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Sランクパーティーから追放されたけど、ガチャ【レア確定】スキルが覚醒したので 、好き勝手に生きます!  作者: 遥風 かずら
第七章:因果の国

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95.砦の秘密


「こ、これは!? やっぱりそうなのか……」

「デミリス、何のこと?」

「ここに来るまでにかなりの冒険者と出会ったんだ。目的地は砦だったんだろうけど、そうじゃなかったんだよ。多分、共和国の狙いは地下都市なんだ!」


 不安そうな二人の表情を眺めていると、突然アクセリナがおれを見つめている。焦った様子で騒いでいたところから予想するが、地下洞を通って助けに行きたいみたいだ。


「……あのっ、アックさん! 地下都市の――」


 予想がついたので、彼女よりも先に厳しい言葉を投げた。


「言いたいことは分かりますが、地下都市に向かうには地上から戻るのが最善かと。それに、地下都市へはまだ未開通な感じがするので、心配は不要ですよ」

「そっ、そうなのですか!? そんなことまで何故……」

「それに複数の強い気配がありまして」


 地中を掘っている気配は感じるが、強さを探る限りデミリスでは厳しそうだ。


「その強い気配! オレでは厳しいですか?」

「残念ながら、多勢に無勢というやつです」

「く、くそ……」


 悔しがるデミリスには悪いが、戦いに不慣れな剣士に無理はさせられない。それはそうと、砦の冒険者と交戦したことが今になって気にかかる。


 不安そうにしている二人を置き去りにするわけにも行かないので、デミリスたちとおれたちは、砦の内部に入ることを決めた。


「だぁれもいないですね~? どこに隠れちゃったんでしょう?」

「ウニャ……さっきはたくさんいたのだ!」

「わらわも見ていたなの。わらわたちと一緒に、ここで冒険者たちが戸惑っていたなの」


 砦の中は見事にもぬけの殻だった。外にあれだけ集まっていた冒険者の姿も、全く見当たらない。


 シーニャたちとデミリスは、おれと遭遇するまで砦の中にいたようだ。そこから外に出て来たわけだが、戦いを加味しても大した時間は経っていない。


 だだっ広い広間のような空間から、一体どこへ消えるというのか。


(こういう時こそスキルの出番だな)

 

 神経を集中させ、砦内部と周辺をスキャンする。すると、すぐ近くから強い気配を感じた。


 だが感じた気配は砦の真下。行き止まりに見える壁から、地下へと続く道があるということになるのだが。


「アック様~? 難しい顔をしてどうしたんですか~? もしも~し?」

「ウニャ? アック、どうしたのだ?」

「こういうアック様は、わたしが一番よく知っているんです! アック様が難しい顔をしている時は、お腹が空いている時なんですよ!」

「シーニャもお腹が空いているのだ。ドワーフ、何か作れるのだ?」


(キニエス・ベッツか。確か、アグエスタで戦った奴だった気がする)


 奴はAランク程度の強さだからデミリスなら勝てそうではあるが、サーチに引っかからない奴が複数いるということは、油断出来ない。 


 地下洞の先にいる気配の方がもっとやばそうだ。途中まで行って、引き返すので十分だろう。


「アック様っ! さささ、どうぞどうぞ! 特製の焦げ焦げパンですっ!」

「んごがっ!?」


 人がスキルを使って集中していたとこに、いきなり食べさせ攻撃を喰らってしまった。

 もしかして異常でも感じさせてしまったのか。


「ふっふっふ~分かっていますよ? アック様は、焦げたパンがお好みってことを~」

「……よ、よせ、口に突っ込むな!」


 【ルティ特製焦げ焦げパン 黒い気配を探れる】


(ちゃっかり効果がついている……とか、ありがたいようなそうでないような)


「あ、あの、アックさん」

「ここはオレが言うよ。すみません、オレたちの頼みを聞いてくれないでしょうか?」

「……んぐ、もぐっ……何です?」

「何か嫌な感じがあるんです。もし、砦内部に隠し通路があってそこからレイウルムに行けるとしたら、そうしたら、相当数の冒険者が行くことになるんじゃないかと思うんです……」


 スキャンで探った感じでは、確かに隠し通路というか地下洞があった。

 連れて行くことは出来るがどうしたものか。


「ここには地下洞に繋がる道があると思います。そこに行きますが、おれたちは途中で引き返します。それでも良ければ」

「そ、それでいいです。オレ自身がレイウルムに行けそうなら……」

「私も微力ながら、弟と共に!」


 アクセリナとデミリスは不安そうだ。しかし地下洞の存在に気付いた以上、行くしかない。それに途中で戻るにしても、キニエス・ベッツと遭遇する可能性がある。

 

 問題は、その先の気配に奴らが気付いているかどうかだ。


(地下に眠る魔物だったら厄介すぎるが、進むしかないな)


「お味はどうですか~アック様?」

「あ~……うん」



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