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ヨンコイチ

作者: 上州みかん

鯨ヶ丘高等学校

とある港町にある公立高校。普通科と美術科がある。1組から6組までが普通科、7組と8組が美術科のクラス。高台の上に建っているため校門前の坂がキツいが、校舎から見下ろす海は絶景。ボート部と演劇部が強豪で有名。自由な校風で私服登校可(式典の時は制服)。しかしみんな面倒くさがって結局制服で登校する。モノトーンのセーラー服がかわいいと評判。美術科は比較的私服の生徒が多いらしい。上履きはラインの色が学年ごとに決まっていて、今の世代は1年が緑、2年が青、3年が赤。


伸城新太(しんじょう あらた)   …2年3組。陸上部でハードル走をしている。顔も勉強も運動も至って平凡な人間。

あだ名は「シンシン」。

船越太郎(ふなごし たろう)   …2年3組。成績学年トップの秀才。穏やかで人望があり、くじ運がメチャクチャ良い。多分前世は徳の高い僧侶。あだ名は「タロさん」。


冷泉院彰嘉(れいぜいいん あきよし)  …2年3組。先祖がやんごとなき方々だとかそうじゃないとか。背が高い。無口だがノリは悪くない。あだ名は「アッキー」。


佐藤凛空(さとう りんく)   …2年3組。お調子者。勉強は苦手だが運動神経が良く、中学まで続けていた剣道はかなりの腕前。あだ名はなく名字で呼ばれている。


赤城倫敏(あかぎ みちとし)   …2年3組の担任。担当は日本史。死んだ魚の目をしたニコチン中毒の32歳。「みっちゃん」と凛空が呼び始めてから女子生徒にまでそう呼ばれ始めた。女子には怒鳴らないらしい。


佐藤雫(さとう しずく)    …2年8組。美術科ながら演劇部にも所属している。クラスメイトがそうしているように私服で登校していたのが、部の先輩から「生意気」と言われ、部内でいじめを受けていた。









