王とラクアの思惑
「王より、神殿で御休養いただけとの指示を頂きました。ご案内致します。」
フィナがラクアに伝える。
「結構だ。このまま家に帰る。」
「このままでは、伯爵ご夫妻がご心配されるのでは?」
「それはあるが…。私はお前も含め王族を信用していない。」
(では先ほどの話は何故…?)
「リアがお前は信用に足ると判断したからだ。」
「!!心が詠めるのですか?」
「私は神だ。リアの意識が無い時は、人間の思考を詠むなど手に取るより容易い。逆に言えば心の清い者も分かる。お前の心は清らかでは無い。だが、信用におけるかどうかは、心の清らかさに比例しない。そこは人間同士の方が感じ合えるのだろう。リアは何故か最初からお前を感じが良いと思った様だ。だから私もお前を信じる事にした。」
フィナは王とエイハがいない事を確認し、ラクアに再度膝をつく。
「ラクア様、貴方様とリア様に忠誠を誓います。」
「そんな事せずとも分かっている。王に気取られるなよ。」
「はい。」
***
リアは案内された王城内の神殿で寝ている。そこへそっと部屋へ入って来る者がいる。
「人目を忍んで女の寝ている部屋に来るとは、さすがは恥知らずだけはあるな、人間の王よ。」
「恥知らずとは、どう言う意味でしょうか。」
「正妃に側室も2人。妻はもう充分であろう。老体に鞭打つと良い事は無いぞ。」
「私は欲しい物を手に入れるのに、手段は選ばないのですよ。」
「欲しいと言っても、リアはお前の好みと外れていよう。それ以上近づくと良い事は無いぞ。」
「…。」
「リアの純潔を奪うつもりか。手付きにして無理矢理側室にでもするか。」
「無理矢理とは言い掛かりですよ。私を嫌う者など、この国にはおりません。」
「傲慢だな。残念だが自由に動けるのもそろそろ終わる。早く部屋に戻るんだな。」
「…。(確かに体が最初よりも重くなってきている。)今日は引きましょう。しかし、リアは私の手の中に自ら来る事でしょう。」
王が去る。その後ろ姿を怪訝な表情で睨むラクア。
(リアを護る為に、もっと力が必要だ。本契約してしまえば簡単だが…。)




