第78話 ※もちろん妄想である
R15グロ等注意
「おおおお、ズィーミン! お前っお前も屍鬼にっ!? うあ、うあああああ!!」
皇弟マオシンは絶望に半ば発狂し悲鳴をあげる。
「なぜだっ、なんでこんな事に! なぜ我はここに……そうか分かったぞ! ここはあいつが作った砦、あいつの陰謀か! 我を殺す気でおびき寄せたかクィシン! クソが、クソがああああああ」
自らがここに来ることになった経緯を都合良くねじ曲げ、マオシンは絶叫する。
「そんなに我が恐ろしいか、我がっ、この力がっ! 頭でっかちの金の亡者めえええっ!!」
そもそも、兄である皇帝クィシンに危ないから絶対行くなよと釘をさされたのを、おかしいこれは何か隠しているはずと勘ぐり、兄に内緒で危険な前線にやってきたのはマオシン本人である。自業自得? そんな言葉は彼の辞書にはない。
竜の襲撃と彼の来訪が同時になったのは偶然なのだが、彼はそう捉えなかった。そして竜が魔術を使ったところを見ていないマオシンにとっては、この屍鬼は竜とは無関係の悪夢である。
そのため彼はこう考えた。ここは兄が作った砦、急遽魔導師まで動員して造成したのは操屍術を仕込むためだったのだ、と。
──これほど大掛かりに、忌まわしい古代の邪法を使ってまでやらねばならない事があるとすれば……そう、いずれ兄を追い落とし偉大な皇帝となるべき自分を亡き者にする事に違いない!
※誇大妄想である
──そうか、この砦の首脳陣がウェイ達、武統派で固められていたのも罠だったか! 櫓がこんな上にあったのも、我々を兵から引き離し一網打尽に殺すため……そしてその痕跡を誤魔化すために竜をここにおびき寄せたのだな!? 竜の吐息に見せかけ我々に何かを仕掛けた!
※関係妄想である
──我はウェイともども奴の罠にまんまと嵌められたということか。フーシェンが来ていない時点で怪しむべきだった……おのれええええ!! よくもぬけぬけと、行くなよ絶対に行くなよ、などと! そのせいで、秘密裏に少人数で来ざるを得なかったというのに! それも罠だったか! 狡猾なっ!
※被害妄想である
──だがこれで分かった、奴はこの我を殺さねばならないほどに追い詰められている。絶対に生き残り、奴の非道を詳らかにし、我こそが奴より帝位に相応しいと天下に示さねば!
そう、我には武統派の皆が付いている。ひとたび我が声をあげ、ここに起つと宣すれば。四方を守る百万の兵が皆、我の求めに応じよう!
おお、我こそが煌星を継ぐ者……新皇帝マオシンなり!
※再び誇大妄想である
なお四方の方面軍を全部足しても百万もいない。
常識的に考えれば、仮にも皇帝たるものが弟を暗殺するためだけにこんな大掛かりな仕掛けをつくるわけがない。千卒長らも皇帝がわざわざ殺さねばならないような大物ではない。
まして古の邪法など、仮に使えたとしても露見した時の悪影響が大きすぎる。マオシンは兄を金の亡者と罵るが、金の亡者ならなおさらこんな手段はとらないだろう。
そもそもクィシンは弟のことを割と馬鹿にしている。せいぜい、いないよりはいたほうが反対派をわかりやすくするための目印として使えるな、という程度だ。脅威などとは思っていない。
しかしマオシンの自己評価は極めて高かった。自分を暗殺するためなら兄は何百人も巻き込むくらいは当然やるだろう、自分にはそれだけの価値がある、という根拠なき自信。
兄よりも甘やかされて育ち、それでいて文武にもある程度の才があったのが却って災いした。それでもその才を真面目に磨けば、あるいは従兄のフーシェンのようにひとかどの武人か能吏にはなれるだろうが……。
もちろん磨いているわけがなく、彼の素の実力は文武共にそこそこ止まり。そして人の上に立つ統治者になるには自信過剰かつ思い込みが激しく、妄想逞しいという欠点がある。側近にも阿諛追従の徒か盲目的忠義の者しかいないため井の中の蛙状態であった。
「我はっ、我は死なん死なんぞおおおっ! クィシンめ、もはや貴様を兄とは思わん! 震えて我の天誅を待つがいい、この手で真っ二つにしてくれるわ!!」
