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ふわふわ44 トロールの集会

「サーシャちゃん、こっち」


 小声でミオちゃんが民家の影から手招きをする。

 私は姿勢を低くして、素早く今いる物陰から、ミオちゃんのいるところへと移動する。


「座って」


 ミオちゃんの指示で、私は民家の壁に背をつけながら腰を下ろす。

 ミオちゃんも私と同じように座って、私と反対側で壁から少しだけ顔を出し、向こう側の様子を探っているマルセロくんに声をかけた。


「マルセロ、行けそう?」

「階段のそばにも、城壁のそばに見張りはいない。城壁の上はわかんねぇ」

「そっか……じゃあ、ここからはサーシャちゃん頼みだね」


 ミオちゃんはそうつぶやくと、真剣な目で私を見つめる。


「サーシャちゃん、確認しておくね。ここからまっすぐ城壁に行った、その上が南門の指令室。岩で封鎖されてる城門の左右には階段があるよ。城門と階段の間は水路が地下を通ってるから、歩いて近づける」


 ミオちゃんの言葉に、私は黙ってこくりとうなずく。


「ここより城壁側には、隠れられそうな場所がないから、私とマルセロはここでサーシャちゃんを待ってる。サーシャちゃんは偵察が終わったら、ここに戻ってきて」


 もう一度、私はうなずく。


「もしも私とマルセロがここにいなかったら、サーシャちゃんは物置に戻って。それからは、ジェシカとフィアナと一緒に、どうするか話し合って決めてね」

「ミオちゃん、それなら、二人は先に戻った方が」

「万が一の時の話。私たちが待ってないと、サーシャちゃんが戻るときに危険でしょ?」

「……やっぱり、ジェシカさんとフィアナにも来てもらった方がよかったんじゃ」

「人数が増えると、移動中に見つかりやすくなるし、戦うことはできないから。トロールは人間の顔なんて区別できないし、上手くやれば、私のことも脱走した住民と勘違いしてくれるよ」

