[1-2]友達……従兄弟
「咲翔、お前はどこにいたんだ? それに結婚まで……」
お父さんたちと再開した僕は、そうそうこの話になった。
「……お父さん、これから話すことは他言無用でお願いします」
お父さんたちは了承して、僕は話しだす。
「9年前のあの日、僕は龍に助けられました」
「……えっ!?」
「そして、怪我の治療してくたのが、僕の奥さんなんです」
「そ、それは本当なの? お兄さん、龍は5000年前に絶滅したんじゃ……」
「龍たちは生きていますよ。5000年前、地上をかけて人間と争ったが、龍は空に島を作ってそこに住むようにしたんです。証拠に……」
そう言うと、冴白さんは翼を生やした。龍族は人間の姿になることができて、龍状態と戦闘力は変わらない。そのため、浮龍島では楽と言う理由で人の姿で生活している龍の方々が多いです。
「りゅ、りゅ、龍が存在して……いたとは」
「お、お父さん大丈夫!?」
お父さんは龍が存在していると知ったら腰が外れてしまったようだ……
「あ、いててて……まさか龍が本当に存在しているとは、それで咲翔、龍の方々に助けてもらってから空で暮らしていたのか?」
「そうなります。子供も二人授かって……あっ、紹介してませんでした。僕たちの子供の白と空です。ほら、二人ともおじいちゃんに挨拶しなさい」
「はい!」
二人は揃えて返事をして、白からお父さんに挨拶した。
「おじいちゃん、白と言います。7歳です。世界一好きなのは弟の空で、次に好きなのがケーキです。これからよろしくお願いします。おじいちゃん」
「おお、そうか、白ちゃんか。弟思いのいいお姉ちゃんなんだね」
そうしてお父さんは、白の頭ををなでる。白はとても嬉しそうだ。
「お父さんは、孫が出来ると可愛がるタイプなんだよ」
すると弟の春人が僕にそう言ったのを聞いて、
「えっ、それって……お前にも子供がいるのか?」
「ふふ、そうなんだよ、お兄さん。僕にも子どもがいるんだよ」
春人は自慢げにそう答えた。
「そうか、お前も結婚して子供もいるなんて……」
「それを言うならお兄さんこそ、帰ってきたら結婚していて子供もいるなんて僕もびっくりだよ」
確かにびっくりするだろうけど……まさかあの春人が結婚しているなんて……子供の頃を思い出すなー
「お兄さん、僕の子供のころ思い出しているんじゃないですよね? あれは、僕のコンプレックスなんですよ」
「うっ、まさかコンプレックスだったとは、春人に悪いことしたな」
そんな中、僕が弟の結婚のことに浸っていると、
「あの……おじいちゃん。僕のこと忘れてない?」
空がお父さんに声を掛けた。
「おお、ごめんな、空くん。おじいちゃんに空くんのことを教えてくれないかな?」
「はい、名前は空と言います。年齢はお姉ちゃんと同じ7歳で僕は、本が好きです。でも、お姉ちゃんは世界一好きです。あっ、あとお父さんとお母さんも世界一好きです。これからよろしくお願いします。おじいちゃん」
「おお、そうか、空くんはお姉ちゃん思いでいい子だね」
そして、白同様にお父さんは、空の頭を撫でる。空も嬉しそうに笑っていた。
「お父さん、僕たちのころに比べて甘やかしすぎないかな?」
僕はそう思いながら、僕たちが子供の頃を思い出す。あれは結構、鬼教育だったな……
「しょうがないよお兄さん。子供と孫では別の可愛さがあるんだよきっと」
そこで春人は思い出したかのように
「お兄さん、ぼくの子どもたちを連れて来ますね。言い忘れたんですけど、白ちゃんと空くんと同じ7歳なんですよ二人とも」
そうして、春人は応接間を出て行ってしまった。
……それから10分ぐらい経って春人は二人の子供も一緒に連れて戻ってきた。
「お待たせしました。お兄さん。息子の春季と、娘の桜です。ほら、僕のお兄さんに挨拶しなさい」
「こんにちは、弟の春季です……姉の桜です」
「こんにちは、お父さんの兄の咲翔です。お父さんはいつもどんな感じかな?」
「――とっても優しいお父さんです」
二人は声を揃えて言った。それが僕の子どもたちと重なって聞こえたのは気のせいだろうか?
「そうか、それはよかった。あと僕の子どもたちも同い年だから一緒に遊んでおいで」
「はい! 行こうお姉ちゃん」
そうして、春季くんは行ってしまった。桜ちゃんは僕にお辞儀をして、あとを追いかけた。
そして、4人の様子を見ると仲良くしているようだ。
地上に来て、白と空の初めての友達、いや従兄弟と言うべきなのか……でも、二人の楽しそうな顔がお見れてよかったと思うのであった。