第6話「貴族パーティーで即死級ファッションショック!」
王様に呼び出されたレン一行。
煌びやかな王都・エルグランに来ていた。
街の中央にそびえる王城では、今宵、盛大な貴族パーティーが開催されていた。
音楽、笑顔、香水、金の装飾。
そして、地獄の中心に現れるひとりの男。
勇者レン。
胸に光るのは……神の悪意が織りなす最強(最凶)ファッション。
『VIP限定☆恋のミラーボール』
胸元が七色に光る。動くたびに‘’ピカピカ‘’音付き。
「レン様……ほんとにその服で行くんですか……?」
同行するリナ。
「着るしかないんだ!脱げないんだよ!神の呪いなんだよ!」
「でも、その……“恋のミラーボール”って……」
「俺だって恥ずかしいわ!!!」
会場に入ると貴族たちの笑顔が、音を立てて凍りつく。
「な、なんだあの発光体は……?」
「まぶしい!いや、精神的に!」
「目が痛い!心も痛い!!」
《スキル:場の空気(蒸発)》
効果・レンの周囲、直径5メートルが空白地帯となる。
誰も寄らない。誰も話しかけない。
司会者「そ、それでは勇者レン殿のご挨拶を……」
レン「えっ!?俺!?」
ステージに立つと、照明が落ちるだが、Tシャツが自動点灯。
『恋のミラーボール☆ナイト』
胸元がディスコモード突入。
「お前が照明係かあああああ!!!」
貴族A「なんという……エモーション……」
貴族B「いや、違うだろ!」
王「勇者よ、それは……戦闘用装備なのか?」
レン「……精神戦用です」
リナ「違います!呪われてるんです!!」
音楽が鳴り出す。
バイオリン、フルート、そしてTシャツの“ピカピカ音”。
『ピカピカ☆恋は止まらない』
効果・パーティー全員の羞恥耐性-50%
貴族たち「うっ……なぜだ……顔が熱い……!」
レン「俺が一番だよぉぉぉ!!!」
ダンスの時間が始まる。
「勇者殿、ぜひお嬢様と一曲を」
「……俺の服が光ってるけど?」
「……勇者様の勇気を、見せてください」
泣きながら手を取るレン。
そして、Tシャツが追撃を放つ。
『恋のシンクロ☆ダンスモードON』
効果・二人が触れた瞬間、周囲にピンクの光粒子が舞う。
「なんでエフェクト出るんだよぉぉぉ!!!」
ダンスが終わると、王が立ち上がった。
「勇者よ……」
「は、はい……?」
「その装備、国宝級の破壊力だ」
「誉め言葉なのかそれ!?」
夜、宿に戻ったレンは机に突っ伏す。
「もう無理……この服、社会的に殺しに来てる……」
Tシャツが光る。
『次のトレンド☆君から始まる!』
「お前が終わらせたんだよぉぉぉ!!!」