「昼見た限り、住民は殺されないみたいだからな。けど、ダークエルフの姉さんは見つかったらさすがに誤魔化すのは無理だ。っていう話はここに来る前にしただろ」


 ミオちゃんとマルセロくんの言葉に、私はうつむくしかなかった。

 二人の言ってることはわかる。でも、実際何が起きるかなんてわかんないし、この二人にはトロールに対抗する方法がない。

 フィアナとジェシカさんがいてくれれば、少なくとも二人を守ることはできるのに。


「二人とも、こんなところに残されるの、怖くないの?」

「何言ってるの? 一番危ないのはサーシャちゃんだよ?」

「そうだよ。あんたがやることに比べれば、ここで隠れて待ってるだけなんてただの留守番だ」

「私は、魔法も使えるしスキルもあるけど、二人は――」

「サーシャちゃん、トロールの集会が終わる前に指令室にたどり着いて欲しいの。時間は限られてるけど、慎重に行動して欲しい。だから、ここで時間を使って欲しくない」


 ミオちゃんの言葉に、私はまた口をつぐんだ。

 サーチアイで確認できる限り、例のハイトロール、ボルボルは指令室から移動していない。ただ、わかるのはそれだけだ。

 声は聞こえないし、サーチアイで見える範囲はそんなに広くない。直接侵入しないと、何のために集まってるのかもわからないし、早く行けば行くほどたくさん情報が手に入る。

 二人がすごく心配だけど、やるしかない。意を決して、私は口を開いた。


「マルセロくん、しばらく向こう向いててね」

「いや、俺はずっと周りの警戒してるから」


 ふむ、確かにマルセロくん、そもそもこっちは全然見てなかったね。ならいいか。

 私は安心して、黒いローブを脱ぎ、下着も脱いで全裸になった。


「サーシャちゃん、な、なんで服脱ぐの!?」

「は? 服?」

「こっち見るなスケベ!」


 ミオちゃんのパンチがマルセロくんの顔面に炸裂した。

 痛そう……。HPちょっと減ってる。反射的に振り向いちゃっただけだったと思うんだけど、かわいそうだ。

 マルセロくんに同情しつつ、私は魔法大全を出して呪文を唱える。


「主に願います。我が身を聖なる光と同化させたまえ。それは天女の羽衣。不可視の外套。全ての光を透過する。トランスペアレント!」


 詠唱が終わり、完成した構成に魔力を流し込むと、私の手がすぅーっと景色に溶け込んでいく。

 やがて全身の輪郭が消え、私が持っている魔法大全だけが、空中に浮いているように見える。

 魔法が無事発動したのを確認し、魔法大全を閉じたところで、ミオちゃんと目が合った。


「サーシャちゃんが……サーシャちゃんが……」


 わなわなと、ミオちゃんは震えつつ、


「目玉だけになっちゃった……」


 これ、ミオちゃんにもどっか向いてもらっておいた方がよかったかな。

 魔法大全によれば、このトランスペアレントという魔法は、光属性魔法のスキルをレベル8まで上げると使えるようになる魔法の一つ。

 効果は、自分の身体を透明にすること――なのだが、目だけは透明にできないようなのだ。

 厳密には、やろうと思えばできるけど、それをすると目が見えなくなってしまう。

 魔法大全の説明では、目はレンズによって光を屈折させ、像を網膜に結ぶことでものを見る器官であるため、光を透過してしまうと光を屈折させることができずうんちゃらかんちゃらとか書いてあった。

 そして、透明にできないのは眼球だけで、瞼とかまつ毛は問題なく透明にできる。

 結果、目玉が二つプカプカ浮いている……ように見えるのが、今の私だ。至近距離で見てるミオちゃんにはもはやホラーだろう。

 私だって、魔法大全の説明文読んだとき、気持ち悪すぎて自分の姿を鏡で見る勇気なかったから。


「は? 目玉だけ? うおっ……き、キモイ……」


 メディオクリスにもキモイって言葉あったんだね。

 あと、女の子にキモイとか言っちゃダメだよ、マルセロくん。


「じゃあ、行ってくるね」

「目玉が喋った……」

「き、気をつけてね、サーシャちゃん……元に戻るんだよね、それ? っていうか、そんな魔法使えるなら、なんで今まで使わなかったの……? 侵入するときとか、楽だったのに」


 引きつった顔で私(目玉)を見送るミオちゃんとマルセロくんを残して、私(目玉)は城壁を目指して歩き出す。

 ミオちゃんの質問には答えなかった。別に都合が悪いから、とかじゃない。時間がもったいないからだ。

 この魔法、便利なように見えて弱点がたくさんある。

 まずさっき言った、目玉は消せないことはないけど、消してしまうと視力を失ってしまうこと。

 そして、身に着けているものは透明にできないので、発動するときは基本全裸にならないといけないこと。

 さらに極めつけは、燃費がよろしくないこと。この魔法、発動している間にMPを1秒につき5失う。

 フィアナが仮にこの魔法を使えるようになった場合、フィアナのMPは850あるから、170秒――姿を消せるのは最大でも約3分間ということだ。カップ麺も作れない。

 私はMPが5000越えてるから、1000秒以上――15分くらいいける。ただ、ふわふわで空中に浮くのにもMPは使うし、指令室とここを往復しないといけないわけだから、1秒でも早く目的地にたどり着きたい。

 あと、ミオちゃんの質問についてだが、全裸にならないと使えないというのが一番の理由だ。

 どうせ乾いた服が持ち込めないんだったら、みんなと一緒に潜ればいいやと思ったのだ。今思えば、水中で苦しい思いをしなくても済むなら使う価値もあったかなとか思うけど、おかげで穴にハマっているフィアナを助けられた。

