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呪われたエルフの女

俺は正直に言うと後悔している。

言い寄られた女たちにカッコをつけて告白を尽く断った。

いやプライドなのか。


1週間経ったが誰一人ともあれ以来告白が無い。

いや正確に言うとあった!

ゲイの5人組に言い寄られたというか襲われた!


「コウキさまぁぁぁぁ❤️」

「コウキ様のその硬い胸板に飛び込みたいですぅぅぅ❤️」

いやぁぁぁぁぁぁ


これでは掘られるまずいやばい終わる終わる!

魔法使いを卒業する前にヴァージンが無くなる!

これは緊急事態すぎる悪魔と戦うより恐ろしい!


ルシ!

あれ使え!あれ!

『あれ?良いじゃん。生前よりほら若い人と添い遂げられるし。」


いやぁぁぁぁ!

俺は可愛い男の娘なら良いけど、違うこいつらは違う!

俺よりデカい、ガチムチ、なんて筋肉が硬いんだ!


「コウキサマァァァ❤️硬いだなんてハレンチ!」

早くしろルシ!

『わかったよ。』


と俺はルシの力で俺を狙う獰猛な獣たちから逃げた。


後でアルフから聞いたが、この村ではフラれたり、嫌だと言われたらそれ以上は求めてはいけないというルールがあるそう。

まあトラブルを回避する為らしい。

なんて事してしまったのだろうか。


村のみんなの前で女性たちの告白を断った俺はゲイだという噂が広まってしまったらしい。

ルシは毎日笑っている。


とはいえ悪魔退治したおかげで、村の人たちから悪魔退治を任されることとなる。

ルシの力のおかげで、悪魔を容易く倒せるし、みんなから感謝されるのは悪くない。

それにルシの力を使い慣れて来たのか力を使っても吐かなくなった。


というよりゲイ軍団から逃げ回るのが必死で、悪魔よりも獰猛な危険な生き物たちから逃げるために力を付けたというべきだろう。

村の人たちからはまるでそういうプレイを楽しんでいると思われていたらしい。

ゲイたちから逃げるプレイを楽しんでいるように見えるのか?

おかしいおかしいぞ実におかしいぞ。


この技は芸逃光閃と名付けよう。

ゲイたちから逃げる為の技だ。


いつものように悪魔退治を周辺でやっていた日のことだ。

人間が悪魔に襲われている!

いやあれはそう異世界で俺は心の底で現れて欲しいと願っていたエルフだ!

しかも女!


ルシ!

行くぞ速攻で片をつける!

芸逃光閃!


俺はいつも以上の力を出して悪魔たちを討滅した!

「大丈夫かい?」

俺はエルフの女をお姫様抱っこしている。


ここで俺は感謝され、初めての営みをエルフとするのだ!

だがそのエルフの女はかなり苦しそうだった。

体の半分に黒い斑点のようなものに蝕まれていた。


これは何だ?

『どうやら呪術系の魔法だね。』

何とかならないのか俺の初体験のために!

『初?まあやってみるよ。』


とルシは彼女にヒールの魔法を施す。

『うーん。ダメだ。』

『怪我の治療とか軽い呪いなら消せるけど、結構協力だね。』


どうすれば良いんだ?

『聖水があれば呪いは消せると思うよ。』

『とりあえず呪いは少し進行を和らげたから一回村に戻ろう。』


俺はルシの言うことに従い、彼女を担いで村に戻った。

アルフの家に到着して、彼女を横に寝かす。

「兄ちゃん。あんたエルフなんて珍しいものを。」


「悪魔たちに襲われていた。アルフ、聖水はあるか?」


アルフは驚いたように話す。

「聖水はここには無い。街の教会に行けばある。」

「だが行って戻ってくる頃にはこのエルフが体が持つかどうかだ。」

「それにもう夜だ。悪魔の活動も盛んになる。」


『それは僕も同感だね。相当な呪いの魔法だ。』

おいルシ!