……そうした事情と思考を知らないウーハンから見ると、率直に言ってひたすら絶叫しているこの皇弟は見苦しいの一言である(事情と思考を知ったら? もちろん見苦しいでは済まない) しかも発言の内容は反応したらあかん奴だ、聞き流すに限る。
自分は聞き流すとしてもこのままでは敵の注意を引きかねない。しかしそんなのでも上位の皇位継承者、助けないわけにはいかないし、下手に諫言してキレられても困る。
そして、上のほうでそんな大声で喚いていれば、ウーハンが危惧した通り、竜はそれに気がつくわけで……。
『……FUN?……GURRR……』
だがウーハンにはそちらに注意をさく余裕はなかった。十数体の屍鬼たちが次々に二人を狙ってくる。中には剣を持っている者もおり、まだ動きが鈍いとはいえ油断できない。
そしてロイと違って彼の霊力では、一体につき数回は叩き込まないと無理だった。自分一人だけなら転移によって翻弄できるが、その場合どうしても後ろで発狂している皇弟が危険にさらされる。
もちろん百卒長もウーハンも、一瞬考えはしたのだ。仮に本当に見捨てても事情が事情であり、目撃者や生存者が他にいなければ問題ないのでは? と。
その思考も一理あるが、こんなのでも皇族である以上、監視役、それも人に限らず式神などが近くに潜んで全てを記録している可能性は否定できないのだった。例えこんな状況であってもだ。
まことに面倒くさいが、存在に気がついてしまった以上は選択肢がない。彼を背負って守ろうとする姿勢を見せないといけない……と思っていたところで。
「魁星已墜、昴星當立、現在是時、天下大吉! 天命は我にあり、貴様も我に続けえっ!!」
絶叫し続けていた皇弟の目が据わっていた。そして彼は剣を抜きはなって屍鬼に突撃していく。
「えっ!? おっ、お待ちくださいっ!?」
慌てて後を追うウーハン。そして皇弟はそのまま屍鬼の一体に切りかかる。
「済まぬズィーミン、せめて我の手で!」
そしてマオシンの持つ紅の刃を持つ剣が、袈裟切りに屍鬼を両断した。ずるりと斜めに上半身が滑り落ちていく。
「えっ」
さすがにウーハンもこれには驚く。
マオシンは多少は鍛えてあるようでそれなりの剣速ではあった。しかしお世辞にも達人というほどではなく、士官学校生にはよくいる程度のものだ。それなのにあっさりと人体を鎧ごと両断してのけた。
これは彼自身の技量でなく、その手にある剣によるものだ。地王器に分類される強大な力を秘めた魔導具の剣であり、いかなる防具も切り裂くと言われる代物。単純な切れ味では帝室の宝物の中でも最強たる光剣イルダーナハに次ぐ。
帝国建国の頃に初代皇帝が功臣に授けた宝剣であり、マオシンの自信の源でもあった。そして仙力なくとも向こうにいる竜の鱗に通じる、この場では唯一の武器でもある。
斬られた屍鬼の頭部と左肩が地に落ちる。
「我が宝剣『朱雀』をもって邪法の犠牲になったお前たちに眠りを与えよう。ズィーミン、安らか……うげあああっ!?」
格好をつけ弔いの言葉を吐きかけたマオシンに、屍鬼はそのまま残る下半身と右腕で反撃してきた。
マオシンは驚愕に悲鳴を上げ、後ろに飛び退こうとしてすべり、尻餅をつく。その頭上を屍鬼の腕が空振っていった。
「なっ、なっ」
良くも悪くも高揚していた精神が、冷や水を浴びせられたかのように冷える。そしてようやくマオシンは思い出す。屍鬼は普通の攻撃では殺せないという伝説を。
「……そういえば……え? ま、まさか、この剣でも……無理……?」
否。本来なら無理ではない。なぜならこの剣は、かつて屍の女王を討伐した勇者達の一人が使っていたものであり、実際あまたの屍鬼を安らかな眠りに還したことがあるのだ。
しかし本来の地王器としての力を引き出さないままでは、単によく切れるだけの剣に過ぎない。
力の引き出し方? マオシンは剣に眠っている力のことを知らないし、そもそも剣に認められていない。そう、この剣はただの道具に非ず。生きている。
魔導具の中でも王器と神器は人の手では作り得ない。その核である宝珠は神の手になるもの。ゆえに彼らは意志を宿し、魔力と霊力を操り、自ら使い手を選ぶ。ならば特異な才も特筆すべき鍛錬もなく、強き心も知恵すらもない愚者にどうして力を貸せようか?
