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クローン 特別な人間

クローンを作る?特別な人間も作るってなんだよそれ。


クローンを作るのは法律的に禁止されている。

ここを歩いてきて思ったことは人間の多さ。


こんな作っていたら絶対にバレる。

逮捕されておかしくない。


でも、1番引っかかっているのは『特別な人間』

という言葉だ。

それも"作る"ってなんだそれ。


頭が真っ白だ。



「私たちクローンを作ることが禁止されていない時代にきたの」


いきなりそう言われた。

クローンが作ることが許されている?

それにその時代に来た?


そしたら、ここは未来か?


おかしなことが多すぎる。

未来に行くんだったら光の速さより速くしないと行けない。

それが出来たと言うのか。


頭の白い中に黒いのが混ざって黒に近づいている。記憶?


分からない。分からない。

でも、何だこの灰色。誰かが何かを思い出せと言っているみたいだ。


私は私なのか?

それとも……


「クローンは便利でね。臓器移植なんかに使うの」


私が入っている水槽に手を付きすました顔で何も思ってないような声でそう言う。


ちゃんと考えたらこれはおかしすぎる。

クローンとはいえ臓器移植に使う時点でまずもう1人の人を殺していることになる。


神経を疑わざるおえない。


こいつは、いやこいつらは何を求めているのか。


人を救うことか?自分の名誉か?


何にしろ誰一人救えないことをこいつらは分かっているのか?


「でもね、臓器移植で救えたらまだいい方だけどねやっぱり救えない人もいる。」


やっぱり分かってないか。


でも、こいつらの言う通り臓器移植では救えない人もいるだろうな。これが現実なんだ。


限界があることぐらい分かっている。


「それでね、私は思ったの。救えない人は可哀想だなって」


悲しそうな声だったが水槽に写ったこいつは笑った。

背中に悪寒が走るのが分かった。

同時にこいつが狂っているのがよくわかった。



そして、こいつは水槽についていた手を離し歩き出す。

何だこのこいつが放つ嫌な雰囲気。

気持ち悪い。


黒い何かがまとわりつくような。


「だからね!私はその救えない子を検査するの!」


笑顔で言ったこいつ。同時に声も明るかった。

怖いことには変わりはなかったが。


というか検査?何をするんだ?

思考が全く読み取れない。


「検査は1日かけるの!単純な検査から特別な検査まで!」


単純な検査?

思いつくのは血液検査ぐらいか?

それは分かるが。


特別な検査が全くもって分からない。

そんなの聞いたことがない。


「そしてね!その検査を受けて終わった後にこの子はむりだなって思ったらその子に似たクローンをつくる!」



は?その子に似たクローンをつくる?

だったらその子はどーなるんだよ。


「そして、そのクローンをその子の親に届けるの!すごいでしょ!」


子供みたいき無邪気な顔で笑っている。

でも、私にはこいつがただの人間の皮を被った化け物にしか見えなかった。

今まで以上に驚きが隠せないでいる。


こいつが言ったことは……

ただの人殺し。


つまりその体の悪くなった本当の子は処分される。

私は吐き気がした。

ひどく顔を歪ませる。


こんな残酷な世界


あっていいはずがない。


「すごい事だと思わない!それで親御さんは喜ぶんだよ!科学はもう無限だ!」


と両手を広げて発言する。



何も何もすごくない。

誰一人幸せになんかならない。


こいつが言っていた特別な検査、それは。

その子がどんな生活を送ってきたか。

どんなことが好きだったか。

全部クローンに記憶を移し替えるための検査。



この時代は進みすぎている。

だから、こんなやつが現れてしまう。


「そんな失望しないで!これが現実なの」


私の顔を覗き込んできたそいつはもう人間ではない。

私はその場に座り込む。


クローンの命まで奪い。

それでは飽き足らず。

本当の人の命まで奪った。


これだけでももうたくさんなのに追い打ちをかけるようにこいつがまた話し出す。


「それとね私は特別な人間も作っているって言ったでしょ?」


もう聞きたくはなかったが聞こえてくるこいつの声は私には不快な音にしか聞こえなかった。


そして、そいつは私が座りこんでいる位置と同じ位置にまできた。


「特別な人間はねそのクローンと入れ替えられた子を使うの。実験台としてね」


処分よりもっと残酷なことだ。

人をモノみたいにこいつは言う。


どんどん黒になっていく私の頭の中はもう止まることを知らない。


「今のところまだ完成してないんだー!でも、これからもっと研究に研究を重ねて特別な人間を作り出す!」



研究に研究を重ねて?

まだ人を殺すのか。

まだ足りないのか。


こんなやつが生きてていいはずがない。


「なぜ特別な人間を作り出すかっていうとね、この世界は不公平すぎるからだよ」


声のトーンを下げてそう言う。


また冷たい声に戻った。

この声はどーしても重たかった。


「私の考える"特別な人間"はみんながみんな同じ力をもつ。そんな世界。」


そんな世界を作って何になる?

みんなが競い合って行くからこそこの世界なんじゃないか。

それだから楽しいんじゃないか。


なのに何故それを無くそうとする?


あと、何人の人が犠牲になる?


そんな世界を作るためにあと何人死ぬんだ?



何にもならないのにどうしてそんな……




「でさ、君いつまで人間の考え方してるの?」


のしかかってきた。言葉だけで。


「君は人間じゃないんだよ?ただのクローンなんだよ?」



あぁ、もう私の頭の中は真っ黒だ。

涙も声も何もない。



「でも、君ももう死ぬんだよ。」



こいつがそういった瞬間空間が歪んで私は吸い込まれていく。

あいつは不敵に笑っていた。


あぁ誰か この世界を 終わらしてくれ



そう願って私は消えていった。


最後に青い何かが頭をよぎったがもう思い出すことすらできなかった。

分かりにくかったらコメントください。

作者語彙力なくてセリフが結構多めです。

本当にごめんなさい。

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