女に五百円玉を渡す。

「あきるこれでさっきのアイス弁償してくれ」

「有無許す」


炎天下に戻った俺は公園でシャツを洗っていた

「ロンね...」


今は暑すぎる

全ては夜になってからだ。

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