王宮での密会
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しばらくするとリアは目を覚ます。
「大丈夫か?リア。」
「また倒れちゃったんだ。はー。でも今回は治療したんじゃ無いのになぁ。」
「ゴリラになってかなり体を酷使したから仕方ないな。」
「そっか。フィナ様は大丈夫だった?」
「あぁ、問題ない。」
コンコンコン。
「失礼します。お食事のご用意ができました。食堂へご案内致します。」
「いや、ここで食べる。」
ラクアが答えるが、マイナスらしく、ラクアの事が見えても聞こえても無い様子に、リアが答える。
「ありがとうございます。でも、こちらで頂いても宜しいでしょうか。」
「王様と王子様方がお呼びでございます。」
断れそうに無いため、リアは使用人について行く。
「お呼び致しました。リア様、こちらへどうぞ。」
使用人は王へ挨拶し、リアを王の隣の先へ案内する。リアは手前で立ち止まりその席をじっと見る。
「リア、どうした?」
「ご冗談が過ぎます。王様の隣に私などが座る権利がありません。王妃様のお席でいらっしゃると存じます。」
「ははは。気にするな。王妃は部屋で食事を摂ると言っておったからな。」
「では、側妃様がお座りになられるのでは?」
「側妃も2人とも既に部屋で食事中なのだ。ここで食事をするのは私と王子たちのみだ。」
「…本来なら私は王族の方々と同じテーブルにつく事は許されないはずです。」
「私が良いと言っている。」
「ですが、お隣の席は流石にご辞退申し上げます。どうかお許し下さい。」
「うーん。では、一つ貸しだよ?ちゃんと返してね。」
王様はイタズラっ子みたいにウィンクして、ミラの手の甲にキスした。その様子をラクアは汚物を見る様な目で見ている。
「ではささやかなお返しをさせていただきます…。」
ミラはわざと「ささやか」を強調して言った。
そこへ王子様2人がやってくる。そして王族の食事に似つかわしく無い人物を見、執事頭が声を荒げてミラをなじる。
「なぜ貴方がこちらにいらっしゃるのですか!ここは王様と王子様のみが食事を許された場所。愚民は立ち入り禁止ですぞ!」
リアは愚民禁制の言葉に驚き、テーブルから離れる。それを見た王は執筆頭を睨む。
「ワトソンよ。余がリアを呼んだのだ。一緒に食事がしたいと思ってな。近い将来、家族になるかも知れない娘ぞ。礼を欠くなよ。」
その言葉に耳を疑ったのは、ワトソンだけではない。
「王様、それは我々のどちらかに娶らせるという事ですか?」
そう声を発したのは第一王子のジェドだ。そこには微かな何かの色が混じるが、アルと王は批判と捉えたようだ。
「そうですよ。我々にも意思があります。いくら呪いの為とは言え、心に決めた方と添い遂げる権利があるはずです!。」
第二王子は反論する。
「成程、そなたらは心に決めた娘がおるのだな。ならばやはり余がもらう事にしよう。」
「ならん!」
大声を出したのはラクアだ。しかも凄い剣幕で、憎悪の念を隠さず放出している。王や王子はその念に身慄いする。さすがは神の怒りと言うべきか。
「ラクア、現実的にあり得ないわ。いくら王族と言っても、今は民主主義で議会は成り立ってるの。平民のましてやΦなんかが王族と婚姻を結ぶ事は出来ないのよ。許されてもメイド止まりよ。それに王子様方の顔を見てください。迷惑極まりないって顔よ。」
その言葉にジェドは表情を直し、第二王子のアルビス(アル)は不愉快さを隠そうともしない。
「王様、ジェラルド様、アルビス様。私は皆様が望むなら持てる全てを捧げたいと思っております。見返りは要りません。お役に立てた事だけで幸せなのです。空気を悪くして申し訳ありませんでした。ラクア、伯爵様のお屋敷へ帰りましょう!」
ラクアは不機嫌そうな顔をしているが、リアの笑顔に何も言えず空間魔法を使おうとした。
「お待ちください!」
そこにジェドが声を掛ける。リアとラクアは振り返る。
「私は貴方と結婚出来るなら、嬉しいですよ。」
ミラはその言葉をリップサービスと受け取り、大きなため息を吐いてしまった。
「…分かりました。少ししかお力になれませんが。」
そう言ってリアは3人に手をかざす。光が3人を包み痛みを緩和する。そのリップサービスを呪いへの干渉の対価と捉える。
「では、失礼致します。」
そう言ってリアとラクアは消えた。
(私は決してそんなつもりでは!)
ジェドは苦虫を噛み砕いた様に歯を食いしばった。




