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父と母の備忘録 ー高校の青春ー  作者: 佐々木 希紀
3/3

続く青春

 父は私に厳しくはなかった。優しくもなかった。そう感じていた幼少期の僕に大人になった僕は語り掛けたいことがある。

 「お前のお父さんは、1番に母を想い。母はお前を1番に想い。そのお前は母を想い。そして奥さんを想っているべきなんだぞ。」と。

僕を1番に愛していないことはわかっていた。でも今娘ができて、それでも妻を愛し続けられているかすぐに答えを出せない自分と父を比べずにはいられなかった。

 父はそんな人であった。父は母に対して一生一途に見えた。浮気や横道を逸れることもあっただろうが、母をみていた。

それが子どもの頃は、羞恥の対象として逃げていた。今では、それが誇らしい。父に伝えられたらよかったと後悔しても遅かった。


 高校で2人の青春は終わりを告げたのではなく、大学いやその後死ぬまで2人は青春であった。

くさいくさい青春をしていたと子どもの私からみてもそう見える。


その後娘は、僕たち夫婦のことを聞きたがる。僕にはそんな照れる話も見当たらなかった。絞り出した出会いの話に娘は、関心を寄せながら寝ていた。

こんな辛く幸せだった1日はなかろう。娘の寝顔を前に妻と2人でする事も行く所も他にはなかった。

                        終

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