表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

0 プロローグ

ホラー色の在るファンタジーになります。偏りが多いと思いますが、お付き合い頂ければ幸いです。

 薄暗い寂れた喫茶店の中は、冷房が壊れているのかやけに蒸し暑かった。湿気が肌に(まと)わり付く様な暑さに、向かいに座る彼の手元にあるグラスは軽く汗をかいている。

「もし、」

 そんなグラスとは対照的に、彼は涼しげな顔で先程の質問に答えた。

「俺達を消し去りたいなら」

 彼の指が触れていたストローを揺らすと、グラスの中の氷達がカロンと軽やかな音を立てる。他に誰も居ない喫茶店の中で、その音は異様な程大きく響いた。先程までは(うるさ)程蝉(せみ)が鳴いていたのに、気づけばその音も消えている。硝子一枚隔てた向こうには多くの人が行きかっていると言うのに、誰もこちらに関心を寄せる事も無い。まるで、今この瞬間、この空間が何処からも切り離されているかの様に。

「生きてる人間全てを消せばいい」

 彼の唇に登っているのは、笑み。暖かな微笑みとは掛け離れた、ぞっとする程妖艶な笑みだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