勘違いだったなんて…
勘違い発覚!
王城にてリアに用意された部屋で寝かされている侍女ディア。ふと目を覚ますと、煌びやかな部屋に驚く。1人バタバタしていると、声をかけられる。
「お嬢様、湯殿の準備が整いました。」
「えっ?あのー。」
「さぁ、こちらでございます。お急ぎ下さいませ。この後歓迎晩餐会になっております。」
「あのー。」
気の弱いディアは美しいメイドや宮殿に気後れし、更に急かされて人違いとは言えなくなってしまう。
「なんて美しい柔肌でしょう。色がとても白くいらっしゃるのですね!」
(どこが美人よ?聞いていた話と違うわ。メイクを濃くしないとダメね。)
「胸も豊満でこちらのドレスがお似合いになりますわ!」
(胸はあるけど、お腹とお尻にも肉があるから、隠れるのじゃなきゃ王様や王子様の御前に出せないわ。)
ディアは自分の白い肌や豊満なボディを褒められて嬉しくなっていた。
(もしかしたら、リアを迎えに来たけどお迎えに来られた方が私に一目惚れして変更したのかしら?)
「ありがとうございます。」
「お嬢様、この後はパーティーにて陛下や殿下と会食になります。」
「はい、分かりました。」
今までに無い程キレイにメイクをしてもらい、素敵なドレスも着せてもらった。コルセットのお陰で、いつもよりホッソリしたバランスの取れたスタイルに満足する。
(私って、こんなポテンシャルをもってたのね!)
「お嬢様、ご準備は宜しいでしょうか。」
外にいたメイドが様子を見にくる。
「大丈夫よ。」
「では参りましょう。」
ディアが廊下に出ると、国の重鎮達が一斉に顔を見て挨拶してくれる。まるでお姫様になった気分である。お偉い方々に案内されて、謁見の間までの長い廊下を歩いた。
「こちらが謁見の間でございます。」
荘厳な装飾の扉はとても重厚感があり圧倒されてしまう。
(まさか私がこんなところに招待されるなんて!しかも王子様からプロポーズを受けちゃったらどうしよう!)
ディアは深呼吸をして扉が開かれるのを待つ。
謁見の間では、王と王子2人が正装で椅子に座って待っていた。普段なら絶対に待つことが無いこの国の王族の、それもトップ3がだ。そんな3人の行動に、相当特別なVIP待遇で迎えられたディア。
「王様、王子様方、リア様がいらっしゃいました。」
「おー!そうか!通せ。」
ゆっくりと扉が左右に開かれる。
「お嬢様、真っ直ぐ前を見据えてお進み下さい。そして中央の丸い絨毯まで進まれましたら、ご挨拶なさって下さい。」
ディアは足早に赤い絨毯を進む。そしてあっという間に定位置に到着し、教えられた淑女の礼をする。
「王様、王子様方にご挨拶申し上げます。」
「「「???」」」
その声やお辞儀の様子を見て3人は複雑な表情になる。顔を上げる許可の声が掛けられない事に、周りのメイドや執事、重鎮達も???となる。
「王様、お声がけを。」
耳元でフレデリックが王を促す。
「あ、ああ、面をあげよ。」
そしてその顔を見て3人は怪訝な顔になる。
「おいフレデッド、こちらの方はお前の趣味か?」
「私では無く王様の趣味ですね。」
「……誰だ?」
「リア様ですよ。」
「「「………。」」」
王はフレデリックに問う。
「ラクア様はどこだ?」
「ラクア様?あれ?いませんね。リア嬢、ラクア様と一緒ではないのですか?」
フレデリックは辺りを見回すと、ディアに問う。
「…。私を選んでくださったのでは無いのですか?」
ディアはフレデリックに問い直すと、王が不思議な顔をしてフレデリックを見る。
「何の話だ?」
「私にも何のことやら。」
「お嬢さん、どうしてこちらへ?」
「だから、リアを迎えに来てそちらの方が私をお見初めになり、こちらにお連れくださったでは無いですか!」
「「「!!」」」
「フレッド、勝手にナンパしてくるな。」
「してません。ルーカスの趣味だろ。」
「彼女は私が迎えたいリアでは無い。失礼だが名前を伺っても?」
「…はい、伯爵家から参りました、ディアでございます。リアとは同僚です。」
「そうか。どうやら手違いがあった様だ。申し訳ないが人違いだ。貴方は明日伯爵家にお送りしよう。」
「えっ!私はリアの代わりに見初められたのでは?」
「そうだな。フレッドに見初められたかも知れぬ。貴方の事はこのフレデリックにお任せ致しましょう。」
「え!!ルーカス_:(´ཀ`」 ∠):」
「私はまだ執務が残っているので失礼する。お嬢さんはパーティーを楽しんでいきなさい。」
「はい、ありがとうございます!」
「私も失礼致します。」
「私も。」
「え?あ、ちょっと!ルーカス!王子様方!お待ちください!!」
フレッドの叫びも虚しく、王子様2人も退室してしまった。罪滅ぼしにフレデリックはディアをエスコートし、ディアは夢の様なパーティーを楽しんだ。ただ、フレデリック様とは進展しなかった。
お読み下りありがとうございます^_^