お前は呪いの進化を抑えられるんだな。


なら腹は決まった。

この子を担いで、街まで俺とお前で行く。

『なっ!いくらなんでもそうしたら僕の魔力が底をつくよ。』

僕の初体験を邪魔する気か!

『わかったよ。君は本当に傲慢だね。』


「アルフ。悪いが俺はこの子を連れて街に行く。」

「兄ちゃん。やっぱりあんたゲイなんだな。」

何でそうなる!

こんな可愛いエルフの女が今にも死にそうなんだぞ!

男なら助けるだろう!


「まあ兄ちゃんがそうしたいなら俺は止めない。村の周りも兄ちゃんが悪魔を毎日狩ってくれたからほとんど見なくなった。感謝しているよ。」

「だがな、1つ忠告しておく。俺は街の人間だったからな。この世界での街ってのは欲の塊なんだ。人が多くなればなるほどその欲は大きくなる。」

アルフからは相手が人間であろうが容赦するなと言われた。

自分に身の危険を感じたら相手を殺せと。

悪魔を容易く退治できる俺に何という忠告。


「兄ちゃんは強いのはわかるが、優しすぎる。だから心配なんだよ。」

「街で生きるなら優しさは不要だ。」

「家族でさえも油断ならない。人の欲とはそんな簡単に抑えられないんだよ。」


俺はその警告に空返事をして、エルフの女を担ぎ闇夜を駆け出した。

早く早く街に着かなくては!

俺は走った。


ゲイたちから逃げる毎日で鍛え上げられたこの脚力は伊達じゃない。

悪魔たちも立ちはだかる。

俺は次から次へと悪魔たちをバッサバッサと斬り捨てる。


するとそこに大きなクマの悪魔が現れた。

俺はエルフの女を地面にそっと置いて、クマの注意を引いた。

「こりゃデカいな!先を急いでいるもんでね。」

悪いけど押し通らせてもらう。


クマは大きな鉤爪で俺を襲って来る。

「芸逃光閃!」

一瞬で俺はクマの視界から消えて、全身を斬る。


しかしクマの皮膚は硬く、刃が通らない。

「クソが硬すぎだろ!」

『あいつには刃が通らないみたいだね。』

「どうすらいい?」


ルシは悩んでいる。

『少し時間をくれないか?力を溜める。』

「わかったよ。あのゲイ軍団から逃げた俺の逃走力を舐めるな!」


クマはコソコソ逃げ回る俺を見て、必死で爪を振り下ろす!

俺はあの逃走生活の経験あってか簡単に逃げ回る。

クマは段々と怒りが浸透してきた!


クマは口を上空に上げると唸り声を上げた。

すると口に黒い蒸気が集まって来る。

絶対何がやばい、あれはゴジラ定番の口からビーム撃つ奴だ!


「ルシ!まだか!ビームはいくら俺の逃走力があっても避けられない!」

『OKお待たせ!合図をしたら剣を目の前で十字に斬るんだ!』

「ルシ!お前を信じる。」


剣に光の粒子みたいなのが集まっている。

体が凄い熱い!

耐えろ俺!


『今だよ!』

「おりゃー!」

俺は剣を十字に斬った!

その瞬間クマも口からビームを撃つ!


十字形のビームが俺の剣から発射される!

クマのビームとお互いに交わる!

凄まじい衝突音と光が辺りに照らされる。


眩しすぎて俺は目を閉じてしまった。

明かりが収まるとクマが消滅していた!

「凄いぞルシ!今のはカッコいい!」

『そうでしょう!まあ結構魔力使ったから休ませて!』


ルシはそのまま眠そうに俺の中に戻る!

あの技は十文字斬りとかにしよう!

そうしよう!


エルフの女を再び担ぐ、さあ街に急がなくては。

すると日の出が射した。

そろそろ日の出だから悪魔の活動も弱くなる。

よしこのまま街まで超特急だ。


するとエルフの女が目を覚ました。

小声で話し始める。

「助けてくれてありがとう。」


俺の聞き間違いだろうか?

エルフ女の声が少し野太かった気がした。

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