 というわけで結果オーライだ。そもそも、私の生命線のMPを大量消費するこの魔法はできるだけ使いたくないし。


 とか考えているうちに、私は城壁のそばまで到達した。姿勢を低くしつつ、左手にある階段を見上げてみる。

 この階段を登れば、城壁の上に出られる。見た限り、階段に魔物の姿は見えないが、登り切ったところに待ち構えているかもしれない。

 まあ、そんなことはなくてあっさり登り切れるかもしれないけど、ここはもっと安全で楽な方法を取る。

 というわけで、私は城壁に手をついて、ふわふわを発動。さらに、魔法の効果で目玉まで透明にしてしまう。

 指令室に私が単独で潜入すると決めたときに決めていた作戦だ。目玉を透明にすると視力を失うが、他の感覚に頼れるなら問題はない。

 私は手で城壁のざらざらとした感覚を確かめつつ、浮上を続ける。このザラザラがなくなれば、城壁の上まで来たということだ。

 城壁の上についたら、一瞬だけ目の透明化を解除して周囲の安全確認。

 ……よし、到着。透明化解除!


「うーい……」


 頭上でトロールが、すごく大きな棒を構えて立っていた。

 緑色の、オスしか持ってない棒を。


「(ひぃぃぃぃぃぃっ!! エアロブラスター!!)」


 即座に目玉を透明化。そして、城壁とは逆側に自分の体を吹き飛ばす。


「んー……今日、風つえぇなぁー……」


 独り言を言いながら、用を足す見張りのトロール。

 あ、危ない! 色んな意味で危ない! トロールのおしっこ引っ掛けられるとこだった!

 とりあえず、エアロブラスターで起こした風については怪しまれなかったみたいなのでセーフ!

 ただ、城壁から離れちゃったせいで、自分の今の位置が全然わからない。

 あと、トロールが用を足してる音だけが聞こえてきて、すっごく嫌だ。ひとまず、このまま終わるの待たないといけないの? っていうかトイレを使え!

 そ、そうだ! 一旦、ボルボルにかけてたサーチアイを解除して、と。

 さっき見たトロールをターゲットに、サーチアイ!!

 ……よし、目を透明化してても、ちゃんと見える。後は、トロールが立ち去るタイミングを待つだけ。


「ふわぁ……」


 ごそごそと棒を仕舞いながら、あくびをして、こちらに背を向けるトロール。

 よし、今だ! 目の透明化解除!

 現在位置は城壁から5mくらい離れた場所。見張りはさっきのトロールを含めて、視界に入る分だけで四体。指令室の入口を守ってるのが一体いる。

 指令室の入口を守ってるトロールだけがこっちを向いてたけど、明らかにぼーっと立っていた。他のトロールは城壁の外、反対側を警戒してる。

 あれなら、もう少し高度を上げてから近づけば、指令室の屋根の上に出られそう。

 高度を上げてから、位置確認。よし、見張りは誰もこっちを見てない。目玉状態で、このまま前進。

 元々、人の目玉のサイズなんて10円玉くらいしかないのだ。ジェシカさんくらいの視力でもなければ、この距離で気づくわけがない。


「……よし」


 無事、指令室の屋根に着陸。アクシデントはあったけど、ここまで順調だ。私はガッツポーズを取る。私だってやればできる子なんですよ。

 さて、マルセロくんの話だと、屋根の下に明り取りと換気を兼ねた天窓があるはず。城壁の見張りからは絶対見えないように、南側の天窓を使おう。

 屋根からひょいと降りてふわふわ発動。空中で制止しながら……よし、あったあった。屋根の裏側に潜り込むと、マルセロくんの言う通りに天窓が。

 天窓って言っても、ガラスもはまってない、ただの穴だ。雨よけは屋根がしてくれるから、板で覆ったりすらされてない。これも情報通り。

 私はひょいっと首を天窓に突っ込んで、中を見下ろす。万が一バレたら、すぐ目玉を透明化して逃げよう。トロールバカだし、一瞬なら見間違いだと思ってくれるはず……きっと。