2年3組の教室。昼休みの始まりを知らせるチャイムが鳴り響き、気の早い生徒たちは教科書やノートを閉じ初め他の生徒とお喋りを始める。


赤城「じゃあ今日はここまで。期末テストも近いから課題は出さないが、各自しっかりと勉強しておくように。赤点取った奴には夏休みないからなー」


教室のいたるところから上がる悲鳴やブーイング。


赤城「赤点取らなきゃいいんだろうが。それじゃ、午後の授業も頑張れよー」


あくびをしながら教室を出ていく赤城。

扉が閉じきると、窓際の一番後ろの席で突っ伏して寝ていた新太のつむじを前の席の凛空がシャーペンでつつく。


新太「いっ…!? おい佐藤、シャーペンはやめろシャーペンは」

凛空「怒んないでよ、シンシン。せっかく起こしてあげたのにさー」

新太「いや起こすならせめて授業中にしろ」


新太の隣の席の太郎が苦笑いを浮かべ、教科書とノートを机にしまいながら会話に参加する。


太郎「シンシンも授業中に寝ないようにしなきゃ。いつ先生にさされるかと思ってひやひやしちゃったよ」

新太「いや、最近部活が休みの期間になったからさ、夜中までネトゲしちゃって、寝不足で」

凛空「勉強しなよシンシン~」

新太「そういう佐藤はしてんのかよ、勉強」

凛空「YouTube見てる!」

太郎「二人とも……今日の放課後はどこかで集まって一緒に勉強しようか」

新太「神様!」

凛空「仏様!」

新太&凛空「タロさん様!」


太郎に向かって手を合わせ頭を下げる新太と凛空。それを見て苦笑いを浮かべる太郎。


太郎「でも今日は妹が友達連れてくるらしくて僕の家は使えないんだ」

凛空「ファミレスは? 駅前の!」

新太「あそこはだめ。この前行った時『勉強禁止』って張り紙してあった」

凛空「えー!マジか」

彰嘉「うちで良ければ大丈夫だぞ」


それまで凛空の前の席で黙って話を聞くだけだった彰嘉が口を開く。その言葉に三人とも目を見開く。新太が窓の外を指さして恐る恐る言った。


新太「あ、アッキーの家って……あそこに見える、どう見ても敷地面積がバグってるめっちゃでかいお屋敷……だよな?」

凛空「白い塀に囲まれてる、あの」

太郎「だ、大丈夫なのか? その、親御さんに許可とか……」

彰嘉「父も母も、ぜひ三人を連れてくるようにと言っていた」

凛空「マジで?! オレ実はずっとアッキーの家の中入ってみたかったんだー!」

新太「庭に池があって鯉が泳いでて、しかも鹿威しもあるんだろ?! あと蔵! 俺蔵見たい」

彰嘉「かまわないが、シンシンの興味を引くようなものはないと思うぞ」

太郎「ふ、二人とも、本来の目的を忘れないでね?あとあんまり騒いで家の人に迷惑がかからないように…」


彰嘉は無言でどこか満足げにほくそ笑む。

それから思い出したと言わんばかりに控えめに口を開いた。


彰嘉「ところで、朝に赤城先生が「美化委員は昼休み校庭に来るよう」、にと言っていたが…」

太郎「あ」

新太「あ」

凛空「あ」



場面は校庭。掃除用具が入った物置の前。

体操着に着替えた四人と赤城が向かい合っている。


赤城「遅い」

凛空「みっちゃん厳しー! 昼ご飯爆速でかき込んで着替えて走って来たんだよ? 次の授業次体育だからいいけどさ」

赤城「佐藤、ちゃんと赤城先生と呼べ」

凛空「じゃあみっちゃんも俺のこと凛空ってよんでよー。あのクラスだけでも佐藤3人もいるじゃん!」

赤城「いいかー、今からお前たちにはこの不要になった掃除用具をゴミ捨て場に運んでもらう」

凛空「無視!」

太郎「まあまあ、落ち着いて佐藤。先生、この古くなった箒や塵取りをゴミステーションの方に持っていけばいいんですね?」


太郎が物置の横に積み上げられた箒や塵取りなどを指さして言うと、赤城が頷く。


赤城「そうだ。4人で手分けすればすぐ終わるだろ」

新太「っていうか、美化委員って俺ら以外にもいますよね? 他のクラスの奴とか…何で俺らだけ?」