そしてマオシンは、『朱雀』という銘が本来のものではない偽銘という事も、これが伝承の勇者達が使った剣の一つだということすらも知らない。それは煌星帝国では帝位に就く者にのみ相伝されてきた秘事の一つであり、マオシンにはまだ伝えられていなかった。
屍鬼は例え身体を両断されようと、それだけでは停止しない。地面に落ちたほうの半身もずるずると臓物を撒き散らしながら、尻餅をついたマオシンに迫る。
彼なりに覚悟を決め、威勢良く屍鬼を退治しようとしたはずのマオシンは、よすがにする宝剣が効かない事に衝撃を受けた中で、這いずる元部下の虚ろな目と目があってしまい……。
なまじ興奮が醒めてしまったがために、彼はそこに視てはいけないモノを視てしまう。
──見よ、あの軍勢を。
皇帝クィシンを倒すべく帝都に押し寄せる百万の兵を。
──見よ、かの男を。
その先頭に立つ紅刃を掲げし男を。
とうに中身が腐り落ち、虚ろな眼窩と白骨を晒す彼の貌を。
もはや声を出す喉も、息を吐くための肺もなく、魂すらも消え失せた。骨のみと化した彼の顎を鳴らすはただ一つ、末期に抱いた恨みのみ。
(……クィ……シン……コロ……ス……!!)
カタ、カタッ、ギリッ、ギリィッ……
──だが、彼には死者の皆が憑いている。例え上げる声もなく、されど歯軋りをもって命ずれば。四方を埋める百万の屍鬼が皆、彼の妄執を叶えよう!
おお、彼こそが煌星を墜とす者……屍皇帝マオシンなり!
(……)
(……チガウ) カタ
(……チガウ コンナ……) カタッ
「──無様だな。愚弟よ」
(……クィ……シン……!?) カタカタッ!
「もはや見るに堪えぬ。安らかに眠るがいい」
(……キサマアアアアア……!!!) ギリリィッ!
そして虚ろな眼窩の睨む先、遠く帝城から、一条の流星が天に向かって逆あがる。
『天神器・イルダーナハ・励起駆動・構成『滅尽灼槍』』
その軌跡で天を割り、しかと煌めく流星は天の怒りか、あるいは慈悲か。
光剣イルダーナハの殲滅形態、劫火の毒槍アラドヴァル。都市すらも灼き焦がし滅尽するとうたわれる絶槍。
かつて建国帝によって一度だけふるわれ、とある王国の都がただの一撃で巨大な茸雲と共に跡形もなく消滅したという。その跡地には黒い雨が降り注いだと伝わる。
天上の煌星が彼の頭上で向きを変え、神速で地上に向かって墜ちてくる。
そして彼に突き刺さる寸前、その穂先から燃え滾る太陽が出現し、遍く全てを飲み込んだ。
(アアアアアアアアアアッ!!)
