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[1-1]再会

「わー! やっぱりお母さんは空飛ぶの早いね。空もそう思うでしょ?」


「うん! すごい速い」


「ふふっ、これでもかなりスピードは落としているのよ」


「二人とも、お母さんは龍の中でも一位を争うぐらい空を飛ぶのが早くて、本気を出したら今の3倍ぐらいのスピードが出るんだよ」


「そうなの! お母さんはやっぱりすごいね!」


 白と空は声を揃えて称賛すると、

 

「ありがとう、みんな。私は嬉しいよ」


 冴白(こはく)さんは、嬉しそうにそう答えた。


 僕たち家族は今、地上へ向かっている最中で、理由を言うと僕が、春暁という国の王子であることを最近明かしたことで家族のみんなが僕のお父さんたちに挨拶しに行こうとなったのです。


 ……僕は9年前、当時17歳だった僕は飛行機で隣国の春草へ向かっている最中、ファイヤーバードの群れに攻撃された。

 なんとか従者たちを緊急離脱させたが、ファイヤーバードの炎を守るために結界魔法を使い過ぎて、僕は魔力切れになったが龍たちの住む、浮龍島が真下にあり、一命を取り留めた。

 その時に看病をしてくれたのが僕の妻、冴白(こはく)さんだ。

 そして、僕たちはそれから色々あったけれど、結婚して二人の子供に恵まれました。

 

 娘の(はく)は、冴白さんの白という字を一文字もらって付けた名前で、弟の(そら)は生まれた時、満天の青空が広がっていたから空と名付けました。


 白は、元気で何事にも興味津々でなおかつ、負けず嫌いな子です。そして、弟の空には極度のブラコンですが、頼れるお姉ちゃんです。

 空はかなり人見知りだけど、人一倍の努力家で、何事にも、諦めない子です。空も極度なシスコンで、いつも二人は一緒にいます。

 まぁ、白は冴白さんに似ていると言われて、空は僕に似ていると言われます。


「そろそろ着くわよ」

 

 冴白さんの声が聞こえて、僕は……目を開く。どうやら寝ていたようだ。

 そして、この目に写る光景は、9年前と変わらなかった。


「いい、白、空、地上では私たちが龍族ということを喋ってはいけないわ」


 冴白さんは子どもたちにそう言って、


「これは、お父さんとお母さんとの約束。ちゃんと守れる?」


「うん、わかった。約束するよ」


「はい、約束は守ります」


「よろしい。じゃあ行くよ!」


 そうして、僕たち家族は春暁の王宮に入って行った。


「すんなり入れちゃったけど、お手紙とか送ったの?」


 僕たちは、応接間に通されてから白が聞いてきたので、


「そうだよ。まぁ今日、王宮へ行くってだけ伝えたんだけどね」


「なんでそれだけなの?」


 今度は空が聞いてきたので、


「一つが僕たちの事情や秘密を書くと誰かが読んだりするかもしれないから、あとは……ちゃんと会って話したいということかな」


「……うん、わかった」 


「あっ、話すと言っても、僕のお父さんや弟には秘密を言うつもりだよ」


 とその時だった。


「咲翔……咲翔なのか?」


 僕は後ろを振り向き、


「はい、正真正銘、咲翔(さくと)です。ただ今帰りました」


 すると――


「咲翔……」


「お兄さん……」


 僕のお父さんと弟の春人が駆け寄ってきた。


「よかった……お前が生きていて」


「ホントだよお兄さん、どれだけ心配したと……」


「ごめんなさい。本当はもっと早く帰るべきだったけれど……」


「いいや、謝るな。ワシ達は嬉しいんだ。お前が帰ってきたことが」


「はい」


 そうして僕は、本当に実家へ帰ってきたと思うのだった。

 本作を読んでいただきありがとうございます。2作品目の投稿ですが、しばらく本作の続きを投稿したら、1作品目の「氷血の魔法使い」と交互に投稿していこうと思います。

 まだまだ作品作りは下手ですが、面白ければブックマーク、☆の評価お願いします。

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