《選ばれし力 - The Burden of Power -》**
ルイーダは自らのスキル《ギブ&テイク》があまりにも強力すぎることを理解していた。
**「こんなチート、隠した方がええんやろうけどなぁ……」**
無限の可能性を秘めたこの力。うまく扱えば、国家を支え、戦局を覆すことすらできるだろう。
しかし、それを悪意ある者に知られたら――利用され、奪われ、狙われることになる。
「だけどよぉ……困っとる人を見て見ぬふりなんて、うちにはできんがねぇ!」
ルイーダは昔から、**助けを求める声を無視できない性分**だった。
たとえ自身の存在が危うくなろうとも、目の前の人を救うことを優先する。
そして今回もまた――彼女は迷わず、冒険者を救った。
その結果、ルイーダの名は冒険者ギルドに広まり、少しずつ“特別な力を持つ受付嬢”として認識されつつあった。
***
ルイーダは夜の酒場で、一人考える。
「今回助けたことは、後悔してへんがねぇ……」
その言葉と共に、何かが心をよぎった。
ふと、頭の中に響くのは――
**「認めたくないものだな。自分自身の、若さゆえの過ちというものを」**
そのフレーズが何故か脳裏に焼きつくが、意味までは分からない。
地球の記憶がまた、奇妙な形で浮かび上がった瞬間だった。
***
ルイーダは決意する。
**「うちは、この力を使うで。せっかくもろたもんを、腐らせるのは性に合わんわ!」**
どんなに危険が伴おうとも――このギブ&テイクの力を正しく使い、世界を支えていく。
それが彼女の使命なのだ。
そして、この決断が後に国の未来を大きく動かしていくことになる――。