夫婦から得るもの
夫婦には、其の夫婦にしか解らない事が仰山ある。どんなに仲の悪い夫婦でも、其なりの他人が知り得ない歴史が在る。なんで、騙し合い、憎しみ合い、罵り合っても、必ず離婚に到るとは限らない。また、そう言った熟年夫婦も珍しくは無い。然し、其は何故なのか?。僕が思うに其は恐らく、他人が絶対に知らない、また他人に絶対に知られたく無い、史上最低最悪な部分を互いが晒し合っているからだろう…、と単純に思う。互いが騙し合い、憎しみ合い、罵り合うと言った喧嘩は醜いが、其の感情には真実以外に何も無い。人は、何の関心も無い人間を騙したり、憎んだりはしないからだ。暴言を吐き罵り合う事は、相手に対する不満の集大成の怪物だ。夫婦が本当に仲良くなるには、時にこう言った修羅場も多少は必要で、毎回其を如何に二人で乗り越えるかだ。一方、其とは逆に仲良くいる為に、互いが思いやりの気持ちを持ち尊重し合う事も大切だが、抑々、異なる環境で暮らして来た者同士が常に同じ感情の筈が無い。どちらか片方が自分を抑えなければ、対等には成らない。然し其は造られた偽りに近い均整とも言える。其を互いが理解し合って感謝していれば然程問題も無いが、そうで無い場合は、醜くても日々不満をぶつけ合い、本音を晒し合う事だ。其の結果が二つの分かれ道と成る。即決するも延長戦に持ち込むのも最終的には自分次第だ。