(………ア………)
(……)
──そうしてかつてマオシンであった屍は。骨の一片も、怨念の欠片も残さず燃え尽きて、世界から永遠に消え去った。
※もちろん妄想である
「ああああああああああ!! ……あへっ……」
マオシンは。屍鬼への恐怖と、豊かな想像力が作り出した幻視への絶望に絶叫し、色々と盛大に漏らしながら……白目を剥いてばったりと気絶した。
「!? 一体っ!?」
後ろから追いかけてきていたウーハンからすると理解不能なことだった。相手を切り倒したはずのマオシンが尻餅をついたと思ったら、いきなり絶叫して泡を吹いてぶっ倒れたのだ。
(なんじゃそりゃあああ!? そんな速攻で気絶するくらいなら最初から動くなよくそったれ!)
「……ヲ……」
仰向けに動かなくなった皇弟に屍鬼たちが襲いかかる。そして彼はまさに屍皇帝ならぬ屍皇弟に……。
「……このっ!」
そこに慌てて追いついたウーハンの薙ぎ払いが届く。
「ガ……ウ……」
「くうっ!」
それぞれ一撃軽く当たっただけでは、少し後退させるくらいしかできない。だが今はそれだけでも必要だ。
外壁上の床や盾壁に手をついて位置を【置換】する。急ぎのため範囲が無理やりになり、頭痛が走るが構うものか。
敷き詰められていた石と土が壁となって屍鬼を遮る。ついで、別の床を置換して相手の頭上に降らせる。
どちらも今の彼で置換できる量は大したことはない。重さの面で自分以外のものを飛ばすとなると、全力でもせいぜい合計で人間一人分相当いけるかどうか。それだけでは不死身の屍鬼どもを止めるには足りない。石で頭が割れようが奴らには関係ないのだ。
少しの時間稼ぎにしかならないが、今はこの男をなんとか後ろに引っ張らないと。
なんとか少しばかり後ろに引きずったところで、壁が崩され瓦礫塗れの屍鬼たちがやってくる。
「ちぃっ」
慌てて皇弟の体を放り出し、杖をもう一度握る。ほんとにこのクソ皇弟が、じっとしていればもう少し余裕があったものを! と昏倒している男を睨んだとき、ウーハンはふと閃いた。さっき思いついたことを試すなら、今ではないか。
……一か八か、やってみるか。
目的のそれを踏みつけ、自分の霊気を通す。……いけるっ!
「……ふおおおっ!」
「……コロ……ニ……ク……」
まず最初にやってきた、おそらくは元千卒長であった一番年上に見える一際太った屍鬼を可能な限り連続で殴り、突いて、屍に返す。ついで襲ってきた屍鬼たちに取り付かれかけたところで……。
「おおっ!!」
敢えて杖を止め、握らせて。
杖自体に霊鎧を纏わせ、屍鬼の霊気を遮断し……。
【置換】によって、入れ替える……!
次の瞬間、杖につかみかかっていた屍鬼たちの指がポロポロと落ちる。そしてウーハンの手には、杖と入れ替わった皇弟の宝剣が握られていた。
(よしっ!)
やはり霊鎧を応用すれば、他人がさわっている状態でも【置換】できる。そしてこの宝剣なら、おそらく霊気を込めれば……!
