僕?
僕は裏山で、小さな祠を見つけた。
それはかなり汚なくて、あまり触りたくなかった。
祠にはなんとか龍なんとか神なんとかって書かれてた。
僕はゲームが好きだから、龍と神は読めた。
少しだけそれを見ていると、ビュゥッと風が冷たい吹いて、なんだか少し怖くなった。
急いで家に帰るときに、何かにつまずいて転んだ。
膝から血が出て泣きながら家に帰ると、おじいちゃんがいた。
何があったの?と言われたから、僕はあのことを話した。
それを聞いたおじいちゃんは、少し様子が変わったように見えた。
それは怖かったねって言って、今日は一緒に寝ようって言ってくれた。
僕はおじいちゃんと寝るのが好きだったから嬉しくて、うん!って言った。
夜、お風呂で体を洗うとき、膝の傷が治ってることに気づいた。
ちょっとレモンの匂いがした。
ボーディーソープの匂いだった。
布団に入ると、おじいちゃんが僕をギュッと抱きしめてくれた。
あまりにも僕をギュッとするから、痛くてなかなか眠れなかった。
布団に入ってからかなりして、玄関がガラって開く音がした。
お母さんが帰ってきたのかな、って思ったけど、お母さんは買い物に行ったってこの前おじいちゃんが言ってた。
お父さんが帰ってきたのかな、って思ったけど、お父さんは遠くに仕事に行ったってこの前おじいちゃんが言ってた。
おばあちゃんはもう寝てるし、おじいちゃんは隣にいる。
じゃあ、誰だろう。
気になったけど、怖くて見に行けなかった。
そしてそれは、僕の方に来た。
ドシドシって大きな足音を響かせながら。
怖くておじいちゃんに抱きつこうとしたら、おじいちゃんがいなくなってた。
怖くなって布団に隠れたけど、ドシドシはどんどん近づいてくる。
バレたらダメだと思ったから、泣きたかったけど泣かなかった。
そして、ドシドシが無くなった。
僕は助かったと思ってホッとした。
そしたら、布団が捲られた。
誰が布団を開けたのか、怖くって見れなかった。
ギュッと目を瞑って、寝ているフリをしてる僕に。
それは告げた。
「——君が寝る前に、挨拶しに来た」
京都に向かって瞑想しているだけさ。