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悪役令嬢の拳  作者: 二三三一
3/7

儂、攻略対象の騎士団長の長男と出会う

 キョウヤ=バルト。父親は現騎士団長であり、侯爵家である。

 キョウヤの先祖は転生者であった。

 数々の英雄譚を残した先祖を崇拝し、十歳にして大人と殴り合っても負けない力を持っていた。


 キョウヤが学園の曲がり角に差し掛かった時、

「きゃあっ!」

 走って来た少女とぶつかった。

「おっと」

 ぶつかった少女が倒れそうになるのを見て、足のバネを使い少女の背後へと回り込み、背中を支え抱えた。

 いわゆるお姫様抱っこである。少女は自分の状況を理解すると、顔を真っ赤にする。


「大丈夫?」

 にっこりとキョウヤが微笑みかけると、少女はこくこくと頷く。

 キョウヤは十歳にして、大人と奪い合っても負けないイケメン力を持っていた。


「怪我が無くて良かった」

 そっと少女をおろすと、少女は顔を真っ赤にしてキョウヤに何度もお礼を言う。


「きゃぁーー、わ、わわ、私バルド様にお姫様抱っこされたわ!」

 そう言いながら、少女は喜びながら駆けて行く。


「あ、廊下を走ると危ないよ?」


 やれやれ、と少女を目で追うキョウヤ。

 少女が曲がり角に差し掛かった時、

「きゃあっ!」

 角から現れたヘレンとぶつかった。

「ぬうん!」

 ぶつかった少女が倒れそうになるのを見て、足のバネを使い少女の背後へと回り込み、背中を支え抱えた。


 いわゆる垂直落下式ブレーンバスター、落下前状態である。少女は自分の状況を理解すると、顔を真っ青にする。

「儂に攻撃するとは、小童。いい度胸をしておるな」

 ヘレンがドスをきかせた声で問いかけると、少女はぶんぶんと首を横に振る。

 ヘレンは十歳にして、ヤクザとシマを奪い合っても負けない迫力を持っていた。


「儂に逆らうと死あるのみ。一つ賢くなって良かったのう、小童が」

 少女を勢いよく廊下へ叩きおろすと、少女は頭を流血で真っ赤にして、ヘレンに何度も命乞いする。

「儂一生の不覚、この身体は少女であった。致死威力を見誤ったわ、去れ小童」


「ぎゃぁーー、わ、わわ、私、殺されてしまうわ!」

 そう言いながら、少女は駆けて行く。


 その二人の様子を、キョウヤは信じられないという顔で眺めていた。


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