「ふっ!」
霊気を纏った宝剣が振り抜かれ、屍鬼たちの体が骨ごとまるで柔らかい奶油で出来ているかのように切り裂かれる。
「うわ、マジすげえ切れ味…!」
さらに刃ありの武器なのに霊撃の通り方もよい。霊気をかなり吹き飛ばせたようだ。屍鬼たちの動きが酷く鈍くなる。
そして、ウーハンの脳裏に念が響く。
『第二階梯霊威【交換】確認。仮登録……承認』
「えっ?」
ついで、剣が魔力と霊気を少し吸い取ろうとしているのが分かった。
「よく分からんが……こうか!?」
ウーハンはただ、剣が欲するままに、構え、魔力と霊気を注ぎ込む。そして剣が赤く輝き……。放てとささやいたように感じた。従うべきだとウーハンは直感し……。
『地王器・赤霄剣・定常駆動・構成『破邪衝風』』
勇者達の時代のあとこの剣に「使い手」として認められたのは、初代七剣星の一人であった剣士のみ。彼の死後この剣は、主なき封印状態のまま皇室に返納され宝剣として伝えられてきた。
ウーハンを稀なる優れた仙力の持ち主と見た剣は一時的に彼を使い手として認め、実に200年ぶりに真の力の一端を解放する。
赤い風が、屍鬼たちを襲った。
「……オ……お……」
「……あ……」
バタリ、バタッ……。
この赤霄剣は大蛇を討滅した漢の高祖の伝説にある斬蛇剣、草薙の剣の原型とも言える宝剣になぞらえて作られた代物。ゆえに凄まじい切れ味に加え、力を解放することにより破邪の力、および蛇や竜への特効が顕れる。
この屍鬼たちは在るべきでない邪であり、かつ竜由来の霊気と魔力を持つ。即ち赤霄剣にとっては非常に与し易い相手だ。
赤い破邪の風に宿る二重の特効により屍鬼たちは一撃で屍へと還った。次々に倒れ伏し、もはやぴくりとも動かない。
「……おお、流石は皇族の宝剣。こんなすげえ能力が…………うっ?」
危機はいったん去ったかに見えたがウーハンは虚脱感に膝をつく。今の一撃で思っていた以上に霊力と魔力を持っていかれた。特に魔力のほうはウーハンは元々が少なく、かなりつらい。
これでも剣のほうとしては、暫定の主の素質に合わせ可能な限り霊力よりの消費割合に組み替えたのだが、元の基本が魔導具であるゆえにこればかりは仕方のないところであった。
なお所有者のマオシンが魔力を込めるべきであることを知らず、剣の魔力が枯渇していたせいもある。
「うまい話ばかりじゃ……ねえか……」
とりあえず救出対象のマオシンは気絶したものの生きているようだ。勝手に剣を借りたが、これはやむを得ざること、説明すればご理解いただけると信じたい。手討ちになるのは勘弁して。
気絶しているマオシンの体を何とか引き起こして担ぐ。重い……。とにかく皆の元に連れていこうとしたところで、ウーハンはすぐ近くで奇妙な音を聞いた。それは巨大な羽ばたきの音。
ぎぎぎ、と音がしそうな感じに、ゆっくりと首をそちらに向けると。
竜が、壁の側で嗤っていた。
『……RUGRUUU……』
「……やべっ」
「ウーハン!!」
ようやくロイ達が外壁のすぐ下まで到達し、ロイが壁を駆け上がり始めたところで。
轟ッ!
ウーハンとマオシン、そして千卒長らの屍は、竜の翼が作り出した風撃によって周辺の壁ごと吹き飛ばされた。
今回は設定解説Q&Aコーナーがあります。
興味なければ読み飛ばしていただいて構いません。
Q マオシンの叫んでる魁星…って?
A パクリです
黄巾の乱のスローガン
蒼天已死 黄天當立 歳在甲子 天下大吉
の言葉を、書き換えたものです
煌星帝国の皇族の名前は本当は名前に星がついています
カタカナ読みだと○○シンになります
クィシンは魁星、マオシンは昴星です
フーシェンは皇族の血を引いていますが臣籍なので発音の近いシェンとなっています
彼の名は傅身、補佐する者、という意味です
帝国語は地球の中国語から派生したもので似た要素が多いですが、大空白時代に多くが失われ、今は多民族国家でもあり違う点も多いです
パクリ文のほうは、蒼天などを名前に置き換え、星がついてるので已死でなく已墜となり、甲子の年はこの世界にはないので現在この時に、という感じで書き換えています
Q マオシンの幻視は予知?
A マオシンには予知能力とかないです、マジ妄想です
あと屍鬼になったとしても指揮個体などにはなれず
単なる雑魚その一です
Q 王器や神器って何? 天とか地って?