「次、第七百九十一班から第八百班、報告」


 私の真下で、立派な椅子に腰かけた巨大なトロールがそう言うのが聞こえた。

 本当にでっかい。指令室の入り口は人間が通るにしてはかなり大きいものなのに、このトロールじゃ通れないんじゃないかなって思うくらいでかい。

 ハイトロールが小さく見えるくらいだ。普通のトロールの倍くらいある。しかも、全身に立派な鎧を身に着けてて、見るからに強そう。

 そして、その巨大トロールの前に、ハイトロールたちが整列している。

 きちんと並んでるから数えやすいな。ええと、横に25体、縦に10体。だから、250体か。よく入ったよね……ハイトロールでも身長4m越えてるのに。

 とりあえず、この鎧着たトロールが一番偉いのは間違いないよね。鑑定しとこ。


______________________


名前:ガイウス

種族:ジェネラルトロール

年齢:621歳

職業:ティタン四天王

Lv:65

HP:3000/3000

MP:0/0

攻撃力:1200

防御力:700

素早さ:120

かしこさ:220


【スキル】

 統率(Lv6)


______________________


 もはやメフィスと強さ変わらないんですけど……っ!!

 HPが特にヤバイ。HP3000って……っていうか、ジェシカさんでも勝ってるステータスが素早さしかないよ。

 ティタン四天王……これが、あと三体いるってこと?


「第七百九十一班から第八百班、人間の働きが悪くなっています。書類の通り、全班、今日の目標を達成できませんでした」


 一番左端の列の先頭にいたハイトロールが、ガイウスに向けてそう報告する。


「目標を変更する。第七百九十班から第八百班の目標をそれぞれ50減らす。他にはないか」


 ハイトロールの報告を受けて、羊皮紙を眺めながら、ガイウスはそう言った。

 すると、一番左端に並んでいたハイトロールたちのうち、前から二番目に並んでいた一匹が手を挙げる。


「第七百九十二班、質問です。痛めつけても働かない人間はどうすればいいですか」

「その日は休ませろ。次の日も働かなければ、もう一日休ませろ」

「ガイアス様、サボる人間が増えると、生産量が減りますが」

「生産量のことは気にしなくていい。人間は生かして手元に置いておくことに意味がある。やつらは人質だからな。ただし、部下のトロールにはそのことを言うな」

「わかりました」


 ミオちゃんの言った通り、トロールたちは街の人たちを人質として利用するようだ。

 っていうか、今質問してたの、ボルボルじゃん。残念そうな顔してる……食べていいって言われるの期待してたんだろうか。

 でも、よかった、これで今日見たあの人は明日休めるかも。


「他はないか? ……ないな。次、輸送部隊第一班から十班、報告」


 ガイウスが右端にいるハイトロールに視線を向ける。


「輸送部隊第一班から、第十班。塔の食糧庫から問題なく、第六百一班から第六百四十班への食料運搬を行いました。領主の息子及び、勇者を発見した者はいません」

「次、輸送部隊第十一班から二十班」

「輸送部隊第十一班から、第二十班。塔の食糧庫から問題なく、第六百四十一班から第六百八十班への食料運搬を行いました。領主の息子及び、勇者を発見した者はいません」

「次――」


 同じような報告が繰り返されていく。聞いてると眠くなってきちゃう。あと、MPがきつくなってきた。

 そろそろ引き返すべきかな。でも、もうちょっと粘りたい。せめて、輸送部隊とやらの報告は聞いて行こう。


「輸送部隊第四十一班から、第五十班。塔の食糧庫から問題なく、第七百六十一班から第八百班への食料運搬を行いました。領主の息子及び、勇者を発見した者はいません。輸送部隊からの報告は以上です」

