17話 ……どこか、泊まろう?
おはこんばんにちは!
幽幻桜です!
今日も投稿でした。よろしくお願いします。
……この気持ちが、好き……?
17年間、恋を識らずに生きてきた私にとって、初めての感情だった。なら……
「この気持ちが好き……って気持ちなのかしら。……ありがとう。
私も好き、よ……」
そう言って私も彼を抱き締めた。
「私……戻りたい。あの花畑に。貴方と初めて会った。こんな私に話し掛けてくれた大切な場所だから。
……やっぱりあな……ううん、セイさんといると落ち着くな。
……最初の頃、冷たい態度とってごめんなさい。もうあの時みたいに性格を作らないから許してね。」
「そんなの大丈夫だよ。
僕も、あの場所に戻りたい。帰ろう。」
そうしてセイさんは私の手を取り、羽を広げようとした。だけど、
「羽が……出せない……!?」
彼はそう言って何回も翼を出そうとしている。けれど何回やっても結果は同じ。だから私はーーー
セイさんを抱き締めて「もういいよ。」と言った。だってこれ以上続けても結果は同じ。
「多分、人間界に落ちて来ちゃったからだと思うの。……どこか、泊まろう?」
私の手の中には見た事の無い硬貨と紙幣。きっと天界や魔界のものが人間界のに変換されたのだろう。
私はそれなりにお金を持っていたからお金には困らないはず。
この事をセイさんに見せて伝えると、パッと表情が明るくなった。セイさんもどうやって生活していこうか悩んでいたらしい。自分のポケットも見て、それが全て人間界のお金になっている事を確認し……
「そうしよっか!」
と、明るい笑顔で言った。
今日も読んでくれてありがとうございました!