A 魔導具としての基礎性能ランクと、その性能をどう割り振っているかの違いです
王器 凄い道具 世界全体でも数百個しかない貴重品
普通に国宝になってる事が多い
人間向けとしてちょうどよく優秀
神器 超凄い道具 世界全体に十数個しかない超貴重品
性能は高いがとてもピーキー
人間にはまず使いこなしきれず、
迂闊に使うと死ぬことも
天 特殊機能重視型
聖霊と呼ばれる喋る人格インターフェース付き
伝説上の英雄名か神名がついている
地 基本性能重視型
喋る人格? そんなのに機能を割くのは無駄
伝説上の武器や道具の名前がついている
同じ基礎性能のハードウェアなら聖霊で容量を取られていないぶん、天器より地器のほうが優秀な傾向があります
王器の下に僚器、将器がありますがこれらは人間にも作れます。そして人格も意志もありませんし、霊気を扱うこともできません
なお崑崙の宝貝の大半は僚器に独自の改造を加えて霊気も扱えるようにしたものです。萃照天睨鏡のように地王器を魔改造したものもあります
今回マゼーパがもらってきている試作品の杖は、一つを除いて将器の改造品です
平均的な一撃の威力なら、
地神器>天神器>地王器>天王器>>僚器>将器>>一般の魔導具という順です。~器とついているものは宝珠と呼ばれるコアがあり、これが実質的本体で、高コストな代物となります。将器の時点で高級品で、ただの兵卒には敷居の高い代物です
また、王器や神器はそれぞれ複数の駆動段階があります
限定駆動 基礎能力
切れ味がいいとか、超硬いとか
契約無しの封印状態でも有効
定常駆動 特殊能力
範囲攻撃、特殊属性攻撃など
契約無しの場合、正式登録契約者の許可が必要
→ フーシェンがこの状態
励起駆動 かなり力を消費する大技
仮登録契約以上が必要
→ 今回のウーハンがこの状態
神器の場合、使い手の寿命が削れる場合も
超過駆動 捨て身の大技
正式登録契約が必要
王器の場合、使い手の寿命が削れる場合も
神器の場合、使い手が人間なら死ぬ場合も
Q 黒い雨って?
A 黒い雨です。ピカッと光るあれの後に降ったものです。
あれの黒色は煤が主体なので、大量に木造建築物があって燃えないとそこまで黒くはならない可能性もあります。下手に色が薄いほうが気づきにくくて危ないのかも。
建国帝「試しに使ったら思ってたより十倍はヤバい代物だった。なんだよあのでかいキノコ、やりすぎた。……ん、なんか向こうで降ってるな?」
イルダーナハ『爆発後の降雨などに含まれる降下物は人体にとって毒性を持つ懸念があります。触れた場合すぐに洗い流してください。対象地域への立ち入りは半減期と気候を考慮し最低一ヶ月ほど時間を置くことを推奨します』
建国帝「お前いつの間に戻ってきた? 毒? 半減期? なんだそりゃ」
……説明中……
イルダーナハ『……というわけで、魔術で対策すればただちに健康に影響はありません。後日浄化術での現地の除染を推奨します』
建国帝「十倍どころか百倍はヤバい代物だった。そういうのは先に言えよボケ」
イルダーナハ『聞かれませんでしたので。それに細かい事は後で聞くから使い方だけ教えろ、と仰ったのは陛下で』
建国帝「あーあーあーきこえねー。……喋れるが融通は効かねえのなお前、これは言わなきゃならん事だろうが。ちっ……どうせ魔力使い切ったんだろ、しばらく眠って宝物庫の番人しとけ」
建国帝「……皆よ。かの都は神なる力によって呪われた。それが解けるまで禁足地とする、何人たりとも踏み入れてはならぬ。急げ! 律令の如くせよ!」
Q ウーハンの仙力【置換】を剣が【交換】と呼んでるけど誤植?
A ウーハンが【転移】改め【置換】だと思っている能力は、実はさらに上があり、それをこの剣がアクセスしているデータベースは【交換】と分類しています。【置換】は【交換】の派生能力の一つです
これと同様に、エイドルフの【賦活】やレダの【再現】なども、もっと根源に近い大元の能力の派生なのですが本人らはまだそこに至っていません