「北門、東門、西門の所属の輸送部隊からは、なにか情報は?」

「塔の食糧庫で情報交換をしましたが、特に何もありませんでした」

「そうか。輸送部隊は、明日、各門の所属の班長から今夜の集会について内容確認し、報告しろ」

「「「了解しました」」」


 輸送部隊のトロールたちが、声を合わせて返事をする。

 他の門の指令室でも同じことしてるのか。あと、私たちのことはまだバレてないみたい。

 粘ってみたけど、大したことはわからなかったなぁ。でも、MPが本当にヤバいし、もう戻ろう。


「では今夜の集会を解散とする。明日も同じ時間に集合するように」


 すると、ガイウスがそう高らかに告げて、集会を閉じた。同時に、出口に向けてワラワラと移動するハイトロールたち。

 や、ヤバイ! もうちょっと早く切り上げたらよかった! 早く逃げないと、大勢のハイトロールが出てきて見つかりやすくなっちゃう!

 幸い、ハイトロールたちは体がでかすぎるので、入口で大渋滞している。今のうちに、さっさとミオちゃんたちのところに戻ろう。

 目玉状態のまま、上空に浮き上がる。そして、エアロブラスターで一気に移動。トロールなら、至近距離でエアロブラスターを使っても特に気にしないのは確認済み!

 っていうか、思った以上にミストウォールの警備はガバガバだ。二万人の住人を助ける方法は全然思いつかないけど、街の中を動き回るのは結構自由にできちゃうかも。

 今だって、結局バレずにトロールの集会、最後まで見られたしね。

 おっと、ミオちゃんとマルセロくんが隠れてる民家の真上についた。後は、物陰に降りて魔法を解除すればOK。MPギリギリかと思ったけど、まだ余裕あるや。エアロブラスターで時間稼げたのがよかったね。

 着地して、トランスペアレント――解除!


「うおっ!? あ、あんた、いきなり!?」


 私が魔法を解除すると、マルセロくんがびっくりしていた。

 ああ、そっか。いきなり人が現れたらびっくりするか。けど予告するにしたって、目玉に話かけられる方がびっくりするだろうし、仕方ないよね。

 けど、なんかマルセロくんの様子、ちょっと不自然? びっくりしてるのは当たり前としても、なんか顔赤いし、驚いてる割にはしっかりと私を見ているような。

 しかも、私を見てるのに目が合ってないし。どこ見てるんだろ……ああ、そっか。

 私、今すっぽんぽんだった。


「ご、ごめん、マルセロくん! ちょっと向こう向いて――」

「サーシャちゃん危ない!」


 私を押しのけるようにして、ミオちゃんがマルセロくんを殴った。

 グーではなく、チョキで。

 うん、一番危ないのは君だよ、ミオちゃん。


「ぐぁぁぁぁぁぁ! 目が! 目がぁぁぁぁぁ!」

「おい! あっちから、人間の叫び声が聞こえたぞ!」

「男の声だ!」

「あ、ちょっと! マルセロのせいで見つかった!」

「お前のせいだろ!」

「二人ともケンカしてる場合じゃないよ! 逃げるよ!」

「サーシャちゃんは早く服着て!」

「そんな時間ないから! 早く逃げないと来るから!!」

「うー、仕方ないかぁ。マルセロ! 見ちゃダメだからね!」

「お前のせいで何も見えねぇよ!」

「もう、世話が焼けるんだから! ほら、手を握って!」

「お前のせいだって言ったよな、おい!」

「いいから逃げるよ二人とも!」


 こうして私はすっぽんぽんのまま、ミオちゃんはマルセロくんの手を引いて、必死にジェシカさんたちが待つ物置まで逃げた。

 物置についたときは、ジェシカさんには大笑いされたし、視力が回復しかけていたマルセロくんはもう一発目つぶしを食らっていた。

 とりあえず、ごめんねマルセロくんって思った。

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