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空
私は誰よりも空に近い人間だと思っていた。
上を見たら空があって。
空を見るたびいつも清々しい気持ちになる。
別に誰かに「私は空が好きなんだ」と言うわけではない。
ただ私が見ていたかっただけなんだ。
あの空をいつまでも見ていたかっただけなんだ。
なのに。
なんで今は空が見えない。
誰のせいでこうなった。
いつこうなった。
あぁ……そうか。
あの時だ。
あの時あいつに。
奪われたんだ。
何もかも。
私はただ空を見たかっただけなのに。
あの青々とした。
雲ひとつない空が大好きだったのに。
もう見れないのか。
だってこうなってしまったのは全部あいつが悪い。
新しい小説です。
読んでくれたら嬉しいです