凛空「そーだそーだ! っていうか、前から思ってたけどみっちゃん美化委員担当ってキャラじゃなくない?」

赤城「若者は立場が上の教員が決めた事に逆らえねーんだよ」


赤城の言葉に、新太たちがわざとらしくひそひそ話を始める。


新太「赤城先生の年齢って…」

彰嘉「今年で32歳」

凛空「若くないじゃん! オジサンじゃん!」

赤城「……お前ら、今の自分の言葉は未来の自分の首を絞めるからな」


赤城に軽口を叩く三人の意識を逸らすべく、慌てて太郎が口を開く。


太郎「と、とりあえず仕事内容はわかりました! 片づけておきますね」

赤城「おー、頼んだ。……それにしても、お前らはおかしな組み合わせだよな。共通点なんてなさそうなわりに四六時中つるんで」

新太「確かに。学年トップの成績のタロさんと赤点常習者の佐藤が仲いいとか普通思いませんよね」

凛空「はー?! シンシンだって中間の数学赤点だったじゃん!」

新太「あれはたまたま。俺はいつも平均点とれてるんですー」

彰嘉「平均点が発表されるのより、シンシンの点数を見たほうが早い。……中間の時は平均点が赤点なのかと驚いた」

赤城「……ま、仲がいいのは良いこった。それじゃあ頼んだぞ」

太郎「任せてください」

赤城「佐藤、日本史で赤点とるなよ」

凛空「みっちゃん佐藤って呼ばないでってばー! あと日本史赤点回避は無理です!」

赤城「死に物狂いで回避しろ。呼び方に関しては伸城たちも佐藤って呼んでるだろうが。あとみっちゃんと呼ぶな赤城先生と呼べ」


そう言って校舎とは反対方向に歩いていく赤城。その後ろ姿を見届け、掃除用具を担ぎ始める四人。


新太「赤城、絶対喫煙所に直行じゃん」

太郎「先生ちゃんとお昼ご飯食べる時間あるのかな?」

彰嘉「…これは余談だが、赤城先生はいつも昼食に菓子パンを食べている」

太郎「え、そうなの?」

彰嘉「ああ。頼まれて日本史で使った教材を片付けに社会科準備室に行くと、だいたいそこでヤマザキの薄皮いちごジャムパンを食べている」

新太「いちごジャムパンて! 似合わねー!」


笑う新太の横で、凛空が割れたプラスチック製の落ち葉用塵取りを握りしめ俯き、思いつめたように低く呟く。


凛空「……そうだよ」

太郎「? ど、どうかしたの、佐藤」

新太「弁当腐ってたりでもしたのか? 佐藤」

彰嘉「一番近い手洗いは一階の東側だ、佐藤」


俯いていた凛空が顔を上げ叫ぶ。


凛空「みっちゃんの言う通り、みんななんでオレの事「リンク」って呼んでくれないんだよー!!」


喚く凛空を前に、三人が顔を見合わせる。


新太「なんでって言われても…

なあアッキー」

彰嘉「佐藤は佐藤だ。なあタロさん」

太郎「え! い、いや……まあもう慣れちゃったからねえ」

凛空「慣れちゃったって……オレが最初に「リンクって呼んでね☆」って言った時みんなが呼んでくれなかったからじゃん!」

新太「いやいきなり呼び捨てはちょっと…」

彰嘉「呼び捨てと言うものに慣れおらず、気恥ずかしさが勝った」

太郎「むしろ俺たちのあだ名が定着したのも、佐藤が懲りずに呼び続けた努力の成果だもんね」


太郎が困ったように笑って掃除用具を担ぎ歩き始め、他三人がその後に続く。


新太「いやぁ、最初の美化委員の活動の時、「佐藤があの冷泉院に向かって『アッキーって呼んでいい?』とか言った!」って謎にビビったわ」

彰嘉「確かに俺は家のことで何かと距離を取られがちだからな。俺自身も突然のことで驚いた」

太郎「僕、シンシンってあだ名の由来覚えてるよ。佐藤ったら、「君の名前『しんじょう しんた』なの!? マジ!? シンシンじゃん!」ってすごく驚いててさあ」

新太「そうだったそうだった! そんなわけあるかよ、ってオレ初っ端からめっちゃキレた記憶あるもん」

太郎「でもおかげでアッキーやシンシン、佐藤ともこうして仲良くなれたから嬉しいよ」


まんざらでもないのを隠すように、凛空が無理に眉を寄せ、ぼそりと呟く。


凛空「……なんか良い話っぽくしてやり過ごそうとしてない?」


