一体何が起きている?
酷い目にあった。
どういうことだ!!
伊達様が何故お前みたいなやつに!!
伊達様とは伊達さんのことだ。昼休みは伊達さんが俺にチョコレートを渡したことによって、嫉妬した男子が俺に突っかかってきたおかげで昼食抜きで、5時限目の授業に突入した。
しかし、なぜこんなことが起きた?ひょっとしてテレビ番組のドッキリ?ということはどこかにカメラがあるのでは、と思わずきょろきょろした先には、殺気立った目つきで俺を睨んでいる男子たちの姿あった。
更に、さっき俺にいたずらをしてきた冬木さんと目が合うとフン!!と目をそらす始末。そうだろう彼女としては、いたずらした相手が自分よりも高ランクの女の子からチョコレートをもらうなんて思ってもみなかったのだから機嫌が悪いのだろう。
しかし、なぜこんなことが起きたんだ?伊達さんと俺との接点はない。
全くない。
ありえない。
そもそもハヤトとその彼女以外の友人はいないのだ。
ボッチの俺にありえない事態が起きている。
それは、高校生活第一日目まで話は遡る。
青秀館高校、登校初日は無事に終了、ただ俺が知っている奴はこのクラスにはいなかった。だから、初日から友達はできなかった。しかし、事件はこの後に起きた。
帰宅途中、青信号の横断歩道をあるいている女子中学生に車が突っ込んできたのを見て俺はあぶない!!と飛び出して、とっさに彼女を突き飛ばした。そこまでしか記憶がない。
気が付くと見慣れない天井、カーテンに仕切られたベットの上で、いろんな機械がぴーぴーと音を立てていて、鼻と口を覆うようにプラスチックのマスクがかけられ、ずっと空気が押し込まれてきていた。
すると看護師がきづいたのか
「センセー!!気づきました」
俺は女の子と庇って事故にあったのだった。数日後、かわいい女の子がやってきて
「ありがとうございました」
そう言って、しばらくじっと俺のことを見ていたのを記憶している。二言三言、あいさつ程度の話はしたのだが、俺は直ぐに休んでしまったので、気が付くと彼女は既にいなかった。
この事故のせいで俺は、1学期の大半を入院生活で終えることになり、現在のボッチ生活に至った。特にひどかったのは、俺が学校に復帰した日に担任は何も言うことなく、スルーしてしまったのだ。
俺はというとこの後が地獄だった。補習授業が毎日行われて上、夏休み前半まで補習は続いたのだった。そして、ようやく普通の学生生活ができるようになったのは2学期、つまり、友達関係などは既に出来上がっていて、入り込む隙間すらない状態だ。
そんな俺に何故伊達さんがチョコレートをプレゼントしたのか、その行動が全く理解ができないでいると5時限目が終わった。
その途端、また、男子たちが俺のところにやって来たのだが、俺はさっき食べることができなかった弁当を机の上に置いた途端、そいつは、弁当をバンと机から叩き落とした。
「聞いてんのか?ああ!!」
俺は無言で立ち上がると
「な…なんだ?やる気か?!!うわ?」
そいつは前のめりに倒れたのだった。そして、その後ろには伊達さんが立っていたのだった。再び伊達さんがクラスにやってきて、やばいと思った男子たちが逃げ場所を失って、俺に喧嘩を吹っかけてきていたモブ男子を押し倒したのだった。
「騒がしいと思ってらみっともない人たちね」
伊達様と言われるくらいのことはあり、何という迫力、そんな彼女にズバリ切られた男子たちは静かに自分の場所へ戻っていったのだった。そして、床に置いている弁当を拾って、手渡してくれた伊達さんが
「私のせいでこうなって申し訳ございません。それとお話がありますので、放課後一緒に来ていただけないでしょうか」
伊達さんは再び爆弾を落として教室を去っていったのだった。
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