プロローグ「ん?世界最強だぞ。何がおかしい」
「グエー」
俺は死んだ。トラックに跳ねられ。
目を開けると、そこには偉そうな女が立っていた。
「わらわは神だ。ちょっとした手違いで死なせてしまった。めんご」
と悪びれた様子見なく、謝ってきた。
「なので、おまえを生き返させてやろうと思う。ただし、異世界で生きていくことになるが、いいか」
これは異世界転生というやつか。今、流行りの。
キタ――(゜∀゜)――!!
このビッグウェーブに乗らなきゃいつ乗るっていうんだ。
「是非、頼む」
「うむ、いい返事だ。では恒例の、ではなく、叶えて欲しい願いを言うがいい。今ならおまけで二つ叶えてやろう」
マジで、二つも叶えてくれんの。
「なら、俺tueeeな能力をくれ。それも世界最強で頼む」
少し抽象的ではないかと思ったが、なまじ中途半端な能力をお願いして、俺より、強い能力者が出てきても困るので、とにかく、強い能力を頼む。
世界最強とつけておけば、少なくとも俺の能力の上位互換者は出てこないだろう。
「うんうん、いいぞ」
悩むことなく、頷く神様。流石、神様。物分かりがいい。
「二つ目は俺をめっちゃモテるようにしてくれ。それも、みんなこぞって俺を取り合いするようなハーレムもので頼む」
強くてもみんなにチヤホヤされなきゃ意味がない。生まれてこの方、女の子と付き合ったことがない俺はモテたいのだ。
「ああ、もちろんいいぞ」
嫌な顔することなく、頷く神様。流石、神様。懐が大きい。
「では、おまえの望みを叶えるぞ。ハッ!」
「はい、お願いします」
神様の手から光が放たれ、俺の体は光に包まれる。
光の強さに目を閉じ、期待に胸あふれワクテカしながら、転生の時を待つ。
「うむ、完了したぞ」
神の満足げな声がして、目を開けると、空が見えた。どうやら、俺は仰向けで寝ているらしい。
身を起こそうとするが、何故か動かない。
もしかして、まだ、世界最強の能力に体が馴染んでないとか。
「神様、動けないんだけど」
なぜか、しゃべるとカチャカチャと音がした。
「動けるはずないだろ」
神様は不穏なセリフを吐く。
「どういうことですかね」
「ほれ」
神様は寝ている俺を覗き込む。その手には鏡を持っていたので見ると、
「なんじゃこりゃーーー!!」
俺は剣になっていた。
剣の鍔の部分にはドラゴンの顔を模した装飾が付けられており、しゃべるたびにドラゴン口が開閉され、金属が擦れあう音が鳴る。
さっきからしゃべる度にカチャカチャ鳴っていたのはこのためか、等と感心している場合じゃない。
「立派だろ。我ながら、完璧な出来だ」
そう言って、満足げに頷く神様。
「おいおい、なんだよこの姿、剣じゃねぇか。人じゃないじゃん」
文句を言うが、神様はキョトンとした表情で言う。
「ん?世界最強だぞ。何がおかしい」
「いやいや、おかしいところしかねぇから。これだと俺tueee(物理)じゃねぇか」
「強いのには変わりないな」
確かに強いのかもしれないけど、人じゃないなら意味ないだろ。
何せ、
「これだとハーレム作れねぇだろ。まさか、武器屋にでも送られて、槍やら盾やらに囲まれて、これがハーレムだとか言うんじゃねぇだろうな」
こんな姿だと俺のモテモテ、ハーレム道なんて夢のまた夢だ。
「槍とか盾に雄だの、雌だのないのに、それをハーレム等、言うわけなかろう。ちゃんとした生物相手にモテるようにしてやる」
「言っている意味わかんねぇよ」
呆れ口調で言う神だが、呆れたいのはこっちの方だった。
「とりあえず、行けばわかるさ。ちゃんと、みんなこぞっておまえを取り合いするような、モテモテな剣生、いや、人生を送れるさ」
「今、剣生って言ったよね」
「文句の多い奴だ。つべこべ、言わずさっさと行け」
神はもうめんどくさくなったのか、投げなりな言葉を吐くと、ゲートのようなものを開き、俺をそこに投げ入れる。
「このくそ女神が」
ゲートに飲み込まれる瞬間、罵声を吐くが、くそ女神は気にも返さないどころか、面白そうに言う。
「おまえの剣生。楽しみに見ている」
俺が最後に見たのは愉悦と笑うくそ女神の姿だった。
くそ女神は俺をわざとこんな姿にしたのだと確信した。
初投稿です。よろしくお願いします。
2017/7/23 神の自称、修正。