三人が凛空から目を逸らす。


凛空「なんでだよー! 名前呼びがそんなに嫌かよー! 他の佐藤と混ざるでしょうがよー! 3人いるんだよ、3人!」

新太「俺他の二人は名前呼びしてるし、混ざんない混ざんない」

凛空「ほんと何でだよ!!」


ゴミステーションに到着する4人。すると燃えるゴミの収集場の前で一人の制服を着た女子生徒が暗い表情尾でゴミ袋を漁っていた。騒いでいた凛空も思わず口を閉じる。

凛空が小声で話し出す。


凛空「え、なに、何事?」

彰嘉「わからない。が、ただ事ではないだろうな」

太郎「うーん、どこかで顔を見たことある気がするんだけど……」

新太「…………佐藤」

凛空「え? 呼んだ?」

新太「いやお前じゃなくて……佐藤雫、さんだよ、あの子。みんなも絶対顔見たことあるって」


話しているうちに徐々にテンションが上がり、声が大きくなっていく新太。


新太「去年から演劇部で主演やったりしてるから。ほら、この間の朝礼でも、地区大会で主演女優賞取って、部とはまた別に表彰されてたし!」


新太の声に気づき、目を見開いて4人の方を見上げる雫。その目は赤く腫れ、頬には涙の跡がついていた。

雫は慌てて漁っていたゴミ袋の口を縛りなおし、片手で顔をぬぐうように隠して立ち上がってその場から離れようとした。それを太郎が心配そうに呼び止める。


太郎「あ、あの! ……大丈夫?」


動きを止め、少し俯いてから無理に笑顔を作り四人の方に顔を向ける。


雫 「へーき。間違ってゴミ箱に入れちゃったかな、と思って探しに来たんだけど、私の勘違いだったのかも」


そのまま立ち去ろうとした雫を、今度は新太が震える声で引き留める。


新太「手伝う、よ。探すの。たぶん大事な物なんでしょ…?」


新太が手に持っていた箒や塵取りを雫に掲げて見せる。


新太「コレここに運んだらお役御免だからさ、授業まで時間あるんだ」


雫は何と返答するか迷っているように視線をさ迷わせる。見かねた凛空が助け舟を出した。


凛空「手分けして探せばすぐ見つかるよ! 探してるものの特徴、教えて?」


雫はすこし考えて、それから躊躇いがちに口を開いた。


雫「キ、キーホルダー。……名前が書いてあるボードを抱えた、水色のクマがついてる。……『ゆか』って書いてあるの」


太郎は雫が漁っていた袋の結び目を解きなが ら優しく雫に問いかける。


太郎「了解。可能性があるのはこの袋だけ?」


この時四人は雫がそのキーホルダーを他の誰かに故意に捨てられた可能性が高いと察していたが、そんなことは口にはしない。ただ一人新太だけはそわそわとどこか落ち着かず、顔に「心配」という感情が出ている。


雫「……わかんないんだ、どのゴミ袋なのか。ごめん」

彰嘉「なら、なおさら人手が必要だな」


彰嘉が美しい所作で膝をつき、近くのごみ袋に手を伸ばす。それに続いて凛空や新太も積んであるゴミ袋を手に取った。

雫も慌ててゴミ袋に手を伸ばす。


凛空「無言っていうのもアレだから聞いちゃうけど、雫ちゃんなのにどうしてクマに書いてある名前は『ゆか』なの? あ、なんでオレが名前知ってるかって言うとコイツが雫さんのファンみたいでさー顔見てすぐ気づいたんだよ」


凛空が新太の顔を指さす。新太はぎょっとして口をパクパクと開閉し、何かを言いたげにするも凛空が話し続けるので黙ってゴミ袋の中に視線を戻した。


凛空「雫さん演劇部で主演なんだって? うちの演劇部、かなり部員も多いのにすごいよね。春にあった定期公演はオレも見に行ったから、雫さんの演技見たことあると思う。あの時2個劇やったじゃん? 特に最後の方、めちゃくちゃ感動したんだよね! 主人公の魔女が死んじゃうところでオレうっかり泣いちゃいそうになってさー」


凛空の必殺マシンガントークが始まったが、この状況ではその空気が読めているような、読めていないようなテンションがありがたいな、と他の3人は思った。雫は少し戸惑いつつも凛空の言葉に返事をする。


雫「えっと、とりあえず公演を見に来てくれてありがとう。話に出た魔女は私が演じていた役だから、嬉しい」

凛空「やっぱり! アレすげー良かった!」

太郎「僕も見たけど、序盤の怒ってる演技も迫力があってすごかったよ!」


2人があんまり無邪気に褒め称えるので、雫は恥ずかしそうにはにかんだ。


雫「ありがと。……クマに書いてある名前がユカなのは、もともと友達の物だったから」


5人分のビニール袋をかき分ける音がガサガサと響く中でも、雫の声はよくとおる。


雫「私、子供の頃から市の劇団で活動してて。周りは私よりも年上の人ばかりだったんだけど、そのユカって子が劇団で初めてできた同い年の友達だったんだ」


徐々に表情が柔らかくなる雫。


雫「キーホルダーは、初めて2人で同じ劇に出ることが決まった時に買ったの。おそろいで、私のクマは黄色だった。失敗しないようにお守りにしよう、って。……高校に上がる時、ユカ、親の都合で引っ越しちゃってさ。「私のこと忘れないでね」って、このクマ交換したんだ。……今時LINEでもインスタでもなんでもあるのに、子供っぽくてダサいかな」

彰嘉「そんなことはない。確かに今はSNSでいつでも連絡を取り合える時代だが、君にとってそのクマのキーホルダーは、それ以上に友人との繋がりを感じる特別な物なんだろう。とても素敵な事のように思う」

雫「…………ありがと」


雫、照れたように笑う。

それから少しだけ表情を曇らせて、小声で話し始める


雫「…最近、ちょっと落ち込むことが多くてさ。キーホルダーも失くしちゃったし……。部活も、美術の方の制作課題とかとなんとかと並行して頑張ってたけど、もう潮時かな……って思……」


雫の言葉を遮るようにして、それまで黙々と探し続けていた新太が大声で叫ぶ。


新太「あったーーーー!!」


四人とも顔を上げて新太の方を見る。キーホルダーの汚れを体操着の裾で拭っている新太に真っ先に声をかけるのは凛空。


凛空「マジ!? お手柄じゃん!」

新太「ほら、水色のクマ! ……雫さん」


新太に名前で呼ばれて少し驚きつつもに向き合う雫。新太は少し照れながら雫にキーホルダーを差し出す。両手で受け取る雫。


新太「今まで雫さんのこと守ってきてくれたものだから、見つかってよかった」

雫「……ありがとう。本当に、本当にありがとう!」


クマを握りしめ、微笑みつつ涙声で呟く雫。少し離れたところでそのやり取りを見ていた凛空が駆け寄る。

 

凛空「やっぱさ、雫ちゃんは笑顔が素敵だよ!」

新太「ハ!? 佐藤お前何言って……」

凛空「えー、シンシンだってそう思ってるくせにー」

新太「な……!」


新太が凛空に殴りかかろうとする前に、雫が口を開く。


雫 「シンシン?」

凛空「そそ! こいつのあだ名。かわいいでしょ?」


顔を真っ赤にして声も出せずに凛空に殴りかかる新太と、それに抵抗する凛空がじゃれているのを見比べて、雫が笑みをこぼす。


雫 「うん、かわいい。パンダみたい」


目を見開いて停止する新太。ニヤニヤと笑みを浮かべる他3名。


そこで昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り響く。


雫 「ごめんなさい、私行かなくちゃ。みんな一緒に捜してくれて本当にありがとう」

新太「つ、次の公演も絶対見に行きます……! 雫さんの、ファンなので!」

雫 「! ……うん。頑張るね」


新太の言葉にはにかんで駆けていく雫。雫が見えなくなるまで雫が走り去っていった方を見つめ続ける新太を、三人がニヤニヤしながら小突く。


太郎「っていうか僕らも授業行かないと!」

彰嘉「体育の吉田先生は遅れるとグラウンド十周させるからな」

凛空「やばいやばい! 行かなきゃ!」


一斉に走り出す3人。少し遅れて我に返った新太も走り出す。


真っ青な夏の空を背景に、走る4人の姿があった。


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